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越境する人と文化を通して読み解く東アジア

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記事一覧

阿倍仲麻呂を通して読み解く東アジア

阿倍仲麻呂を通して読み解く東アジア

訪問していただき、ありがとうございます。
本日、阿倍仲麻呂を通して東アジアを読み解いて行きます。

            

     

阿倍仲麻呂は、20歳で第八次遣唐使の留学生として入唐しまた。遣唐使は西暦630年から西暦894年までの264年間に渡って20回、日本から唐に送られた派遣使節団です。

阿倍仲麻呂は、超難関の科挙(官吏試験)に合格しました。

科挙の競争率は熾烈を極めており、

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中国近代文学の父、魯迅を通して読み解く東アジア(2)

中国近代文学の父、魯迅を通して読み解く東アジア(2)

ご訪問ありがとうございます。

本日、前回について中国近代文学の父、魯迅について書きます。

魯迅(1881-1936)は、浙江紹興市出身。小説家、翻訳家、思想家です。中国で最も早く西洋の技法を用いて小説を書いた作家。中国近代文学の父と呼ばれています。魯迅の作品は中国だけでなく、広く東アジアでも愛読されています。

      

1902年春、魯迅は浙江省の官費留学生として日本へ渡り、東京の「弘

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詩人尹東柱(ユン・ドンジュ)を通して読み解く東アジア

詩人尹東柱(ユン・ドンジュ)を通して読み解く東アジア

ご訪問ありがとうございます。

本日、詩人の尹東柱(ユン・ドンジュ)ついて紹介します。

1917年、中国東北部の北間島省和龍県明東村(現在の中国東北部朝鮮族自治州)に生まれました。中学在学中から詩を発表し始め、1942年に日本へ留学。同志社大学文学部に在学中の1943年7月14日、朝鮮語で詩を書いていたことを理由に、独立運動の疑いで逮捕されました。裁判の結果、治安維持法違反で懲役刑を宣告され、福

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指揮者朝比奈隆さんを通して読み解く東アジア

指揮者朝比奈隆さんを通して読み解く東アジア

ご訪問ありがとうございます。

本日、指揮者朝比奈隆さんについて紹介します。

下記、朝比奈隆さん(1908-2001)について紹介します。

東京生まれ、京大在籍した時、音楽部の指導者のウクライナ出身のメッテルに師事。☆戦時中は「満洲」(中国東北地域)でオーケストラを指揮し、戦後の復興期から半世紀以上もの間、大阪フィルハーモニー交響楽団を指揮し続けた。1994年には文化勲章を受章。海外での活躍も

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漫画家の水木しげるさんを通して読み解く東アジア

漫画家の水木しげるさんを通して読み解く東アジア

ご訪問ありがとうございます。

本日、漫画「ゲゲゲの鬼太郎」の作者である、漫画家の水木しげるさんについて紹介します。

昨年5月からさっぽろ自由学校「遊」で、「越境する人と文化を通して読み解く東アジア」というテーマで、月に1回の市民講座を進めています。

昨日の5月17日は、「大阪府を通して東アジアを読み解く」というテーマで報告しました。

水木しげるさんは鳥取県境港市出身だが、大阪生まれを知る人

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山田洋次監督を通して読み解く東アジア

山田洋次監督を通して読み解く東アジア

ご訪問ありがとうございます。

本日、日本を代表するフィルムメーカー・山田洋次監督について紹介します。

山田洋次監督のプロフィルについて紹介します。

         

山田洋次監督は、1931年に大阪府出身。1954年、東京大学法学部卒。
同年、助監督として松竹入社。1961年『二階の他人』で監督デビューしました。

『男はつらいよ』シリーズなど人情劇を発表し、現役でキネマ旬報ベストテンに

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新宿中村屋の創業者の相馬愛蔵を通して読み解く東アジア

新宿中村屋の創業者の相馬愛蔵を通して読み解く東アジア

ご訪問ありがとうございます。
本日、新宿中村屋の創業者の相馬愛蔵について紹介します。

新宿中村屋について、以前一度書いたことがあります。

余談の話ですが、だいぶ前から、新宿中村屋と相馬愛蔵夫妻の創業史に関心を持っていました。市民講座の準備のため、この2ヵ月ほど、集中的に調べてきました。

   

