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新丸子という神奈川と東京の境目
新丸子に行く機会があった。新丸子は一人暮らしを始めた場所で、20代のときに五年間住んでいた。神奈川出身の自分には限りなく東京に近いけどギリギリ県内という立地が魅力的だったのだ。いきなり都内に進出するのは心細かったのかもしれない。住みはじめると気取らない商店街とそばに流れる多摩川が心地よくて、気が付くと二回もアパートの更新をした。家の目の前に漫画のレンタルができるTSUTAYAがあり、そこで漫画を大
もっとみる637というクールな暗号
友人が大阪から遊びにきた。せっかく東京に来るので渋谷や新宿を案内しようと思ったが「超都心だと疲れちゃうから郊外で会おう」と自分にも優しい提案をしてくれた。以前住んでいてなじみのある府中で会うことにする。府中には大國魂神社という大きな神社がある。街は神社を中心に設計されていて、参道の延長線上に道路が伸び、その脇には背の高いイチョウの木が綺麗に植えられている。土日は道路が歩行者専用になり、天気が良い日
もっとみるハグという自分によく効く薬
体調回復の兆しを感じている。おそらく薬の効果が大きそうだ。二週間ごとに薬の効き目を上げていき、その度に気分の急降下が緩やかになるのを感じた。薬以外にもストレッチや散歩、日記にサウナ、柄にもなく心と体に良さそうなものを試していた。何が効いて何が効かなかったのかは正直わからないけど、これはよかったと言えるものがあった。(小っ恥ずかしいけど)ハグだ。へこんでいる時に友達にハグをされたり、背中をさすっても
もっとみる今週の自分を支えてくれたもの(4.20~4.26)
無事に金曜日を迎えることができた!週の後半で持ち直したな。そんな今週の自分を支えてくれたもの。ひとつめ、宇多田ヒカルの『道』藤圭子が亡くなったあとにリリースされたアルバムのリード曲。当時これを聴いて宇多田が「私は大丈夫だよ」と歌っている気がした。彼女の全ての作品は多かれ少なかれ藤圭子に向けたものなので(勝手に)簡単には立ち直れないだろうと思っていたので驚いた。力強いイントロと「黒い波の向こうに朝の
もっとみる日焼け止めという初夏を知らせる液体
昨日は眠れなかった、結局朝方4:00まで起きていた。仕事に集中できて楽しくなり脳が興奮していたのかも。思考が必要以上に速くなっている感じがするので、スピードを落とすためにネットをやめる。その代わりにロブスターの『いくつもの月曜日』を読む。深くて、遅くて、静かな、心地の良い文章。読んだ後はいつも心穏やかになる。瞑想的な効用あり。8:00のアラームで目を覚ました、さすが眠い。半休にしようか迷う、だけど
もっとみる日記という正直な記録
憂鬱が止まらなくて気持ちの記録をはじめた。自分の中に渦巻く感情を無視して蓋をすることもできた。そうすればいろんなことを直視せずに済む。でもそれは苦しいことが「ないことになる」だけで「なくなる」わけではない。ならいっそのこと吐き出してみようと思った。自分から切り離して外に出して眺めてみる、誰かに気持ちを伝えてみる。そこでようやく、感情を認識して対峙することができる。書くことはそれを助ける行為だと思っ
もっとみる気怠さという効き目の代償
メンタルクリニックに行く。薬の成分量が今日から増えるらしい、効き目がよくなるのを期待。帰り道に早速薬を飲む、急に脚がだるくなり眠気に襲われる。身体がまだ薬に慣れないのだろう。帰って仕事をしようと思っていたけど、そんな体力はなくひたすら寝てしまった。
父と母という自分とよく似たふたり
父と母が家にきた。自分の病状を知りたかったのだろう。でも正直に言いづらかったのか「新居を見てみたい」という口実で尋ねてきた。過去に引越しを三回したが一度もそんなことを言われたことがない。神奈川県から東京の東側にはるばる来てくれるので、一応近所の美味しそうなイタリアンのランチを予約した。両親は昼間からビールを三杯飲み、やたらボリュームの多いパスタを完食していた。酒が好きなのと胃が丈夫なのは自分とよく
もっとみる言葉という過剰か不足かの二択
東京レインボープライドに行ってきた。年々来場者の規模が増えていて混雑するので今年はパスしようと思っていた。だけど会場で販売する雑誌に「集まるクィアの会」という自分の活動インタビューを掲載してもらっていたので、献本を受け取るために立ち寄ることに。記事を担当してくれたライターの木津毅さんが大阪から来ていたのでお茶をする。木津さんの湿っぽさのないトークに元気が出る。行きは憂鬱だったが、帰りは気持ちが軽く
もっとみる今週の自分を支えてくれたもの(4.13~4.19)
無事に金曜日を迎えられた。中身はともかく今の自分には週5で働いたという事実が大事だと思う。今週の自分を支えてくれたもの。ひとつめ、セブンイレブンのシュークリーム。カスタードとホイップが両方入っているタイプ、カスタードのあとに辿り着くホイップがうまい。通勤途中のセブンでこれを買うことがモチベーションだった。
ふたつめ、植物の新芽。育てているシマクワズイモに新芽が出ていた。部屋に来た時は葉が痛んでい
25歳という8年前の自分
25歳の時の日記を読んでいる。当時もメンタルの調子が悪く休職をしていた。周囲の人には言えない弱音を吐き出したくて藁にも縋る思いでブログを書いていたとき。昔の記録が何かの手がかりになる気がして何度も読み返している。
振り返ると高校生の時も25歳の時も憂鬱な時期と環境の変化が重なって耐えられなかった。自分は思ったよりも環境や人間関係の変化に弱いのかもしれない。まだここから10年は経っていないけど、今
出社という今の自分にはきつい困難
二週間ぶりに出社をした。今の仕事は週の前半は在宅勤務で後半が出社のスケジュール。ここ最近は在宅で仕事をして出社の日は休んで凌いできた。薬を飲み始めて四週間、効果が出てきて朝の不安が軽減した。そろそろ行かねば。起きると雨が降っていて諦めそうになる、でもシャワーを浴びている間に晴れていた。ちょっとした幸運に背中を押される。人と調整が必要な仕事が滞っているので今日は打ち合わせが続く。ハンドタオルにアロマ
もっとみる音楽という気分のバロメーター
この四週間ではじめて上向きな気持ちで音楽が聴けた。最近は何を聴いても気持ちが落ちて、それが悲しみに浸る口実のようで嫌だった。でもようやく前向きな気持ちが湧き、お気に入りの曲を聴いて気分が高揚した。病気の診断をされる前なら「憂鬱な時期が終わったんだ」と喜んでいただろう。でも今回は不安が頭をよぎる。鬱は抜けたが躁が近いのではないか、自分が今サイクルのどこにいるか確信が持てなかった。同じ病気の人が話して
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