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山本てら
2023年3月5日 09:06
木瓜の枝乱れてものを思ふ頃鵯の霞を散らすつんざきや色うせし臘梅艶なる入り日かな
2023年2月20日 09:45
思ひ入れのなき庭ばさり斬り申す木槿強しスパルタにてもよろし哉枯木槿荒ぶる枝の反乱や梅に感じ散るを惜しめば資格なし臘梅の枝やぽきりと清清し
2023年2月15日 09:25
春光を窓辺によこす臘梅や臘梅を前にマスクは消ゆるかな香をよぎりしばし尾を引く臘梅や
2023年2月5日 09:20
臘梅の木のもと芽吹き色づきぬ春の庭見晴らしよきは今のうち枯枝に否応もなきぬくみかな
2023年1月29日 10:21
いくたびも臘梅に顔寄するかなその刹那臘梅脳を貫けり臘梅や手折りておらが嫁となす儚さを嘆きし花は蝋固め花うすく香に身を尽くす臘梅や唐梅を万葉の世へ植ゑにゆく*臘梅は江戸時代頃に中国からもたらされたらしい。大昔からあったらどのような歌が生まれたのだろうか。
2023年1月23日 09:17
二階にも盛りを告ぐる臘梅や臘梅や水仙と居てなほ清し臘梅の香や昔への扉かな
2023年1月18日 09:13
臘梅や翁に折れて孫に咲く丈ばかり花はおまけの臘梅や臘梅やいのちのゆくへ透し見る*庭の木とそこに住む人間の命がリンクするのを見た。芥川龍之介は、徳川家の瓦解とともに没落した自身の家系をただひとつ残された臘梅の木に重ね、地面に積もる雪が透明感のある黄色い花に透けるくらい臘梅が低木であることを詠んだ(「臘梅や雪うち透す枝の丈」)。こちらの臘梅は枝ばかりのびて花はわずか……どうなる。