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システマ親子クラスの記録

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子ども時代のレッスン ヴラディミア・ヴァシリエフ

子ども時代のレッスン ヴラディミア・ヴァシリエフ

「子ども時代のレッスン」 ヴラディミア・ヴァシリエフ
トロント本部からの2020年7月24日付ニュースレター「My Lesson in Childhood by Vladimir Vasiliev」の日本語訳

娘のナターシャが新作動画「トレイン&プレイ」でドリルを実習しているのを見て、自分が子ども時代に受けたレッスンを思い出した。ナターシャは、障害物への歩数を予測し、目を閉じてそこに歩くという距

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ハイレベルな身体に触れる遍歴Part1

ハイレベルな身体に触れる遍歴Part1

会いたいと思ったら、会いに行くアクションを始めている。

そうやっていろいろな人とお会いすることができた。

僕の場合は、ハイレベルな身体の持ち主。

ミカエル・リャブコという最高峰に会ってしまった今は以前ほどではないけれども、やはり「ハイレベルな身体」に触れてみたいという渇望はある。

実際に会い、触れる。

技を受ける。

そうやって学んだことは甚大だ。

最高峰がどんな風に体を扱っているのか

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非行少年にシステマを

非行少年にシステマを

「ケーキの切れない飛行少年たち」に興味深いことが書いてあった。

少年院に来る非行少年たちはそもそも、認知が歪んでいる。

だから聞いたこと、見たことの解釈そのものがくるってしまっている。

殺人を犯した少年が「自分はやさしい人間です」と言う。

本人の中では、やさしさの帰結が殺人だったのだろう。

彼らは問題を解かせても、そもそも問題文の意味がわからない。妙な受け取り方をしてしまう。数分先の未来

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計算問題と文章題

計算問題と文章題

娘は小学五年生。

本人の希望で中学受験の準備を進めている。

4年生後半から勉強は始めていたのだけど、算数がネックになっていた。

中学受験向けの授業や教材は4年生の時点で、学校よりもずいぶん進んでしまっている。その差になかなか追いつかずにいるうちに、苦手意識が芽生えてしまったのだ。

今、通っている塾はなかなかよくやってくれているのだけど、それでも算数が足を引っ張り、それが他の教科への苦手意識

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体が変わって別れがあって

体が変わって別れがあって

体が変わる。

それは体の状態であったり、行動パターンであったり。

システマ的に言えば、蓄積した緊張をリリースしたり。

そうやって身体が変われば、日常が変わる。体が変われば思考が変わる。とっさの判断が変わり、価値基準も微妙に変わってくる。

逆にそうした変化が起こらなければ、身体そのものが変わっているとはいえない。

自分の慣れ親しんだ世界に浸っていたければ、体を変えなければいい。そうやって頑

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クラスで子どもが泣いているとき

クラスで子どもが泣いているとき

親子クラスは荒っぽい。

あれこれ荒っぽい動きをするし、させる。

すると当然、コケる子もいるし、うまくいかなかったり、やりたいことをやってもらえなかったりして、泣く子がいる。

そういうとき、どうしていたか。

放っておいた。転んだりしたら怪我の具合を確かめたり、必要なら応急手当をしたりするけど、それでおしまい。なだめたりしない。

ただ残りの子とワークを続けて、その子が加わるのを待つ。もし加わ

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1minレッスン解説「壁ワーク」〜踏ん張る人は壁を歩けない〜

「壁歩き」はモスクワ本部のインストラクター、ザイコフスキーから教わったものだ。ザイコフスキーは壁に足をつけたまま仰向けになったりくるくる回ったり色々するのだけど、僕はもっぱら壁歩きをやっている。なぜなら肩の可動域が狭いから。

このワークの本質について、僕は足元から頭へと身体を縦に貫く力のラインをちゃんと構築できるかどうかだと考えている。

身体の中を力がちゃんと通っていれば、壁から床への力を、床

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出せば出すほど出るものとは

出せば出すほど出るものとは

出せば出すほど出る。

人間の体にはそういう性質がある。

一升瓶のお酒もエンジンの出力も出せば出すほど、早くなくなる。

でも人間の体は出せば出すほど出る。

体力もそう、知力もそう。

だから体力を出すほど、出るようになる。

考えてアイディアを出すほど、出るようになる。

これはシステマにしても、親子システマにしても僕のクラスの基本的な指針になっている。

陥りがちな間違いは、インプット優位

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子どもに飛び道具を与えよ

子どもに飛び道具を与えよ

最近の親子クラスでは飛び道具の練習をしている。

弓矢や吹き矢、投石器など。

やらせてみると意外にできない。最近の子どもは弓矢の存在すら知らない子も多いようだ。これもひとえに大人が「危険だから」と危ないものを遠ざけてきた結果だろう。

しかしマーシャルアーツを標榜する以上、飛び道具について最低限の知識とスキルが無ければいけない。ということで百均で弓矢と吹き矢を買い込んで子どもたちに配り、それであ

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混迷の極み乙女

混迷の極み乙女

親子クラスが始まった頃、混迷の極みだった。

親子クラスを始めるにあたってトロント本部で行われているキッズクラスの様子を見学したりした。でもトロントは8歳から。対して僕が始めようとしている親子クラスに参加するだろう子どもは1歳とか2歳とかである。当時2歳だった僕の娘周辺の人達なので、どうしたってそうならざるを得ない。未就園児である。

いったいどうなることやら。手に負えそうにない。

とはいえやる

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システマ親子クラス

システマ親子クラス

システマの親子クラスを始めたのは2010年。

ママ友から「親子で体を思い切り動かせる場がないけどシステマできないの?」と聞かれて「できるよ」と答えたのが始まりだ。

子ども向けのスポーツ教室はあるし、ママ向けヨガとかピラティスとかそういう教室もある。子連れ可のママ向け教室もある。

でも親子向けがない。親子で取っ組み合ってくんずほぐれつするような教室はない。

だからやろうと思った。

人と人と

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