【気まぐれエッセイ】SWEET 19 BLUES

私は自分を「大人」と呼ぶことを、20代を終えるわりとギリギリまで、なんだかむず痒く感じていた。


小学生の頃、お化粧してみたはいいけど、大人に見つかると恥ずかしかったような、そんな気持ち……。 「ぷっ、大人なんて言っちゃって、背伸びしちゃって、ぷぷぷ」って、そんな揶揄が今にもどこからか飛んできそうな気がして、恥ずかしかった。


でも気がつけばもう本当に、もういい大人だ。


こう言うと40代、50代の方々には「いやいや、まだまだヒヨッコだから」と言われるかもしれないけれど。それでも、もう決してgirlではなくladyであり、例え独身でもmissは使えない年齢であることは間違いないのだ。


いつだったか妹が、24歳くらいから、年齢を伝えたときの人の反応が「わっか〜い」から「若いね」に変わったと言っていた。


あぁ、確かにそうだな、と思った。


「わ」と「か」の間に挟まれた小さな「っ」が表す弾けんばかりの若さを 、大人へ、大人へと必死に背伸びしているうちに、私は失ってしまったような気がする。


「もうすぐ大人ぶらずに、子供の武器も使える、いちばん、旬なとき」 〜SWEET 19 BLUES/安室奈美恵〜

そんな時期、私にはなかった。

第二反抗期を迎えた9歳の頃から、27、28歳くらいまでの約20年間、私はひたすら子ども扱いを嫌い、大人に憧れ、滑稽なくらい必死で背伸びしてきたのだから。


それなのに30歳になるとき、精神年齢はじめ、色んなものが全く実年齢に追いついていないことに焦り始め、20代を終えることにひどく怯えていた。


笑っちゃうよね。
「これからが楽しみ」なんて、キラキラした笑顔で30代のスタートを切る予定だったのに(笑)。


だけど今、ようやく踵を下ろし、足裏全体で地面を捉えている気がするのだ。


私にとってのSWEET 19は、今からなのかも(笑)♡ もう背伸びなんてせずに、今を思い切り楽しんで、好きなことをたくさんやろうと思う。40歳を迎える頃には、今度こそ「楽しみです♪」と、心から言えるように……。


幸せな時間で人生を埋め尽くしたい私にとって書くことは、不幸を無駄にしない手段の1つ。サポートしていただいたお金は、人に聞かせるほどでもない平凡で幸せなひと時を色付けするために使わせていただきます。そしてあなたのそんなひと時の一部に私の文章を使ってもらえたら、とっても嬉しいです。