ちゃむず

観た映画や読んだ小説について感じたことや考えたことを書きます。 ぜひコメントで、気軽に…

ちゃむず

観た映画や読んだ小説について感じたことや考えたことを書きます。 ぜひコメントで、気軽にフィードバックをいただけたら嬉しいです。

最近の記事

【映画】感想『パスト ライブス/再会』~ノスタルジーと夢への挑戦~

第96回アカデミー賞の作品賞及び脚本賞にノミネートされた『パスト ライブス/再会』が、2024年4月5日より日本で公開されました。 本作品が、監督であるセリーヌ・ソンの長編映画監督デビュー作なのですが、良質な作品でした。A24は、相変わらず才能を拾い上げることが上手いですね。 今回はこの『パスト ライブス/再会』の魅力と感想を述べたいと思います。 ***以下ネタバレを含みます。ご注意ください*** 監督・脚本・出演・原作・あらすじ 監督・脚本:セリーヌ・ソン 出演:グレ

    • 【映画】考察『スターダスト』~おとぎ話を散りばめて~

      実はマシュー・ヴォーンの初メジャースタジオ配給作品であるこの映画。『ロミオとジュリエット』のクレア・デインズのほか、『スーパーマン』などのヘンリー・カヴィル(当時24歳!)も出演している(最近のマシュー・ヴォーン作品では『アーガイル』2024に出演)。 監督・脚本・出演・原作・あらすじ監督:マシュー・ヴォーン 脚本:マシュー・ヴォーン、ジェーン・ゴールドマン 出演者:クレア・デインズ、チャーリー・コックス、シエナ・ミラー、ベン・バーンズ、リッキー・ジャーヴェイス、ジェイソ

      • 【映画】感想『夜明けのすべて』

        監督・脚本・出演・原作・あらすじ 監督:三宅唱 脚本:和田清人、三宅唱 出演:松村北斗、上白石萌音、渋川清彦、芋生悠、藤間爽子、久保田磨希、足立智充、りょう、光石研ほか 原作:瀬尾まいこ『夜明けのすべて』(水鈴社/文春文庫 刊) 夜明けのすべて - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarks映画 感想 三宅唱監督の最新作「夜明けのすべて」を観ました。まだ三月ですが、今年トップ3に入るのではないかと思うほどいい映画でした。 この作品は、淡々と物語が進

        • 【映画】感想『ネクスト・ゴール・ウィンズ』~恐るべしタイカ・ワイティティ~

          2024年2月23日に日本公開となった『ネクスト・ゴール・ウィンズ』をようやく観ることができました。『マイティ・ソー』シリーズへの出演から『ジョジョ・ラビット』(2019年)の監督と、マルチな才能をもつタイカ・ワイティティ監督の最新作です。 サッカー米領サモア代表の成長を、97分という短い上映時間の中で描いた作品で、さらりとした描きぶりにも関わらず印象に残る映画でした。まさに恐るべし、タイカ・ワイティティ!と言ってしまいたくなるこの作品の魅力について、今回は語りたいと思いま

        【映画】感想『パスト ライブス/再会』~ノスタルジーと夢への挑戦~

          【映画】感想『ロング,ロングバケーション』思い出をたどる旅

          監督・出演・原作・あらすじ 監督:パオロ・ヴィルズィ 脚本:ステファン・アミドン、フランチェスカ・アルキブージ、フランチェスコ・ピッコロ、パオロ・ヴィルズィ 出演者:ヘレン・ミレン、ドナルド・サザーランド、Chelle Ramos、ディック・グレゴリー、ジャネル・モロニー、カースティ・ミッチェル、ジョシュア・ミケル、クリスチャン・マッケイ、ロバート・プラルゴ、Cecil M. Henryほか 原作:マイケル・ザドゥリアン『旅の終わりに』 ロング,ロングバケーション - 映画

          【映画】感想『ロング,ロングバケーション』思い出をたどる旅

          【映画】考察『スペースマン』~惑星ソラリスの系譜~

          Netflixオリジナル作品の『スペースマン』が配信開始となりました。SF映画の金字塔『惑星ソラリス』と比較することで、この作品の魅力に迫りたいと思います。 監督・脚本・出演・あらすじ 監督:ヨハン・レンク 脚本:コルビー・デイ 原作:ヤロスラフ・カルファー 出演者:アダム・サンドラー、キャリー・マリガン、ポール・ダノ、クナル・ネイヤー、レナ・オリン、イザベラ・ロッセリーニほか 考察を試みずとも、この作品がアンドレイ・タルコフスキーの『惑星ソラリス』を意識しているのは一見

          【映画】考察『スペースマン』~惑星ソラリスの系譜~

          【映画】感想『DOGMAN』でも、神は私を信じてるの?

