柊とち

日記?とか戯言ばっかり。どうでもいいことだけ。

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  • 意味のない日常

    試運転中。日記。エッセイ。

最近の記事

【SS】君がいいねと言ったから

「ぶっちゃけ、身体に悪いものが好きなんですよね」  目の前の渡辺暁美がそんなことを言った。言った、というよりは唇からこぼれたというのが正しいかもしれない。誰にも聞かせるつもりでなさそうなその声は、居酒屋の乱暴な喧騒にかき消されそうになりながらも、しっかりと耳に届いた。 「何それ」 「身体に悪いんだろうな、って思いながら食べるのが幸せなんです」  答えになっているような、いないような。  優希が首を傾げていると、ほら、分からないでしょう、という様に口元が楽しげに歪められた。

    • 【SS】恋人としての距離感の概算

      「あんたたちのところって本当にドライっていうかなんていうか」  そう言われたのは、飲み始めて丁度酔いが回り始めた頃だった。 「そう?」 「そうだよ。だって、その日帰り旅っていうのも一人で行ったんでしょう?」  うん、と頷いてから、ジョッキにわずかに残っていたビールを煽る。冷めた餃子を口の中に放り込んで、やっぱり餃子は熱々なのをハフハフとして食べなきゃ美味しくないなぁ、と痛く実感する。 「だって、仕方ないじゃん。休み合わないんだから」 「だからって……そういうもんなのかなぁ。

      • 【SS】蛍と煙

         あ、蛍。  日が沈みきっていない藍色の世界。  職場から自転車を漕いで帰ってきて、マンションの裏側の自転車置き場にそれをしまおうとして、そう言えば、洗濯物、しまってくれたかなと見上げた時だった。  オレンジ色の点のような光が、夕方と夜の狭間を縫うように存在を示していた。  フラフラとしたような、それでいて直線的な動きをするその光がやたらと印象的に陽の目に映った。いつまでも見ていられそうな、儚い美しさがそこにはあった。  自分の家のベランダに、季節外れの? そうじゃなく

        • 【SS】けっこんしようよ

          「ニュースみた? また違憲判決だって」 「見た。まあ、分かってたけどね」  待ち合わせて、喧騒に塗れた居酒屋に入り座るか座らないか、の瞬間、美羽はため息混じりに切り出した。  その話題は出るだろうと踏んでいただけに、思わず苦笑いをしてしまった。 「分かってたけどってさ」  もう、と頬を膨らませる美羽はそんなことを言いながらも、空腹なのか、メニュー表を取り出して眺めている。 「合憲になったからって、そんな直ぐにどうこう出来る問題でもないしさ」 「でもさぁ……とにかく、今日はやけ

        【SS】君がいいねと言ったから

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        • 意味のない日常
          3本

        記事

          【エッセイ書こ!】餃子

          そんな、拙い誘い文句でエッセイを募集させていただきました! 三回目となる今回は「餃子」 手作り、中華料理店、冷凍餃子。手作りも皮から作ったり、中華料理店もピンキリ、チェーンも個人もあったりと、多種多様多彩!! 生きてて食べたことない人はいないとすら言ってもいいんじゃないかというぐらいに、食生活に結びついた餃子! そりゃあ、語りたいこともいっぱいあるはず! というわけで、早速集まったエッセイという名の思い出に触れて行きましょ~! 寄稿してくださった皆さん、本当に素敵なエピソード

          【エッセイ書こ!】餃子

          【SS】どっちなんだろうか

           恋をしてるってどんな時に分かるの、そんな会話が後ろから聞こえてきた。  寒風吹きすさぶ、駅のホーム。振り向くと、そこには寒いのに足を晒して立っている女子高生が三人ぐらいいて、きゃあきゃあと楽しそうに話している。  きっと彼女たちのうちの一人が、好きな人でもいると言ったのだろう。  恋なんて、気づいたらもう何年もしていないな。最後に人を好きになったのは――  そんなふうに思いが自然と巡りそうになったところで、電車がホームへと滑り込んでくる。ごぉっと大きな音と、眩しい光を撒き

          【SS】どっちなんだろうか

          【SS】ただそれだけの話

          「すいません、隣いいですか?」  そう声をかけられたのは、こじんまりしている個人経営の居酒屋のカウンターだった。  梨沙は、その居酒屋が気に入っていて、仕事の帰りによく通っていた。定位置は右端だった。あまり、よくない位置どりだとはわかっていたけれど、どうしたって端っこが落ち着くのだから仕方あるまいし、このお店はそこまでは混まない。  安くて、美味しくて、日本酒の種類が多い。夫婦で経営していて、時折話しかけてくるものの、過干渉ではなく、通ってくる客もそこまで煩いのはいない。

          【SS】ただそれだけの話

          【SS】緑のやつ早く買わなくっちゃ

           あ、またリップクリーム忘れた。  ざらざらとした割れそうな唇を、沙祐美は反射的に舐めてしまってから、後悔した。  皮も浮き上がってきそうになるし、今日は割れる。どうにかならないか、いや、どうにもならないな、とため息をつく。 「どうしたんですか、そんなため息をついて」 「なんでもないよ」  後輩である冴木が、こちらを覗き込んでくる。平気、と言って、目の前の自分のモニターに目をやった。  素直に、リップクリームを貸してと言おうか。いや、そもそも貸し借りするもんじゃない。  今

