大林雅之

はじめまして、大林雅之と申します。生命倫理学、死生学、科学史、科学哲学などを専攻してい…

大林雅之

はじめまして、大林雅之と申します。生命倫理学、死生学、科学史、科学哲学などを専攻しています。 このnoteでは、小生の論文などを紹介していきたいと思います。よろしくお願いいたします。

最近の記事

東洋英和女学院大学生涯学習センター公開講座「小さな死生学入門」・「市民のための患者学」について

    • 小さな死生学講座第9回

       「小さな死」から「大きな死」へ   −その連続性と非連続性− (本稿は、拙稿「小さな死生学序説 −「小さな死」から「大きな死」へ−」、東洋英和女学院大学大学院発行『東洋英和 大学院紀要』、第15号(2019年)、13-22頁の【ダイジェスト版】です。全文は https://toyoeiwa.repo.nii.ac.jp/records/1501 で公開されておりますので、詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。) 1)はじめに  「小さな死生学」は、「小さな死」に焦点を

      • 小さな死生学講座第8回

        「小さな死」から「人間本来の孤独」を知る(本稿は、拙稿「「小さな死」と「孤独」」、東洋英和女学院大学死生学研究所編『死生学年報 2021』(リトン、2021年)所収の【ダイジェスト版】です。全文は http://id.nii.ac.jp/1093/00001569/ で公開されておりますので、詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。) 1)はじめに 「小さな死」という言葉は広く使われ、死生学の分野だけでなくさまざまな文脈で議論されています。筆者は、「小さな死」は「個別的人

        • 小さな死生学講座第7回

          (本講座では、これまで拙著『小さな死生学入門ー小さな死・性・ユマニチュードー』(東信堂、2018年)所収の論文をもとにした記事を掲載してきましたが、第7回からは上記拙著の刊行後に発表しました論文等をもとにした記事を掲載させていただきます。もとの論文等に関しましては、出典を記しておきますので、詳しくはそちらをお読みいただければ幸いです。) 渡辺和子にとっての「小さな死」と「赦し」−「二・二六事件」をめぐって−(本稿は、大林雅之「「小さな死」と「赦し」」、東洋英和女学院大学死生

        東洋英和女学院大学生涯学習センター公開講座「小さな死生学入門」・「市民のための患者学」について

          小さな死生学講座第6回

          死に向かう高齢者が生きる性(本稿は、大林雅之「死に向かう生と性−高齢者はいかに性を生きるか–」(拙著『小さな死生学入門-小さな死・性・ユマニチュード-』(東信堂、2018年)所収の【ダイジェスト版】です。) 1)はじめに 現在の日本における超高齢社会では、「認知症」や「介護」などの話題が支配的ですが、自立した生活を営む健康な高齢者についても重要な考慮が必要なことは言うまでもありません。今の社会では、元気な高齢者が自立し、充実した生活を送ることが難しい問題が山積しています。

          小さな死生学講座第6回

          小さな死生学講座第5回

          「高齢者の性」と「小さな死」(本稿は、大林雅之「老いにおける性と死」(拙著『小さな死生学入門-小さな死・性・ユマニチュード-』(東信堂、2018年)所収の【ダイジェスト版】です。) 1) はじめ 「老い」に関する研究分野は、「老年学」と「老年医学」などがあります。日本では高齢化率が上昇し、「高齢社会」へと進展しています。これに伴い、近年では「老人」ではなく「高齢者」という表現が一般的に使われるようになっていますが、「老い」にはネガティブな意味だけでなく、肯定的な意味合いが

          小さな死生学講座第5回

          小さな死生学講座第4回

          (しばらくお休みしていましたが、「小さな死生学講座」を再開させていただきます。第1回から第3回の内容を受けて、第4回から再開します。内容は、これまで発表していた論文等のダイジェスト版を掲載させていただきます。さらに詳しい内容を読んでみたいを思われた方は、元の論文をご覧くだされば幸いです。これまでの内容は、拙著『小さな死生学入門~小さな死・性・ユマニチュード~』(東信堂、2018年)に掲載されています。その他の論文についても、今後、ここにダイジェスト版を掲載していきたいと思いま

          小さな死生学講座第4回

          小さな死生学講座第3回

          はじめに前回は、カトリックのシスターであった渡辺和子さんが「小さな死」ということをどのような意味で使ったかを見てみました。そこでは「小さな死」の意味を「小さな死①」、「小さな死②」、「小さな死③」の3つに分けて述べました。今回は、それを受けて「小さな死」から、「自分の死」である「大きな死」にどのように至るのかを考えてみます。そのためには、まず、「小さな死」を経験する「私」はそもそもどのように考えたらよいのかについて述べて、その後に、「小さな死」から「大きな死」に至る道筋を考え

          小さな死生学講座第3回

          小さな死生学講座第2回

          はじめに 前回は、「小さな死」ということを小生が考え始めたきっかけについて述べました。そこでは、「小さな死」という言葉は、渡辺和子さんばかりではなく、様々に使われていることを紹介しました。「小さな死」は、我々の想像力を大いに刺激してくれる言葉であることが分かったと思います。 今回は、渡辺和子さんが「小さな死」をどのような意味で使ったのかを少し詳しく見てみたいと思います。 小生は、渡辺和子さんの「小さな死」について論じる場合に、3つの意味で考えています。3つの意味を、「小さ

          小さな死生学講座第2回

          小さな死生学講座第1回

          はじめに新しい講座を開始したいと思います。内容のベースには、東洋英和女学院大学生涯学習センターで2019年度前期に行った「小さな死生学入門」という講座の講義録があります。 その講座では、拙著『小さな死生学入門−小さな死・性・ユマニチュード−』(東信堂、2018年)を教科書にしました。分かりにくいところはそれを参考にしていただければと思いますが、ここでは、できる限り簡明な文章で、またそこに書けなかったことや脇道、寄り道などのお話、その後の知見なども述べたいと思います。 毎回

          小さな死生学講座第1回

          自己紹介・現在の関心テーマ

          私は東洋英和女学院大学を昨年2019年3月に定年退職し、現在は特任教授として、学部と大学院で生命倫理学、死生学関連の授業をしております。目下は、コロナ禍のためにオンライン授業を慣れないながら頑張って行っております。 また、本大学の生涯学習センターで「小さな死生学入門」、「市民ための患者学」、「映画で学ぶ死生学」、「終活で学ぶ死生学」を担当しています。しかしながら、本年度はコロナ禍のために、前期は開講されませんでした。後期の開講については、現在検討中で7月末には決定される予定

          自己紹介・現在の関心テーマ