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ひとくち映画レビュー

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エッセイとして書いてた映画レビューの記事数が増えてきたので、単体のマガジンとしてまとめました。
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記事一覧

〜ひとくち映画レビュー〜 インフィニティ・プール(ネタバレあり)

〜ひとくち映画レビュー〜 インフィニティ・プール(ネタバレあり)

「アンチヴァイラル」「ポゼッサー」に続き、あの変人映画監督デヴィッド・クローネンバーグの息子ブランドン・クローネンバーグ監督3作目を観てきた。

「最新作はぜひ劇場で観たい!」と最新作を待ち侘びてしまうほどハマってしまってるブランドン・クローネンバーグ。親父の変態性をきっちり受け継いでいて、本当に待望の新作であった。

個人的には、奇妙さ不気味さ満載のかなり自分好み映画で大満足だった。ただ、僕が満

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〜ひとくち映画レビュー〜 M3GAN ミーガン〜

〜ひとくち映画レビュー〜 M3GAN ミーガン〜

子育て支援のために開発されたAI人形が子どもを守るために他人を傷つけることも厭わなくなるほど暴走していくホラー映画。

題材が面白くて、現代社会への警鐘となるようなエピソードが散りばめられているのに、ラストは結局そうなるのか…という感想になる。

AIに対してペア登録された子どもの言葉しか通用しなくなる、という設定を考えると、違うエンディング案もあったのではないかと勘繰ってしまう。映画ではよく聞く

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〜ひとくち映画レビュー〜 (ネタバレあり)PERFECT DAYS

〜ひとくち映画レビュー〜 (ネタバレあり)PERFECT DAYS

今回観た映画はかなり感動したので、ひとくち、ではなくがっつりレビューです笑。
長文失礼。

僕の大好きな映画監督であるヴィム・ヴェンダースの最新作であり、さらに東京を舞台にした本作。
観ないわけにはいかない!と思いたち、仕事をサボって(!?)映画館に走った。

ヴェンダースは期待に応えてくれた。観てよかった映画である。

役所広司さん演じる主人公・平山は都内のトイレの清掃員。毎日早朝に起き、布団を

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〜ひとくち映画レビュー〜 TUBE 死の脱出

〜ひとくち映画レビュー〜 TUBE 死の脱出

昨日見た「ノック 終末の訪問者」が少し消化不良だったため、もう一本。

こちらは、1人の女性が細い筒状の通路に閉じ込められ、そこから脱出を図るという、シチュエーションスリラー。
邦題もあの名作「CUBE」を意識したものであり、似たようなものだと思って差し支えない。

やや、スピリチュアル的宗教的な面が見えるストーリーだが、管の迷路を進んでいく様子はとにかく怖い。
僕自身、少し閉所恐怖症であることも

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〜ひとくち映画レビュー〜 ノック 終末の訪問者

〜ひとくち映画レビュー〜 ノック 終末の訪問者

シャマラン映画なんだけど、これはシャマランオリジナル脚本ではなく原作小説がある、とのことで、あんまり期待せずに観たわけで。

結果として、「ああ、なんかストレートに終わったね」って感じだった。

原作小説とあらすじは大きく変えてあるらしいんだけど、この映画単体でみれば、かなりこじんまりとした作品、という印象。

とはいえ、
家族の命と世界の滅亡、どちらを取るか?
っていう前情報だったんだけど、家族

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〜ひとくち映画レビュー〜 CUBE 一度入ったら、最後

〜ひとくち映画レビュー〜 CUBE 一度入ったら、最後

スリラー映画好きなら知らない人はいないと断言しても良いほど有名な「CUBE」を、日本人キャストでリメイクした本作。

こんなコアなファンが多い映画を大胆にもリメイクすることに挑戦した日本の制作者さんたちには拍手するしかない。
どんな風にリメイクしたって「オリジナルの方がいい」と言われる事はわかっているのに、あえてそこに挑戦するのだから。

