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セントビンセント日記

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カリブ海はセントビンセントでの日々のブログ。青年海外協力隊(JICA海外協力隊)2019‐2021 として駆け抜けた2年間で見聞きして考えたことをつらつらと。南国の風を添えて。 … もっと読む
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#異文化

協力隊トークライブで話したこと(たぶんこれが最終報告になるんだろうな)

協力隊トークライブで話したこと(たぶんこれが最終報告になるんだろうな)

先週行われたJICA関西主催の協力隊トークライブでぼくが話したことを例によって、noteで文字起こし的に置いておきます。(思い出しながらなので当日とは多少違ったことを書いてます)

Microsoft Teamsを使ってやったのですが、画面にカメラオンの人が見えず、反応が探れなくて自分の話がウケてるのか、スベってるのかわからないのがしんどかったですが、その前に行われたリハーサルで、JICAの推進員

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コーンロウは1週間、そして私は新たな可能性に目覚める

コーンロウは1週間、そして私は新たな可能性に目覚める

およそ1週間前、日本に帰国途上の経由地の某カリブ諸島でコーンロウにした。

このコーンロウ、カリブの人はもちろんアメリカの黒人にも評判が良くて、「クールな髪型だね」なんて声をかけてもらえたりしてなかなか評判がよかった。現地の人と同じものを食べる、というのと同じくらい好感度が上がる気がする。

ふーん、なるほどねーみたいに思いながら日本に帰ってきたんだけど、4日目くらいから痒くなってきた。存在の耐え

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ぼくが6月のニューヨーク旅行でやりたかったこと

ぼくが6月のニューヨーク旅行でやりたかったこと

ぼくの記憶が正しければ、セントビンセントから日本への一時退避が決まる前は感染者は数十人くらいで、気にするほどのことじゃない的な談話をだしていたのに、気づけばニューヨークだけで感染者2万人超えてるし、死者数もがんがん増えてるし、医療崩壊も起こり始めているらしい。

テスト数を増やしてるのもあるけれど、すごい勢いで増えてる。今週中には中国やイタリアを抜いて世界一の感染者数の国になる。

指数関数的な増

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ブローカーと連絡が取れない…どうなるアルマジロハント!?

ブローカーと連絡が取れない…どうなるアルマジロハント!?

午後6時過ぎ、仮眠明けにスマホを見ると「ダメだ、中止かもしれない。どういうわけかブローカーと連絡が取れない」とメッセージが入っていた。

なんでこうもうまく物事が進まないんだ、仕事じゃないんだぞと苛立ちを隠せないでいた。

セントビンセントに派遣されてからずっと狙っていた、アルマジロを食すということを2週間前に達成以来、次の狙いはアルマジロのハンティング。可能であれば生け捕り。ぼくはその機会を逃す

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台湾のマンションにキッチンなんてないよ

台湾のマンションにキッチンなんてないよ

台湾の友達と話していた時、日本人はどこで朝ごはんを食べるんだ?という話になった。どこで「where」と何「what」を間違えたのかと思った。

自室かリビングかみたいなそういう話でもなかった。

そういえば、セントビンセントに来て間もない頃、別の台湾人から、こっちは「朝ごはんを食べるところがないから気を付けないといけないよ」と言われたっけ。

その時は、あー、君たちは外食文化だものなとしか思ってな

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学校のチャイムというシステムがなかったんだ

学校のチャイムというシステムがなかったんだ

➖ 最近、実に興味深いことに気づいたんだよ

2本目のワインのボトルが空になったときにファン (台湾人) が話しはじめた。

以前、彼は台湾大使館のイベントでセントビンセントの学校に台湾の歌を教えに行ったんだけど、その学校の先生に終わりの時間を確認したところ、「あなた方が納得するまで」という回答だった。

寛大なんだなと思いつつ教室に行くと、生徒はまばら。何時から授業が始まるのか確認すると、「あな

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ほのめかすだけじゃ私たちには届かないよ!:黒人側の意見

ほのめかすだけじゃ私たちには届かないよ!:黒人側の意見

先日、カリブの人は陽気っていうのはちょっと違うんじゃないかというnoteを書いた。

ぼくなりに腹落ちする部分が結構あって、やばいなと思ってしまったりした。どうしてやばいなと思ってしまったのかというと、こういう国際協力とか異文化交流というのは、その思想の根っこの部分に「人間はみな平等で、対等で違いはない。だから分かり合えるし、協力できる」みたいな理想主義的な考えがあって、その理想に向かって互いに手

