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岸田首相の「成果」に疑問。

欧米歴訪から帰国した岸田首相は、「一定の成果を上げた」とご満悦の様ですが、私はかなり「危険な成果」と見ています。

1.なぜ国会を飛ばす?

バイデン米大統領との会談で「防衛費の増額」を報告したそうですが、国会での審議が不十分な状態で、他国の首脳にいきなり報告するのは、民主主義の原則を大きく捻じ曲げているとしか思えません。
国防・防衛は運用を間違うと国民を極度の緊張状態に陥らせる危険性が極めて高いです。ですから、慎重にも慎重を期して取り組まないといけないのです。それに、日米双方にデメリットをもたらす可能性もあります。

2.国務省と国防総省のせめぎ合い。

日本と異なり、アメリカ合衆国の省庁は国務省と国防総省がツートップです。そして、外交分野ではこの2省が主導権を争いを長年続けています。
アメリカとて、軍事外交をみんなが支持しているわけではありません。多分、多くの人は平和外交を望んでいるでしょう。ただ、今回の日米首脳会談が、国防総省を加勢させてしまい、そこに巨大資本が軍需産業に乗っかって暴走していく危険もはらんでいると思います。

3.日本の隣国とは?

日米関係を蔑ろにしろとは言いません。ただ、必要以上にアメリカとのべったりをアピールすると、日本と国境を接している多くの国から反発を招く可能性は十分あるでしょう。
日本は国境がすべて海上にあるので、あまり実感は湧かないかもしれませんが、多くのアジア太平洋諸国と国境を接しています。そこにはアメリカとは立場が異なる国もありますが、そうした国々とも日本は今後も接していかないといけないのです。

2023年は広島サミットで日本が議長国になりますから、岸田首相はその準備も兼ねての歴訪だったと思います。ただ、岸田首相は平和外交という自身の原点に立ち返って、欧米だけでなく、アジア太平洋諸国の立場も考えて望んで欲しかったと思います。

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