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蔵出し映画レビュー『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版 』

テレビドラマの「シャーロック」も見てないし、アーサー・コナン・ドイルだってちっとも読んじゃいないが、なんとなく探偵サスペンスを見るぐらい大雑把な気持ちで見た『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』。むむ、これ、シャーロックとかアーサー・コナン・ドイルというよりも横溝正史っぽくないかな? テレビドラマ未見でも映画オリジナルの作品なので割と楽しめた。

訳ありの資産家一家に、何十年か前の誘拐事件が絡む展開に人物相関など、これ、どう見ても横溝正史風じゃないかな? 一応、魔の犬らしきものが事件に絡んだりする辺りはアーサー・コナン・ドイル原作らしいんだけど、この魔の犬の正体がなんとも令和というか現代っぽい。

概ね楽しめはする中で、事件の真相と誘拐事件をつなぐ鍵に「んんん?」と思わざるを得ない部分がある。随所のシーンで「眠り」がキーになるんだけど、誘拐事件における「それ」はいくらなんでも無理過ぎないかな?それを起こした原因からのその解決策もかなり強引。さらに、とある何十年ぶりかの対面のきっかけもいまいち説得力に欠ける。もっと違う方法で気が付く、とかじゃないと嘘臭すぎるよ。

そもそも資産家だったら離島よりもタワマンじゃない? という根底からの疑念もある。今どきらしさと今どきあり得ない間で揺れはするが、『バスカヴィル家の犬』から横溝正史風という意外な味があるので、とりあえず飽きはしない展開ではある。

 

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