小説。文芸に関する文章。ほか。 小説は読むのも、書くのも好きです。音楽も好きです。映…

小説。文芸に関する文章。ほか。 小説は読むのも、書くのも好きです。音楽も好きです。映画も好きです。面白いものが読みたい、面白いものが書きたいと切望してやみません。自分の作品の映像化が夢です。丁寧に、ていねいに、豊かな空気のある物語世界をつくろうと心がけてます。

最近の記事

小説現代新人賞の結果が確定しました。の続報。

「小説現代新人賞の結果が確定しました。 3次選考までの14作の中には入ることができましたが、最終候補には残れませんでした。」 と報告させていただいたのは昨年の11月。 それから、次回の同賞のための作品をずっと執筆していました。ようやく初稿があがり、いま、放置しているところです。 放置? ことばがよくないですね。 つまり、自分の作品を客観的に読むことができるようになるための忘却時間を設けているところであります。 そんな空白の時間を利用して、上記のように報告させていただいた作品

    • ポプラ社小説新人賞の結果がでていました。出したの、すっかり忘れていました。結果は一次も通過ならず。気持ちを入れて出直します。

      • 第18回小説現代長編新人賞受賞作が発表されました。 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000005942.000001719.html 自分の応募作品と同じ江戸初期の青年の物語^^; あらすじを読んだだけでも面白いし、なんと選考委員全員一致だったとか。 芯(真)のある力強い作品を書くしかない、と、改めて思いました。

        • 【ショートショート】転換点あるいはすけべぼくろ

           十歳のアキオはごく普通の少年であった。ごく普通のどこにでもいる少年のように、落着きがなく、授業中は消しゴムかすを飛ばして遊んでみたり、教科書の隅に熱心に落書きをしてみたりしては教師に叱られた。考える前に走り出し四六時中擦り傷打ち身を作った。スイミングスクールに行く途中、用水でヒロシがざりがに釣りをしているのを見かければ、さっそく参戦した。半ズボンとTシャツを大方濡らしきってから、そういえば俺ちょうど水着持ってるんだと自慢げに着替えだす。水着を持っている時点で自分のすべき本来

        小説現代新人賞の結果が確定しました。の続報。

        • ポプラ社小説新人賞の結果がでていました。出したの、すっかり忘れていました。結果は一次も通過ならず。気持ちを入れて出直します。

        • 第18回小説現代長編新人賞受賞作が発表されました。 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000005942.000001719.html 自分の応募作品と同じ江戸初期の青年の物語^^; あらすじを読んだだけでも面白いし、なんと選考委員全員一致だったとか。 芯(真)のある力強い作品を書くしかない、と、改めて思いました。

        • 【ショートショート】転換点あるいはすけべぼくろ

          小説現代新人賞の結果が確定しました。

          小説現代新人賞の結果が確定しました。 3次選考までの14作の中には入ることができましたが、最終候補には残れませんでした。 今回、こちらの新人賞には初めての応募。 なんと一次通過作品から選評がもらえるとのことで、まずはそれを目指していたので、自分としてはできすぎなくらいの結果でした。 とはいえ、人間とは欲深いもので、ここまできたら最後まで行きたかったな、というのも本音といえば本音。 また次回もここに挑戦したいなと強く思いました。 そう思わせてくれたのは、やっぱりこの小説現代

          小説現代新人賞の結果が確定しました。

          宝島社この文庫がすごい大賞最終候補作品に選出されました

          エブリスタに掲載していた「ぼくたちは天使じゃない」が、宝島社この文庫がすごい大賞最終候補作品に選出されました。 ありがとうございました。 (といって、発表されたのはもう2ヶ月も前。noteサボりすぎよね。反省)

          宝島社この文庫がすごい大賞最終候補作品に選出されました

          『アルトゥロ・ウイの興隆』~純粋な悪意

           舞台『アルトゥロウイの興隆』(於神奈川劇場KAAT 2021.12.1)を観た。  ブレヒトの異化効果というのを知ったのは、十何年も前、たしかバルガスリョサの「若き小説家への手紙」だったが、いまいちピンときてなかった。それ以来忘れていた言葉だったけれど、今回の観劇でそれをはじめて体験して、こういうことか、とわかった気がした。 異化効果【いかこうか】 ドイツの劇作家ブレヒトが演劇の手法として用いた用語で,ドイツ語ではVerfremdungseffekt。対象を異常に見せてき

          『アルトゥロ・ウイの興隆』~純粋な悪意

          【エブリスタ】トレンドランキング5位にランクインしました!【小説】『ぼくたちは天使じゃない』

          【エブリスタ】トレンドランキング5位にランクインしました!【小説】『ぼくたちは天使じゃない』

          【小説】革命家を拾う話

          https://www.amazon.co.jp/dp/B0B8T9JX6G Kindoleで読めます。よかったら読んでやってください。 すばる文学賞最終候補にのこったのはもう数年前のこと。ずっとPCの奥底に眠っていたのですが、それももったいないと、このたびKDPに挑戦してみました。 やってみたら案外あっけなくできてしまって、これで世界中に自分の本が売り出せたのだと(売れるかは全く別として)思うと、なんて世の中だ、と思います。 小説を書くひと、文学賞受賞作は読めますがその

