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根室の赤エスカ、白エスカ。いっそ紅白で。

ことしのトケイヤkitchenのテーマのひとつに、ご当地グルメのアレンジ再現というのがあります。

北は北海道から南は沖縄まで、実際には行ったことのない土地の料理まで作ってきました。

いろいろ作っているとなんとなく気付くこともあって、たとえば洋食系のメニューが多いなとか、その中でも〇〇ライスが多いなとか、そんなメニューはけっこう似ているんだけど、でも土地土地に由来するアレンジの違いがあって、だからこそご当地で人気を博しているんだなと思ったりもしています。

🍽その名はエスカロップ

今回作るのは、ご当地グルメの黄金パターン、フライ+ライスのひと品。
北海道根室のエスカロップです。

このメニューを知ったときに面白いなと思ったのは、名前が〇〇ライスじゃないところ。

このスタイルのご当地メニューって、今まで再現してきたメニューを振り返ると、だいたい〇〇ライスという名称なんですよね。

それが今回、その名はエスカロップ。
エスカロップとは何なのか。そんなことを考えつつ、まずはアレンジ再現のスタートです。

🍽まずはカツ

というわけでまず作るべきはカツ。
今回はポークカツレツを載せるスタイルなので、いつもの衣付け作業です。

トケイヤkitchen流のフライの衣は、
・天ぷら粉+水
・パン粉
の組み合わせ。

一般的な、小麦粉→卵→パン粉のスタイルだと、フライにする具の量が少ないときは卵液が残ってしまうこともあるので、無駄なく作れるようにこうしています。

🐽カツの材料
・パン粉
・天ぷら粉
・水
・豚ロース

まずはてんぷら粉に水を加えて、混ぜていきます。全体になめらかになるのが理想です。ポイントとしては水を少しずつ加えて混ぜて、理想の濃度になるようにします。いきなり水をいっぱい加えてしゃばしゃばになってしまうと、また粉を追加しなくてはならなくなるので、まずは粉を用意して、水はそこに少しずつ足していくのがおすすめです。

こんな感じのちょっととろっとしたくらいがベスト。

天ぷら粉→パン粉の順に衣をくぐらせれば、トッピングのカツはできあがりです。

🍽ライス…白か赤か

続いてライス…なのですが。

エスカロップについて調べていると知る、その変遷。
もともとはマッシュルーム入りのケチャップライスだったものが、たけのこ入りのバターライスに変わっていったらしいです。ほうほう。

とはいえ、ケチャップライススタイルが絶滅したわけでもないようで、ケッャップのものは赤エスカ、バターライスのものは白エスカと呼ばれているとか。

それにしてもたけのこがバターライスの具というのはなんだか珍しくて、これぞご当地って感じもします。

しかし、オムライス好きとしてはケチャップライス…要はチキンライス…つまりオムライスの中身、こちらも捨てがたい。

🍽紅白にしてしまう

というわけで今回は思い切って紅白のエスカロップにしみます。
紅白エスカ。
ちょっと縁起がいい感じもしますね。

🍚紅白ライス共通の材料
・ごはん
・玉ねぎ
・バター
・こしょう
🔴赤ライスの具と味付け
・マッシュルーム
・ケチャップ
〇白ライスの具と味付け
・たけのこ

本来、たけのこは水煮のものということですが、たまたま家にあったので佃煮を使ってみます。このあたりの臨機応変さがアレンジ再現をうたう理由です。

あとは粗みじん切りにしたマッシュルームとみじん切りの玉ねぎ、ごはん。ごはんは、たまたま麦入で炊いてあったので麦ごはんです。

ちょっと粒々が見えますね。

こちらがたけのこの佃煮。実家から送ってくれたものです。醤油味がバターライスに絶対合うと思います。バター醤油ってニッポンの洋食の定番ですもんね。

送ってくれた母はまさかこんなことになってると思ってないとは思いますが、おいしくいただけるはずなのでご容赦を。

玉ねぎをバターで炒めてライスパートのスタートです。この玉ねぎのバター炒めは半分にとりわけて、白エスカと赤エスカに半分ずつ使います。

ではまず白エスカ用のライスから。

ごはんとたけのこの佃煮投入。

しっかり混ぜ合わせつつ炒めます。やっぱりバターの焼ける香りに佃煮の醤油の香ばしさが加わると食欲そそられますね。仕上げにこしょうを振ります。

炒め上がったら、今回は紅白にするのでもりつけにひと工夫。

お茶碗を用意したら、炒めたバターライスを入れてお茶碗の半分に入れます。

では続いて赤エスカのほうにとりかかります。

当時は手に入りにくくて、
たけのこに変化したというマッシュルームも、今ならどこでも手に入りますよね。

バター炒めの玉ねぎとごはんを足してケチャップ投入。

オムライスの要領で炒めます。こちらも仕上げにこしょうを。

白エスカ用ライスを入れたお茶碗に詰めたら紅白ライスの準備はOK。

🍽カツとソースいきます

続いてトッピングのカツを用意。

今回は生姜焼き用のちょっと薄めのお肉を使っているので、火通りはそれほど気にせず、高温でカラッと揚げていきます。

底になった面に揚げ色がついたら返して両面をこんがりきつね色に。

揚がったらしっかりと油を切ります。

ライスとカツができたら、あとはソース。

デミグラスソースを温めます。

市販のものでもOKですが、自家製はまた格別。

有料記事ですが、よければこちらのレシピも参考にしていただけると嬉しいです。

🍽できました、紅白エスカロップ

さて、では盛り付けです。

ごはんをお茶碗に詰めたのは、盛り付けをきれいにする意味もあります。お皿にお茶碗を伏せて置き…。

外すとこのとおり。

ブラボー!

紅白マウンテンの登場です。

付け合わせにはキャベツの千切りとミニトマトを添えました。洋食屋さんを意識したイメージです。

いよいよトッピングの王様、カツの登場です。

ライス系のメニューなので食べるときのことを考えて、スプーンでも食べやすいようにひと口サイズにカットします。

ライスに添えてカツを並べます。

カツの上にソースをたっぷり。

できました、エスカロップ。

どうでしょう、ライスは紅白。
赤エスカも白エスカも一緒に楽しめる、紅白エスカの誕生です。

そもそもエスカロップってなんなんだと。まずそう思うと思います。

この言葉自体はフランス料理の用語で、お肉やお魚の薄切りを意味しています。

つまり、薄く切ったカツを載せたことが、そのインスピレーションの源だったのではないかと思います。

オムレツ+ライスがオムライスになったり、コートレットがカツレツになって、その材料が豚ならトンカツになったり。

西洋料理が日本の食卓になじんで、ニッポンの洋食になっていく中、その名前も含めてご当地のグルメになった。そんなひと品なのではないでしょうか。

エスカロップ。いいですね。

🚙余談…エスカとエスカー

白エスカ、赤エスカという名前を聞いたとき、思い出したものがあります。

江の島にあるあれ。エスカーです。

“エスカーのりば”

どんな乗り物かと思うじゃないですか。

“カー”の部分が“CAR”を連想させるし、そうなると“エス”は“S”、それはもうスペシャルのエスです。

関西出身の自分は何の予備知識もなかったので、「江ノ島でエスカー乗ろうよ」といわれたとき、すごいスピードで走る何かに乗るつもりでした。

地元の人には当たり前なのに、知らない人は知らない、そんなところがご当地グルメみたいな名物ですよね。

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