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ごめん、環境の違いには戸惑わなかったわ。本音と建前の話

ごめん、環境の違いには戸惑わなかったわ。本音と建前の話

ぼくはきちんと空気が読める人を自認しているのでパブリックの場で何か発言を求められると、質問者が期待してるであろう回答をする。オーディエンスが欲しそうな回答をする。

「どうですか、1年途上国で生活してみて?」みたいなことを聞かれると、たいしたことなくても「いやぁー大変ですよ」ときちんと言える。ぼくはそういう人間だから。だって大変かどうかなんて主観的なことだから。客観的に判断できないから。ファクトと

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「この辺りはフランス語由来の言葉を話すんだ」が意味するもの

「この辺りはフランス語由来の言葉を話すんだ」が意味するもの

ここカリブ諸国の東側は第2次百年戦争 (1689-1815)時にイギリスとフランスが領有を争った歴史がある。現在もマルティニークというフランス海外県がセントビンセント本島から北へ100㎞ほど行った、セントルシアの北側にある。

セントルシアは、その戦争の激戦地だったからか、その逸話が多く残っていて、彼らの話すパトワもフランス語由来が多く、地名もフランス語が多い。

それに比べると、セントビンセン

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あんたらはカリブの気候を勘違いしてるのさ

あんたらはカリブの気候を勘違いしてるのさ

ホリデーシーズンだからなのか、ほぼ毎日大きなクルーズ船が港に停泊している。

たまたま週末に彼らクルーズ船ツーリストのマイクロバスのご一行とバッティングしたことがあって、彼らの定番エクスカーションルートは把握できた。こんなところまで来るんだという驚きと、これじゃ満足感はないしお金も落としてはくれないから、改善の余地も我々視覚障害者協会の参入の余地も大いにあるなと思っていた。

ある日の昼下がり、セ

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欧米人がカリブの人はフレンドリーじゃないって言うのは間違いなのよ

欧米人がカリブの人はフレンドリーじゃないって言うのは間違いなのよ

町で「チャイニーマン!」と声をかけらることはめっきり減ってしまった。小さい町だし毎回あまりにもぼくが反応しないからだろう。飽きたんだと思う。

「お前はチャイニーズかフィリピ―ノか」

久しぶりに声をかけられた。ジャパニーズじゃアホ!と返して歩みをとめることなく顔だけむけた。すると、〇△×●~§Γ◎みたいなことを言った。意味はわからないけれど、たぶん中国語のマネなんだろう。

「彼は日本語のマネを

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ここらで君らにカリブ英語を教えてやろう

ここらで君らにカリブ英語を教えてやろう

協力隊を育てる会が発行している「クロスロード」誌から寄稿依頼があった。2020年1月号の特集企画の現地の言葉で好きな言葉を書き初め風に書いてくださいというもの。

セントビンセントは英語で訛りこそあれど英語だけということになっている。

駒ヶ根の訓練所にいたときは、「セントビンセントって旧英領だったんでしょ?現地語がないってことは2年後きれいな英国アクセントの英語を話すようになって帰ってくるってこ

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ここらで鯨肉の食レポをしておこうか

ここらで鯨肉の食レポをしておこうか

セントビンセントは捕鯨をする国である。分類的に言うと、先住民捕鯨国ということになる。詳しいことは知らないけれど、国際捕鯨委員会(IWC)も先住民の栄養源としての必要性と文化的な背景を理由に昨年新たな捕獲枠を設けて承認している。商業捕鯨は認めていない。

これたしか、ザトウクジラが対象でその先住民捕鯨を行っているのはセントビンセントの本島からフェリーで1時間のベクエ島。捕獲枠も1つのようだから、ほん

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ここの人たちは自分たちがどこから来たのか知らないんだ

台湾人のジェリーがふとそんなことを言った。

アフリカ各地からセネガルのゴレ島に集められた黒人がカリブやアメリカに運ばれていたわけだから知ってるわけないだろと思うのだけどジェリーは気になるようだった。

自分がどこから来たのか、ルーツはどこにあるのか。それを科学的に、具体的には遺伝子から分析してくれるサービスが欧米で人気が出始めている。イギリスのウィリアム王子にインド人の血が少し流れているというニ

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