実際、オリジナルの方が面白い、という感想になってしまうのだ

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〜ひとくち映画レビュー〜 LAMB ラム

〜ひとくち映画レビュー〜 LAMB ラム

公開当時かなり気になってた映画だったのだけど、忙しさの中で観に行く機会がなかった。
今回アマゾンプライムで配信されていたので、やっと観ることができた。

牧場で夫婦が育てていた羊から羊ではない"何か"が産まれ、夫婦がその"何か"を育てる、というのが話の大筋。

かなり空白の多い映画で、結末も含めて見ている人の想像力に委ねられる場面が多い。
でも、なんだか小難しいセリフで煙に巻かれるような感じではな

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〜ひとくち映画レビュー〜 エリジウム

〜ひとくち映画レビュー〜 エリジウム

観終わってから調べて知った事。「第9地区」と同じ監督さんだったんだな、この映画。

「第9地区」が傑作だったのに対して、その映画を観た人からはなかなか酷評だったこの映画。まぁ、観たらなんとなくその評価もわかる。

一部の富裕層が、大気汚染などで荒廃しスラムと化した地球を捨てて、宇宙にコロニーを作り移住した未来、がこの物語の設定なのだが、シンプルにこの設定が充分に活きてないのが原因だと僕は思う。

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〜ひとくち映画レビュー〜 ガンズ・アキンボ

〜ひとくち映画レビュー〜 ガンズ・アキンボ

ダニエル・ラドクリフ主演のアクション・コメディ。

殺し合いを中継配信するヤバい組織に、クソリプを飛ばしちょっかいを出した1人のさえない男が、両手に拳銃をボルトで固定されて無理やり殺し合いゲームに参加させられる、というお話。

著しく倫理観や道徳観が欠落した映画なので、楽しめるかどうかは人を選ぶ。僕は好みの映画だ(笑)

両手に拳銃をつけられる、という設定が出オチだけじゃなく物語全般でうまく活かさ

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〜ひとくち映画レビュー〜 キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン

〜ひとくち映画レビュー〜 キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン

公開当時から「観たいなぁ」と思いながらずーっと観ておらず、今日やっと観た。
もう20年前の映画なのね笑

逃げる詐欺師と追うFBI捜査官の2人の掛け合いがコミカルに描かれる。

見始めてから気づいたのだが、スピルバーグ監督だったのか、これ。

スピルバーグ監督は、相変わらず重すぎず難しすぎず、誰でも楽しめるちょうど良い映画を作るなぁ。
ポップコーン映画としてかなり楽しめた。

〜ひとくち映画レビュー〜 ハウス・ジャック・ビルト

〜ひとくち映画レビュー〜 ハウス・ジャック・ビルト

一言でいうと、シリアルキラーの人生を辿る物語。劇中は、悪趣味な殺人シーンが連続で出てくる。

かなり過激で悪趣味で残酷なのだが(殺す相手は女子供関係なく容赦ない)、なぜかシュールで笑ってしまう。

グロい、グロいし倫理観はゼロなんだけど、なぜか目を背けられない。

人によっては「なんで、こんな映画好んで観るの?」と思うだろうけど、魅力的なんだから仕方ない。

ラース・フォン・トリアー監督は、鬱映画

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〜ひとくち映画レビュー〜 radius ラディウス

〜ひとくち映画レビュー〜 radius ラディウス

半径15m以内に近づいた人間をみんな即死させてしまう現象の謎に迫る2人の男女。

シチュエーションとしては、非常に惹かれるんだけど、これに加えて「主人公の2人が記憶を失ってる」という設定もある。

個人的には、「記憶を失う」っていう設定って最終的に「なんでもアリ」みたいな展開になるので個人的には好きではなく、この映画も想定内の結末を迎えた。

せっかく面白い設定なのに、なんかもったいないなぁーと思

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〜ひとくち映画レビュー〜 ブレット・トレイン

〜ひとくち映画レビュー〜 ブレット・トレイン

いやあ、面白かった。
ホントに満足できる映画って「面白い」以外の言葉が見つからないものである。

殺し屋ばかりが乗ってくる新幹線の中で繰り広げられる殺し屋同士の戦い。
アクションありコメディあり、数々の伏線をふざけた感じで回収していく小気味良い脚本も素晴らしい。久しぶりに大満足出来る映画を観た。
個人的には、高校生の頃にタランティーノ映画を始めて観た時(「レザボア・ドッグス」「パルプ・フィクション

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〜ひとくち映画レビュー〜 ポゼッサー

〜ひとくち映画レビュー〜 ポゼッサー

先日記事を書いた「アンチヴァイラル」で、このポゼッサーの公開時期を見逃していた事を後悔していたのだが、なんと近くの名画座映画館にて上映されていることを知り、すぐに仕事を休みにして観に行った。

いやいや、レンタルか配信を待たなきゃいけないと思っていた矢先に上映している映画館を見つけるなんて、映画の神様は僕を見放してはいなかったのだ笑

映像美とグロテスクさで有名なデヴィッド・クローネンバーグの息子

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