          監督・脚本・出演・あらすじ 監督・脚本:リュック・ベッソン 出演:ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、クリストファー・デナム、マリサ・ベレンソン、マイケル・ガーザ、クレメンス・シックほか 映画『DOGMAN ドッグマン』オフィシャルサイト (klockworx-v.com) ストーリーや設定よりも演技や演出が胸を打つ!という感じの映画でした。と言うと娯楽に振り切った作品のように捉えられるかもしれません。しかし、虚構であることは前提で、むしろそれを明らかにすることによって、個別

          【映画】感想『DOGMAN』でも、神は私を信じてるの?

          【映画】感想『エターナル・サンシャイン』と過去の恋愛

          監督・脚本・出演・あらすじ 監督:ミシェル・ゴンドリー 脚本:チャーリー・カウフマン 出演:ジム・キャリー、ケイト・ウィンスレット、キルスティン・ダンスト、マーク・ラファロ、イライジャ・ウッド、トム・ウィルキンソン、ジェリー・ロバート・バーン、トーマス・ジェイ・ライアンほか 久々に『エターナル・サンシャイン』を観て、感じたことをつらつらと書いていきます。 あらすじ(ネタバレあり・時系列)この映画は、ジョエル(ジム・キャリー)とクレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)の二人

          【映画】感想『エターナル・サンシャイン』と過去の恋愛

          【小説】感想『1Q84』~見えないものを信じること~

          作品情報・あらすじ 作者:村上春樹 なお、ナカムラクニオ・道前宏子(2018)『村上春樹語辞典』によれば、『1Q84』は「総合小説」の系譜にある作品であり、同じモチーフを共有する作品に『4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』がある、とのことだ。 あらすじ: ごく簡単に言ってしまえば、十歳の頃の互いの記憶を胸に抱えた一組の男女が、1984年のもう一つの世界、二つの月が空に昇る「1Q84年」の世界に入り込み、再びめぐり逢おうとあがく物語である。

          【小説】感想『1Q84』~見えないものを信じること~

          【映画】考察『リアリティのダンス』~家族という他人~

          監督・出演・あらすじ 監督:アレハンドロ・ホドロフスキー 出演:ブロンティス・ホドロフスキー、パメラ・フローレス、クリストバル・ホドロフスキー、アダン・ホドロフスキーほか リアリティのダンス - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarks映画 ここでは、アレハンドロ・ホドロフスキー監督の映画作品『リアリティのダンス』を題材に、文化や人種、宗教、政治思想それぞれがもたらす混沌・混在に注目しながら、この映画を通して監督が言いたかったことについて推察を

          【映画】考察『リアリティのダンス』~家族という他人~

          【映画】『マイノリティ・リポート』考察―無意識と水―

          監督・出演・原作・あらすじ 監督:スティーブン・スピルバーグ 出演:トム・クルーズ、コリン・ファレル、サマンサ・モートンほか 原作:フィリップ・K・ディック『マイノリティ・リポート』 マイノリティ・リポート - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarks映画 アメリカのSF作家、フィリップ・K・ディックの小説を原作とした映画。 彼の作品は他にも『アジャストメント』や『トータル・リコール』、『ブレード・ランナー』(もちろん『ブレードランナー 2049』

          【映画】『マイノリティ・リポート』考察―無意識と水―

          【映画】『マイノリティ・リポート』考察―光と陰―

          監督・出演・原作・あらすじ 監督:スティーブン・スピルバーグ 出演:トム・クルーズ、コリン・ファレル、サマンサ・モートンほか 原作:フィリップ・K・ディック『マイノリティ・リポート』 マイノリティ・リポート - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarks映画 アメリカのSF作家、フィリップ・K・ディックの小説を原作とした映画。 彼の作品は他にも『アジャストメント』や『トータル・リコール』、『ブレード・ランナー』(もちろん『ブレードランナー 2049

          【映画】『マイノリティ・リポート』考察―光と陰―

          【映画】『マイノリティ・リポート』考察―視線―

          監督・出演・原作・あらすじ監督:スティーブン・スピルバーグ 出演:トム・クルーズ、コリン・ファレル、サマンサ・モートンほか 原作:フィリップ・K・ディック『マイノリティ・リポート』 マイノリティ・リポート - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarks映画 アメリカのSF作家、フィリップ・K・ディックの小説を原作とした映画。 彼の作品は他にも『アジャストメント』や『トータル・リコール』、『ブレード・ランナー』(もちろん『ブレードランナー 2049』

          【映画】『マイノリティ・リポート』考察―視線―