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神漫画書評

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最初は古本で買ったけど続刊はもう問答無用で新品で買う!と思うくらい面白かった神漫画を紹介します。
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記事一覧

「彼方のアストラ」というSFミステリー漫画の到達点

「彼方のアストラ」というSFミステリー漫画の到達点

本当に嬉しい。こんな漫画が描かれる事をずっと待っていた。

先日最終巻が発売された「彼方のアストラ(全5巻)」を読み終えた。
終盤を読んでいる時点でこの漫画の素晴らしさを一刻も早く多くの人に伝えたくてたまらなかった。なので、今この書評を書いている。
とはいえ、この作品はネタばれ厳禁要素が多いので、読んでみようと思った方にはまっさらな状態で読んでいただきたいため、ストーリーにはほとんど触れずに、抽象

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すこしふしぎな王道ジュブナイル「ぼくらのよあけ」

すこしふしぎな王道ジュブナイル「ぼくらのよあけ」

ある漫画を買おうかどうか迷った時、購入の後押しになる考え方として、

「映画を1本観た場合」の出費と比較する事がある。まあ、映画を観たと思えば安いもんだ・・ってやつだ。

今回紹介するSF漫画「ぼくらのよあけ」は全2巻で2冊で1080円(紙の本は現在は絶版なのでKindle価格)映画のレイトショー料金よりも安い。そして1本の2時間長編アニメ映画を観たかのような適度な時間の消費と最高の満足感が味わえ

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「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」という親孝行のスイッチ

「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」という親孝行のスイッチ

正月休みにこの漫画の事について書こうと思っていた。

「母」という存在。この世に生まれた誰もに共通する存在。
一年の中で一番母がすぐそばにいる可能性が高いこの時期に、この作品について考える事をきっかけにして、自分の母について、そして自分について今一度立ち止まって考えてみたかった。この書評を読んでいただける方にとっても、本作の素晴らしさをお伝えすると共にそういった何か大切なものを考えるきっかけになっ

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前前前前前前前世から君を探す「スピリットサークル」

前前前前前前前世から君を探す「スピリットサークル」

映画「君の名は。」を鑑賞している最中、あるシーンを見た時に、ふとこの漫画「スピリットサークル」のことが頭に浮かんだ。何故かと言うと、偶然にも同様のシーンがこの漫画にもあったからだ。

とはいえ、主題歌・前前前世が事前に耳に入っていたので、厳密には鑑賞前にも多少意識はしていた。スピリットサークルは輪廻転生をテーマとした作品だからだ(君の名は。のほうはそれとはまた違っていたのだが)

それぞれのネタバ

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親愛なる「度胸星」

親愛なる「度胸星」

この十数年、何かとこの漫画の事を想う時がある。宇宙兄弟が大ヒットした時… 映画インターステラーを観た時… 今年、映画オデッセイを観た時…また、度々宇宙や火星のニュースを聞く時も思い出さずにはいられない。
永遠の最強神漫画・度胸星について書いておきたいと思う。

だが、この漫画への愛は一晩あっても語り尽くせない。想いがありすぎてうまくまとめられる自信が無い。でも伝えたい。この漫画の素晴らしさを。

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17年熟成の贅沢「HUNTER×HUNTER」

時が来た。苦節17年。ほぼ未読だったハンターハンターを美品で全巻108円でコンプリートできる時。 それが今だ!!!

2015年初夏・・・始まりは一軒のブックオフからだった。目を疑った。初版発行が90年代なはずのハンターハンターの1桁の巻が108円コーナーに日焼け研磨無しで並んでいるではないか!? 10巻〜20巻も美品でちらほら。比較的最近の巻は以前から美品で落ちてはいたが、初期の巻は少なくとも5

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多幸感に包まれる「BLUE GIANT」

ここ数年、吹奏楽系の漫画がブームというか1つのジャンルとして完全に定着した感がある。吹奏楽漫画については、今後何かの機会で詳しく語りたいと思っているが、今回の漫画「BLUE GIANT」は吹奏楽ではなくジャズ。

高校生の主人公がジャズと出会い、世界一のジャズサックスプレーヤーを目指していく物語だ。 この漫画の魅力を一言で表すとこれ→
「音が出ないのに、音楽を聴いたような言葉にできない感動を味わえ

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最高に美しい「キン肉マン40巻」

数年前、あのキン肉マンの王位争奪戦の続きからの新作を描いている事を知り、当時出ていた分(38〜40巻)をブックオフでゲット。もちろん連載中のジャンプコミックスは比較的簡単に集まります。

これが異常に面白かった。単純に正義超人VS完璧超人という図式だけではなく、あの7人の悪魔超人VS完璧超人というパターンもあり、悪魔超人が主役で何週も続くという(笑)いやいやこれが燃える燃える。そして何と言っても最

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「かくかくしかじか」の覚悟

昨年のマンガ大賞を受賞した「かくかくしかじか」です。大賞受賞作というベタなセレクトですが、この漫画との出会いは劇的だったのですよ。やはりまずはそのエピソードからw

今は無きブックオフ北千住駅西口店(FC)もう閉店したから情報書くけど、ここはイベント的にはほんと良店で、毎週火曜日は常に何らかのセールをやっていたのですよ。しかし何より素晴らしかったのは大型漫画本(主にA5判サイズのやつね)が通常なら

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生きる活力「サンクチュアリ」

続いての神漫画は池上遼一の「サンクチュアリ」です。これは最近やっと読めました。というのもこれも面白いと知ってから美品古本を探し求めて5年以上は経っただろうか・・・

新しい豪華版もありますが探していたのはコンパクトな文庫版。初版がわりと古いのでブックオフ100円棚にいくらでもありそうなのだが、これが無い・・初版が古い文庫という事で完全にわたしは真悟と同じ状況に陥りました。

ふと見つけたのがブック

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家宝「わたしは真悟」

この書評では、最初は古本で買ったけど続刊はもう問答無用で新品で買うわと思うくらい面白かった神漫画を購入エピソードと共に紹介していきます。主にここ数年でそのように出会ったものをランダムに書いていきます。

さて、一発目は「わたしは真悟」です。描いてる漫画のタイトルは基本的には新古書もじりで適当に付けたものですが、この漫画へのリスペクトもあるといってもいいくらい好きな漫画です。

元々楳図漫画にあまり

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