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詩のマガジン

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ひとやすみマガジン。詩のマガジンです、更新は不定期。
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記事一覧

詩「わすれもの」

詩「わすれもの」

鳴子の休憩所

傘のわすれもの

いつかの誰かの思い出がひとつ

いつかで止まったまま

傘の反対側には

いつかの観光案内にガイドが使ったらしい
旗がひとつ転がっている

いつかで止まったまま

しんと静まり返った室内に

いつかの楽しい思い出が漂っている

(MacBook)

詩「せんたく」

詩「せんたく」

今日は天気が良かったから

シーツを洗ってみた

夕方シーツを取り込んだ

洗剤とおひさまのにおいがした

洗いたてのシーツは気持ちいい

どんな風に風に吹かれ
どんなふうに陽に当たったのか

風に揺れた時はどんなだったか

シーツに聞いてみたいけど

風に吹かれた記憶は匂いだけ

陽に当たった記憶は匂いだけ

それでも今日はゆっくり眠れそう

(MacBook)

今朝の夢『...。』

今朝の夢
私は気がつくと明け方の薄暗い道を一人で歩いている。

左側を小さな川が流れていて
覗き込んだ。まだ川の水色は空の色と同じく
薄暗かった。

手を伸ばした。水に触ろうとしたのだろうか?
私は携帯を落とした。

声を出す前に携帯電話は
「...。」
と沈んでいって、真上からではもう届かないところに沈んでいった。

私は焦って、川の近くまで降りて行って
手を水の中に入れて川の水をかき混ぜた。

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詩のようなコラム「てんとう虫」

詩のようなコラム「てんとう虫」

娘と散歩しながら韓国料理に行った

何食べる?

お肉とサンチュ、それからキムチも食べたいね

娘が言う

ママはチャプチェがいいな

私が言う

ふたりでペロリと平らげた

帰り道は少し涼しい

娘がコートを羽織った

ポケットから

去年食べたチョコの包み紙

良い事ありそうだから取っておこう!

そんな風に話した

ナナホシテントウの包み紙

赤い銀紙に
黒い星が七つかわいい顔のてんとう虫

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詩のようなベスト10「好きな空」

詩のようなベスト10「好きな空」

あなたの好きな空はなにかしら?

第10位
明け方、真っ赤に燃える空

第9位
雨上がりのもやんの空

第8位
カラッと晴れ渡った5月の空

第7位
梅雨の晴れ間の明るい空

第6位
雲ひとつない空

第5位
車窓見える空全部

第4位
大きな満月の空

第3位
満天の星空

第2位
オレンジ色でまるでアフリカのサバンナのような空

第1位
入道雲がもくもくと大きな夏の空

あなたの好きな空はなに

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詩「若者のすべて」

詩「若者のすべて」

最近ミスチルの曲をよく聴くので1994年に放送していた「若者のすべて」を思い出して書いた詩です

毎日

力強く歩ける日だけではない

泣いたり、悩んだり、苦しかったり

ぶつかったり、これは違うと思ったり

憤ったり、転んだり、欠けたり、無くなったり

今日も世界のどこかで失われる小さな命が悔しかったり

けれどそんな日々の中に美しくて見える景色があるならば歩いてみて、時々休んでもいい

居眠り

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詩「すこしでも」

詩「すこしでも」

まだ戦争は終わってなくて

まだ泣いてる子はいて

まだ痛い子はいて

まだ命をかけて逃げている子はいて

まだ失われる命がある事を

1日に1度でも思ってみたら

すこし心に寄り添えたらいいのではないだろうか

対岸の火事ではないと

頭の片隅に置いておく

(MacBook)

短い詩「はるのおしらせ」

土曜日の詩「朝」

土曜日の詩「朝」

朝の空気を思い浮かべて読んでほしいです

朝は誰のもの

朝はみんなのものだよ

鳥の声は誰のもの

鳥の声もみんなのものだよ

新聞配達の音は誰のもの

新聞配達の音もみんなのものだよ

味噌汁の香りたつ湯気は誰のもの

味噌汁の香りたつ湯気もみんなのものだよ

早起きの清々しい気持ちは誰のもの

早起きの清々しい気持ちもあなたのものだよ

あなたの一日の始まり

素敵な朝はみんなのもの

(M

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詩「山」

詩「山」

山のようにおおらかに生きたい
その場所にあって動かず

雨や雪が降ればなすがまま、好きなだけ降っていいのよと受け入れて

崩れたり、雪崩れたり、噴火すれば、誰も争う事の出来ない激しさを持ち

しかし激しさの後にひっそりとした静けさをもたらす

鳥がさえずり、動物が走り回る
木陰が出来れば、さあお休みなさいと安息の地となり

ただ変わらずそこにあるのだ

山として

(MacBook)

詩「五月の風の」

詩「五月の風の」

5月の爽やかな風を思い書きました!

五月の風の

心地よいささやき

五月の風の

運んでくる優しさ

その澄んだ空気と
そよめきが

洗濯物を揺らすでしょう
その辺の草木を揺らすでしょう

ゆらゆらと
ひらひらと

すると私は夢見心地になって
桜はないけど
 
通り過ぎる風はもっと素敵ね

そんな風に思うのです

五月の風に

(MacBook)

詩「あっという間の今日」

朝鳥の声で目覚めて

もぞもぞと起き上がる

納豆を頬張ったのは今朝何時位だったか

会社でお弁当を食べ終わったのは何時だろう?

あっという間に夕方になり夕日を見た

日が長くなっていた

あれいつの間に?

あっという間だ

今日があっという間なら明日もあっという間

もしかすると1年も?

あっという間の私たち

毎日毎日あっという間だけど

そんな中にゆっくりを見つけるのもいい

こうして

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詩「育つこころ」

詩「育つこころ」

人を愛せない
自分を愛せない
神を愛せない

そんなこころを持つ人間が
大きな愛に出会えた時
ほんの少しこころが動く

そして肩を借りた時
初めてこころのドアが開き
愛とはなにか考える

次は正しく導かれ背中を押してもらったら
初めて空を見たくなり
見上げた空は信じても怖くないと知る

また転ぶまだまだだ
だけど前とは違うと感じ
強く歩ける勇気に気がつく

育つこころはどんどんどん
感じる感じる生

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詩「ちいさな」

詩「ちいさな」

大好きなブックカフェにあるトイレの電気のスイッチが小さくて可愛らしかったので詩にしてみました

小さな小さなスイッチが

忘れそうな場所にあるスイッチが

とても好き

それは電気のスイッチだ

本屋のトイレにある

毎回探してしまう

小さな針山のようなスイッチだ

四角い形で小さくて

トイレに入る時

こんなところに?と思う、スイッチがかわいい

トイレを出る時

見つけにくい!と思う、スイ

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