【気まぐれエッセイ】私の軸

自分を貫くことと視野を狭めることの違いが、時々分からなくなる。逆にたくさんの価値観を受け入れすぎて、自分が消えそうになることもある。


だけど、結局どこに居たって私はどうしようもなく私で。だからと言ってそれをあからさまに主張するのは苦手で……。生き方を選べなかった子ども時代は、胸の奥にいつも居心地の悪さを抱えていた。


だからかな、私は振り幅の大きい、いくつもの場所に身を置くのが好き。1つの世界だけに馴染もうとすることは、私の色を消していく作業に思えてならないからだ。色んな社会がつくる常識と、そこで暮らす人たちの価値観に触れ、渡り歩く。何度も往復する……。そんな中で私は、私らしさを見つけ出し磨いてきたんだ。これからも、きっとそう。


でもね、根無し草ではないよ。 家族と祖母と、そして彼が私の根っ子。 愛する人と、心を通わす瞬間が、私の人生の軸。昔よりずっとたくさんの価値観を受け入れながら、いつも自分を見失わずにいられるのは、そんな軸があるからだと思う。


幸せな時間で人生を埋め尽くしたい私にとって書くことは、不幸を無駄にしない手段の1つ。サポートしていただいたお金は、人に聞かせるほどでもない平凡で幸せなひと時を色付けするために使わせていただきます。そしてあなたのそんなひと時の一部に私の文章を使ってもらえたら、とっても嬉しいです。