          【SS】緑のやつ早く買わなくっちゃ

          【意味のない日々】近況

          特に何もしてない!!!!!!! まじで!!!!!!! HQを最後まで読み終わったので、好きなシーンを読み返したり(42巻の及川さんと会うシーンが大好きすぎて百回見た。また楽しいと思い出す、のところで涙がほろり。多分この漫画の中で一番、バレーに向き合ってるのって誰がなんと言おうと及川だと思う。結局、中高全国に一度も行けずに、人並みに折れそうになりながら、岩ちゃんに支えられて、信頼できる仲間を作って、バレーを愛していると言って、才能がないと言いながら、センスを磨き続け……二回目の

          【意味のない日々】近況

          【意味のな日々】博多に行ってたよ

          そういえば、同居人からホワイトデーのお返しが来ました。 私が買ったケーキと同じ。(買ったお店が同じだから!!!)と、ブラウニー。 どうせ忘れてるんだろうなー!って聞こえよがしに数日前に言った甲斐があったぜ。 ミクちゃんのフィットボクシングを買った。 数ヶ月ぶりなので、たいした運動量じゃなくても普通に筋肉痛。でも、久々にメルトとかワールドエンドダンスホールとか聞けて、オタク心的には満足よ。 この前、3ヶ月ごとぐらいにある軽い検診で、2キロぐらい太っていたことが判明したので、し

          【意味のな日々】博多に行ってたよ

          【意味のない日々】近況

          タイムロッキングコンテナなるものを買った。 スマホ離れ、めっちゃ良い。健康と精神に良い。ダラダラしなくなる! 仕事離脱する前に入れて着替えに集中したり、逆に仕事に行く前の準備に集中したり、家に帰ってきてしまってシャワったり、寝る前に入れて遠ざけたり。もちろん原稿してる時も。 ソシャゲやってる訳じゃないんだけど、なんかついつい集中力削がれるのからね。癖になっちゃってるな、と実感。 1分から設定できるのが尚のこと良いし、Bluetoothは普通に使えるのも良い! と言うことで、

          【意味のない日々】近況

          【意味のない日々】北九州に行ってた

          タイトル通り、北九州に行ってた! 超超超久しぶりの飛行機。とるの遅れて通路側。でも寝てたから問題ない。っていうか、割と手軽に早く行けると知って、飛行機の可能性に目覚めそう。 いやしかし、北九州空港不便だわ。対義語は福岡空港ね(いやだって、博多から二駅というアクセスの良さ) ずっと行きたかった資さんうどん行ってきた。 ごぼ天うめ〜〜〜 筋っぽくなくて、サクサクでかと言ってしっかり歯ごたえ。肉まで入ってんの!?!? 豪華!! 優しい出汁の味に、舌鼓を打っていた。チェーン店という

          【意味のない日々】北九州に行ってた

          【エッセイ書こ!】深夜

          そんな、拙い誘い文句でエッセイを募集させていただきました! 二回目となる今回は「深夜」。やっぱ創作をしている人にとって、深夜は特別で多感で、妙に記憶に焼き付く静かな時間帯ですよね。 というわけで、早速集まったエッセイという名の思い出に触れて行きましょ~! 寄稿してくださった皆さん、本当に素敵なエピソードたちをありがとうございます! 読んでいて、深夜と一言でいっても色々あるんだなと思わされるばかり。どれも情景がありありと浮かぶ、きらきらとした文章でした。 あ、お名前のほうは敬

          【エッセイ書こ!】深夜

          【意味のない日々】近況と読書メモ

          Twitterにログインしても、何を呟けばいいかとうとう分からなくなってしまった… 途中までは書くけど、別にいらなくね? みたいな。いや、どうでもいいことを書くツールなんだけどさ。 と言うことで、だんだん自分のことをわざわざ書くのって意味あるのか? とか、ぐるぐる考え始めて、非生産的なことだとは重々承知の上だったのにと、縺れ絡まって拗れているなう。 と言うわけで、若干テンションが落ち気味。 書くことない! って一回思うと、どんなことも書かなくなるね。 感想を書き忘れてた

          【意味のない日々】近況と読書メモ

          【意味のない日々】近況

          TwitterとPixiv封印した。 時間が無限に解けるので。隣の芝が青すぎて、不安が加速するので。でも我慢する自制心がないので。 スクリーンタイムのパスコードは同居人が管理してる。 ちなみにタイムロッキングケースも買った。スマホから離れるぞ〜〜 ハイキュー映画行った。 もう、久々に燃え散らかしたわ。死ぬかと思った。記憶がなさすぎるよ。 研磨の日向への巨大感情がえっちすぎて、私は…私は… 大事にしたいけど、壊したい、けど予想を超えてきて欲しいという赤裸々な思い…そういう日向

          【意味のない日々】近況

          【意味のない日々】近況と読んだあれこれ

          花粉症が、本格的になってきた。 アレルギーの薬を一応飲んでいるんだけど、先日は全く歯が立たず怒号のようなくしゃみを連発して、無駄に体力を消耗していた… 昨日今日はそれほどでもなかったけど、とにかく目が痒い。 そういや、目薬じゃなくて洗眼液というものがあるらしいときいて、ちょっと気になってる。 アイボンが気休めならば、それはどれほどの効果を持つのやら。 あと、最近食べたんだけどめちゃめちゃ美味しくて激ハマりした。 近所のスーパーで買い占める勢いで買ったけど、同居人にも狙われて

          【意味のない日々】近況と読んだあれこれ