          【小説】革命家を拾う話

          『モデラート・カンタービレ』 マルグリッド・デュラス

          #海外文学のススメ #秋の夜長にフランス文学は結構な沼。 *創作レッスンとして「あらすじ」をまとめるというのをしているので、オチまで書いています。すみません。 『モデラート・カンタービレ』マルグリッド・デュラス 〈あらすじ〉  上流階級の人妻アンヌ・デバレードは、幼い息子のピアノレッスンに付き添い、毎週金曜日波止場近くのピアノ教師のもとへ通っていた。あるとき、レッスン中、近くのカフェで殺人事件が起こる。一人の男が一人の女を殺したのだ。アンヌは、男が殺した女に寄り添い、微

          『モデラート・カンタービレ』 マルグリッド・デュラス

          【エブリスタ】イチオシ作品に選出されました!【特集「逃さない」~ゆがんだ愛の形】

          エブリスタに連載中の『ぼくたちは天使じゃない』が、特集「逃さない」でイチオシ作品に選出されていました。 初めてのことでびっくりしています。 毎日更新して連載をしてはいるものの読んでもらえてるのかなぁと不安になり、モチベーションも落ちていたところだったので、励みになりました。 がんばって続き書こう! よかったら読んでやってください。

          【エブリスタ】イチオシ作品に選出されました!【特集「逃さない」~ゆがんだ愛の形】

          『ナイフ投げ師』 S・ミルハウザー

          #海外文学のススメ ナイフ投げ師 スティーブン・ミルハウザー 〈あらすじ〉  ヘンシュは各地で名を上げているナイフ投げの名手である。ナイフ投げという時代遅れの芸を、「血のしるしをつける」という、今までのナイフ投げ師たちが決して踏み越えることのなかった一線を越えた新しい芸に進化させ、名声を築いたのだった。私はその不穏で刺激的な芸を期待しつつ彼の舞台を見に行く。  ヘンシュは時間通りに現れ、無言のまま、芸を始める。まず最初はアシスタントの女性が衝立の前に投げる輪を、ナイフで射

          『ナイフ投げ師』 S・ミルハウザー

          『バベルの図書館』ホルヘ・ルイス・ボルヘス

          #海外文学のススメ バベルの図書館(『伝奇集』より) ホルヘ・ルイス・ボルヘス 〈あらすじ〉  六角形の回廊を配した図書館がある。六角形のうち四辺に五段の書棚があり、一段に三十二冊の本がおさめられている。それが上下の階へ、際限なく連なっている。また狭いホールがあり、そこには螺旋階段と鏡がある。光源は各階にふたつずつ並んで配されたランプである。わたしはそこで多数の六角形を監督している。図書館という宇宙空間を旅する旅人のような存在であり、死ねば回廊の低い手すりから放り出され、底

          『バベルの図書館』ホルヘ・ルイス・ボルヘス

          『偶然の音楽』ポール・オースター

          #海外文学のススメ 偶然の音楽  ポール・オースター (あらすじ)  消防士ナッシュは突然二十万ドルの遺産を手にした。三十年来音信不通だった父親の残したものだった。その金でナッシュがしたことは、幼い娘を置いて出ていった妻とやり直すことではなく、新車を買ってアメリカ大陸を走り回ることだった。仕事をやめ、娘を姉の家族に託し、ひとり疾走の旅に出るのである。目的のない旅だった。大音量の音楽を流しながらするドライブで、ナッシュは絶対的な自分自身の存在を感じ取る。残金が再出発のために必

          『偶然の音楽』ポール・オースター

          『哲学者とオオカミ』マーク・ローランズ

          #海外文学のススメ 『哲学者とオオカミ』マーク・ローランズ あらすじ  本書は、ある哲学者がある一頭のオオカミ(正確には犬との混血で九七%のオオカミ)と出会い、その死をみとるまでの記録と、その体験を通してなされた彼の思索が記されたものである。  生後六か月の仔オオカミ・ブレニンと出会ったとき、著者マークはアラバマ大学で哲学を教える若き准教授だった。ブレニンが彼の家にやってきたとき、まず最初にやったのは部屋のすべてのカーテンをレールごと引きちぎり、家具を破壊し、地下室を駆

          『哲学者とオオカミ』マーク・ローランズ

          【短編小説】真夏の夜の魚たち

           午後四時になっても一向に気温は下がらない。  アスファルトから透明のゆらめきが立ち上っている。街路樹の影は車道側に移動し、幅の広い歩道に白い日光が照り返した。  図書館の冷房で冷えた肌に汗がじわりと湧く。横断歩道のメロディが途絶え、青信号が点滅する。結衣はうんざりした気持ちで渋滞する国道を足早に渡った。トートバッグの中の本が重い。  近道をしようと、すすけたアーチのかかるアーケードに入った。とたんにひっそりとする。  気温も少し下がったような気がしてほっとした。  閉ざさ

          【短編小説】真夏の夜の魚たち