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怪しい咳

怪しい咳が続いているのは
一寸前から気付いていた

「肺を患いまして」

文芸を愛する者にとっては
得も言われぬ恍惚をもたらす科白

真に命を削るのが本物
形から入るのは偽物
どちらでも構わない
恍惚に浸ることが叶えば

怪しい咳は敵でも何でもない
寧ろ最も親しい同胞はらからなのだ

評価を欲しがるのは偽物
真に表現と対峙するのが本物
結果として肺を患った
唯それだけのこと


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ほろ酔い文学

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