神武以来巌石のごとく
洞村の古老の聞き取り調査を行った菊池山哉氏は,「神武以来巌石のごとく1か所に,連綿として血脈を継続している村が,日本中どこにある」と驚きを隠しません。土地を収用された経緯について元洞村の住民は,「1869年に神武天皇陵が治定される際,私たちは賤民ですから何の話もありませんでした。神武田の中に9尺(約3m)ばかりの古塚があり,それが神武天皇陵となったのですが,付近のわずかばかりの田を私たちがつくっていたところを,"賤民が田をつくるとは何事だ"と言ってきれいに取り上げられてしま