以下では、新宿中村屋の公式ホームページを参考して、相馬愛蔵のライフヒストリー(生活史)を辿ってい

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中国近代文学の父、魯迅を通して読み解く東アジア

中国近代文学の父、魯迅を通して読み解く東アジア

ご訪問ありがとうございます。本日、中国文学の父と言われる魯迅を通して東アジアを読み解いていきます。

魯迅(本名周樹人)とは、「阿Q正伝」その他で、国際的に有名な中国を代表する文豪です。

魯迅は1881年9月25日、浙江省紹興市(せっこうしょうしょうこうし)に周家の長男として生まれました。周一族は古くからの大地主でしたが、魯迅が生まれた頃には家運が衰えていました。

魯迅は11歳の時、科挙に備え

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羽生結弦選手を読み解く東アジア

羽生結弦選手を読み解く東アジア

ご訪問ありがとうございます。
世界のHANYUである羽生結弦選手を通して東アジアを読んでみたいと思います。承知のように、羽生結弦選手は、冬期五輪3連覇と史上初の4回半ジャンプに挑み、男子フィギュアの黄金時代を築いてきました。

羽生結弦選手は、2008年12月、全日本選手権に初出場してから、14年間、挑戦し続けてきました。以下では『ニューズウィーク日本版』第37巻8号の特集資料を参考して、その氷上

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「知の巨人」松岡正剛氏を通して読み解く東アジア

「知の巨人」松岡正剛氏を通して読み解く東アジア

こんばんは。テツジンです。ご訪問ありがとうございます。

本日、「知の巨人」と言われる編集工学研究所所長・イシス編集学校校長の松岡正剛(まつおか せいごう)氏を通して東アジアを読んでみたいと思います。

松岡正剛という名はウェブ「千夜千冊」で知りました。「千夜千冊」は読書エッセイサイトで、2000年2月3日の中谷宇吉郎の『雪』の書評からスタートし、紹介されている本は1794冊になります(2022年

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方位詞「東西南北」を通して読み解く東アジア

方位詞「東西南北」を通して読み解く東アジア

こんばんは。ご訪問ありがとうございます。
本日、方位詞の「東西」と「南北」について考えてみたいと思います。主には、日本を代表する民俗学者の赤坂憲雄の『東西/南北考――いくつもの日本へ』(岩波新書、2000年)を手掛かりして考えてみます。

目次

はじめに                                    第1章 箕作りのムラから 
第2章 一国民俗学を越えて
第3章 東と西を

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日本の儒学者安東省庵(あんどう せいあん)を通して読み解く東アジア

日本の儒学者安東省庵(あんどう せいあん)を通して読み解く東アジア

こんばんは。テツジンです。 本日、江戸時代の儒学者安東省庵(あんどう せいあん)について紹介します。

安東省菴は日本の儒学者で、筑後国柳河藩(現在の福岡県柳川市)立花氏の家臣にして藩儒です。

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儒学者朱舜水を通して読み解く東アジア

儒学者朱舜水を通して読み解く東アジア

こんばんは。テツジンです。本日、中国明王朝の儒学者の朱舜水(しゅ しゅんすい)について紹介します。

朱舜水(1600-1682)は、中国浙江省余姚の出身です。朱舜水は、明末清初の変乱に際し、明王朝の復興を図り4度来日しましたが、明王朝復興運動が失敗に終わってしまい、1659年に日本に亡命しました。

当時の朱舜水は60歳間近でした。日本人知識人と出会い親交を結み、安東省菴(あんどう せいあん)(

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文豪夏目漱石を通して読み解く東アジア

文豪夏目漱石を通して読み解く東アジア

こんばんは。テツジンです。本日、夏目漱石を通して東アジアを読み解いてみたいと思います。

私が日本に留学して、初めて読んだ日本語で書かれた小説は『吾輩は猫である』です。当時はただ日本語(教育)の人称詞に関心を持って、『吾輩は猫である』を選んだのです。一人称には、「吾輩」もあるのだとすごく新鮮だったのです。

それ以来、夏目漱石の小説および夏目漱石に関連する書籍を読み、夏目漱石文学の奥深さを痛感する

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