よく聞く『仕事で相手に期待しない』 これってどういうこと?
こんばんは、アドバイザーのこうたです。
『仕事で相手に期待しない』という言葉はわりと有名で、デキる人ほど徹底していることです。
検索してもたくさん出てきて、内容は感情(イライラ)に通ずることがメインになっているものが多いですね。
本記事でも近い内容にはなりますが、もっと掘り下げて『なぜ?』をお伝えしていこうと思います。
対上司
対部下
対クライアント
3つの"相手”に期待してはいけない理由をそれぞれ解説いたします。
1.相手に期待するとはどういうことか?
一言で言えば、『基準の押し付け』です。
このくらいはできるだろうという自分の基準を、相手もできて当然だと決めつけて押し付けているわけですね。
これを“フォールスコンセンサス”と言い、自分の思考が常識かつ多数派であると決めつけてしまうことで、周囲との調和が図れなくなる現象です。
私は折り紙が苦手なのですが、できる人からすると、「説明書に手順が書いてあるんだから、その通りにやれば誰でもできる」と思うそうです。
彼からすると、答えを見ながら折るのにどこで躓くんだ? となっているわけですね。
もしもグループ全体で折り紙を折る作業についた際、私のように苦手な人がいたら彼はイライラすることでしょう。
『期待』という言葉がしっくりこないのであれば、『できて当然』という言葉に置き換えてください。
これって言い換えると、「俺より能力の低いお前でもこのくらいはできて当然」にもなってしまうのです。
そんなつもりはなくとも、受け手や第三者からすると尊大な態度に捉えられかねない思考だということです。
もしも相手が尊敬している人であれば、事前に詳細な説明をしていませんか?
もしくは期待した結果でなかったとしても、自分の説明不足だと反省することのほうが多いのではないでしょうか?
そもそもが不合理な思考なんですね。
2.部下に期待しない
私は元企業の代表でしたが、部下に期待したことはありません(もちろん本件における期待の意味で)。
人材の能力を把握するのは得意でしたので、適材適所に案件を振るのが得意でした。
上司は部下を管理して育てるのが仕事なので、そもそも期待するというのがおかしな話。
期待するのであれば、成長に期待すべきです。
期待を裏切られたとイラつく人は、部下の能力を把握できなかっただけ。
つまりは上司の管理能力不足です。
ただ、人間とは長所と短所を併せ持つ生き物です。
基本的に仕事においては、上司は部下よりも優れているのが基本。
とはいえ、得意不得意は誰にでもあります。
私は資料作りが苦手なので、それができる部下は素直に「すげえ!」となります。
そうなれば自分よりも優れていると認識するわけですから、期待をしてもいいのです。
どうやったって自分がやるよりも優れた結果を出してくれるのですから。
3.上司に期待しない
最も期待してはいけない相手です。
というのも、上司はあえて部下を突き放す方針をとることもあるから。
そもそも部下が上司に期待するということは、手取り足取り教えてもらったり、ミスなどを常にカバーしてくれたりする状態を指します。
それって正しいことでしょうか?
部下が上司に期待するのは、単なる甘えでしかありません。
失敗が見えているのにスルーすることさえあります。
一方で、嫌っている無能上司に対しては、上述したように「俺より能力の低いお前でもこのくらいはできて当然」状態になります。
イライラをぶつけることはしないにしても、イライラする理由を作りたいだけなのは、なんとなくでも分かりますよね?
さっさと追い越して立場を逆転させてやるくらいの気持ちでいるのが一番です。
4.クライアントに期待しない
上下関係のない、ほぼ対等なクライアントで想定してください。
考え方は前章の上司と同じです。
『相手に期待する=このくらいはできるでしょ』でしかありません。
まるで下請け会社や子会社に対する態度です(まあ相手が下請けや子会社なら正しいかというのも疑問ですが)。
クライアントとは、より認識の齟齬を回避しなければなりません。
できる・できない・どこまでできるなど、そもそも+αを期待するような余地があってはならないのです。
余地を感じるのであれば、それは具体性のヒアリングを怠ったあなたに問題があります。
もし期待することがあっても、あればラッキーくらいを前提に置いておかないと、後々困ることになりますからね(リスクヘッジができていないことになるため)。
5.期待とフォールスコンセンサスは違う
期待することが悪いみたいな内容になっていますが、冒頭に説明したように、『期待=基準の押し付け』となっているからです。
『期待=信用』にもなるわけですから、本来は悪いことじゃないです。
『仕事で相手に期待しない』は正しくもありますが、このセリフだけで間違った解釈をしてしまいがちなのが現代の問題点。
ただ言葉を覚えるだけでなく、なぜそのような言葉が生まれたのかまで理解してください。
人に詳しく説明できなければ、理解したとは言えませんよ。
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