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雨の帰り道。アオさんとゆっくり歩きながら、とりとめのない話をした。彼の声を聞くのが久しぶりで、何度も足を止めたくなった。このままどこにも行かずに二人でいられたら、と。「すべて手放してしまいたい」と言う私に、彼は「俺にはまだキミとやりたいことがたくさんあるよ」と言ってくれた。
気怠くて甘い気分。そこに眠気が加わって。静かに時の流れに沈むような感覚。その感覚に酔う幸せ。この幸せは、誰にも邪魔されたくない。
色々なものに影響されてまだ苦しいけれど…無事なのだから、変わらない生活を送ることに専念したいと思います。今の私にできることを、できるだけ。
やっぱり私は彼の笑顔が、笑った顔が見たいんだ。あの人の、自然と零れるような、柔らかい、優しい微笑みが。…そんな顔を向けてくれる人がいるなんて、幸せじゃないか。
私が言葉にしないと誰にも分からない。私が書いて、誰かがそれを読んでくれたら、私以外の人の記憶にも彼の存在が残る。感じられるのは私だけだけど、彼の存在は確かにこの世にあるのだから。
自分のことも彼のことも泥沼。
いっそこのまま彼を沈めてしまおうか。
それとも二人で沈もうか。
…あなたが私を沈めてくれたらいいのに。
沼の底まで、徹底的に。
二度と上がってこられないくらい深くまで、
丁寧に沈めてくれたらいいのに。