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書評【読書三昧】

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【読書雑感】『人物50人で読む「中国の思想」』PHP文庫

【読書雑感】『人物50人で読む「中国の思想」』PHP文庫

ご訪問ありがとうございます。

時間経つのがはやいですね。

2022年の最後の日となりました。

本日、大晦日。

紅白歌合戦を見ないで、静かに本を読むことにしました。

この2-3年間、この習慣を続けています。

今年の大晦日では、『人物50人で読む「中国の思想」:講師から孫文まで』(鍾清漢、PHP文庫、2005年)を読みました。

紀伊國屋書店公式ホームページの紹介によれば、

仕事柄、本を

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【読書雑感】『孤独のチカラ』

【読書雑感】『孤独のチカラ』

ご訪問ありがとうございます。
本日、齋藤孝氏の『孤独のチカラ』(PARCO出版、2005年)について簡単に紹介します。

齋藤孝氏は膨大の著書を世に送り出しています。今まで関連著書を約50冊を読んできました。その中に特にこの『孤独のチカラ』が印象に残っています。

孤独と言えば、友達がいるかどうかの狭い議論になっているきらいがありますが、齋藤孝氏が強調しているのは、自分自身に向き合う時間を大事にす

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【読書所感】『港の日本史』(吉田秀樹+歴史とみなと研究会祥伝社新書)

【読書所感】『港の日本史』(吉田秀樹+歴史とみなと研究会祥伝社新書)

ご訪問ありがとうございます。
本日、吉田秀樹+歴史とみなと研究会『港の日本史』(祥伝社新書、2018年)について紹介します。

<目次>
はじめに
第1章 「港」でわかる日本の7000年史
第2章  政治権力とともに栄えた港
第3章  世界史に名を残す日本の港はどこか
第4章  江戸の物流ネットワーク
第5章  明治150年と近代の港湾
第6章  激動の時代を生きる港

本書を読んで驚いたのは、日

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【読書雑感】『ナマコの眼』(鶴見良行、ちくま学芸文庫、1993年)

ご訪問、ありがとうございます。本日、日本のアジア学者・人類学者鶴見良行氏の『ナマコの眼』(ちくま学芸文庫、1993年)について紹介します。

鶴見良行氏について簡単に紹介します。

鶴見良行氏(1926-1994)は、外交官であった鶴見憲の息子としてアメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルスに生まれる。アメリカのプラグマティズムの紹介や「ベトナムに平和を!市民連合」(ベ平連)を設立したことで知られ

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【読書雑感】『ライフワークの思想』を読む(3)ことばと心

ご訪問ありがとうございます。

言語学が好きで、「ことば」と関連するさまざまな現象や記述などに常にアンテナを張るようにしています。

外山滋比古氏の『ライフワークの思想』を再読して、「ことばと心」についての表現が印象に残りました。

外山氏は本書でことばによって、長生きをし、若々しくなる方法を紹介しています。

外山氏は2020年96歳で亡くなりました。生前、いつも若々しい印象でした。それは、外山

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【読書雑感】『ライフワークの思想』を読む(2)フィナーレの思想

【読書雑感】『ライフワークの思想』を読む(2)フィナーレの思想

昨日に続き、英文学者の外山滋比古氏の『ライフワークの思想』を読んだ感想について書きます。

本日は、「フィナーレの思想」について書いた箇所を読んだ感想です。

外山氏によれば、ライフワークという言葉は、この頃簡単に使われているが、なるほどここにライフワークがあると仰ぎ見るような仕事が案外少ないです。それで、ライフワークを気軽に口にすることより、これを人生において実現するためにもっと努力すべきだと辛

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【読書雑感】『ライフワークの思想』を読む(1)ライフワークの花

【読書雑感】『ライフワークの思想』を読む(1)ライフワークの花

ご訪問ありがとうございます。

趣味が読書のこともあり、また研究を進めるため、日頃、本をよく読むようにしています。

本日は最近、何度も読み返した英文学者外山滋比古氏の『ライフワークの思想』を読んだ感想について書きます。

本日は、第1章「ライフワークの花」を読んだ感想について綴ってみます。

著者はライフワークと花を結びつけて、本文を書き出しています。

著者は大学教員だったので、自省的に書いて

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【読書三昧】『歌謡曲から「昭和」を読む』

【読書三昧】『歌謡曲から「昭和」を読む』

本日、なかにし礼氏の『歌謡曲から「昭和」を読む NHK出版新書』(NHK出版新書、2011年)について紹介します。

なかにし礼氏は、本名中西禮三〈なかにし・れいぞう〉、「恋のフーガ」や「北酒場」などのヒット曲を手がけた作詞(曲)家で、直木賞作家でもあります。なかにし礼氏については、以前一度書いたことがあります。

目次 :

■序章  歌謡曲の終焉 / ■第1章 日本の「うた」をさかのぼる /

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【読書三昧】『孤独のチカラ』

本日、教育学者で、明治大学文学部教授である齋藤孝氏の著書『孤独のチカラ』(パルコ出版 、2005年)を紹介します。

目次

第1章 失われた10年<孤独と私> 
第2章 <単独者>として生きる
第3章 孤独の技法
第4章 ひとりぼっちの世界<孤独の実践者>
第5章 孤独のチカラ

著者は本書で、「孤独」を様々な角度から捉え、自身のエピソードを交えて、すすんで孤独になることの重要性を説き、人は孤独

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【読書三昧】『多読術』

【読書三昧】『多読術』

ご訪問ありがとうございます。

本日、編集工学研究所所長・イシス編集学校校長の松岡正剛(まつおか せいごう)の『多読術』(ちくまプリマー新書、2009年)について紹介します。

松岡正剛という名はウェブ「千夜千冊」で知りました。「千夜千冊」は読書エッセイサイトで、2000年2月3日の中谷宇吉郎の『雪』の書評からスタートし、紹介されている本は1794冊になります(2022年2月7日時点)。一冊に対す

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【読書三昧】『ピーター流外国語習得術』

【読書三昧】『ピーター流外国語習得術』

ご訪問ありがとうございます。
本日、ハンガリー数学者ピータ―・フランクルさんの『ピーター流外国語習得術』(岩波ジュニア新書、1999年)について紹介します。

冒頭で簡単にピーターフランクルさんのプロフィールについて紹介します。 

ハンガリー学士院会員。算数オリンピック専務理事。日本ジャグリング協会名誉理事。東京を基点として、楽しい人生を送るコツをできるだけ多くの日本人にわかってもらいたいと願い

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【読書三昧】『読書力』

【読書三昧】『読書力』

こんばんは。本日、日本の教育学者で、明治大学文学部教授である齋藤孝氏の著書『読書力』(岩波新書、2002年)について紹介します。

[目次]

序 読書力とは何か

Ⅰ 自分をつくるーー自己形成としての読書

Ⅱ 自分を鍛えるーー読書はスポーツだ

Ⅲ 自分を広げるーー読書はコミュニケーション力の基礎だ

この本の序章では、読書力とは何か、なぜ読書力に着目するのかについて書き、第Ⅰ章では、読書が自

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