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「給与はお任せします」と言う人を採用してはいけない


中小企業にとって人が採れないことは苦悩

しかし、間違って採ったら地獄だ。



これが私の長年、人材採用をしてきて出した教訓です。
そこで今回は、中小企業を経営する経営者に向けて

「給与はお任せします」と言う人を採用してはいけない

など、かなり具体的に「成功する人材採用」を解説します。
結論から言うと、次の8つの掟を守ることが大切です。

掟―1:常に急募はやめなさい
掟―2:即戦力の重視はやめなさい
掟―3:同業種からの転職には要注意
掟―4:給与にこだわる人材を採りなさい
掟―5:仕事の中身にこだわる人材を採りなさい
掟―6:会社の将来にこだわる人材を採りなさい
掟―7:初回面接こそトップがしなさい
掟―8:縁故採用は極力、控えなさい


人材の採用には大きく新卒と中途採用に分かれますが、今回は中途採用がメインです。
中小企業の経営者、経営幹部の方々に中途採用を失敗してほしくない、成功してほしいという思いから書きます。
ここでいう成功とは、「入社後、期待を超えた働きをしてくれること」を指します。


【掟その1】常に急募はやめなさい

まず、‟欠員が出たから急募”、といった毎度おなじみの求人スタイル。

このクセはやめなさい。中小企業にありがちな現象だがここに大きな落とし穴があることに気づくこと。

欠員が出て、慌てて補充採用。お決まりのこの採用方法は経営の硬直化の始まりと言える。

本来、人材募集というものはよい人材と出会うため365日、トップ自らが先頭に立って行うもの。

多少、余剰人員になっても、よい人材と出会ったら迷わず採用することです。

欠員・急募は妥協して性急な採用となりがち。つまり、「欠員→急募→妥協採用→不適材人材」といった悪循環となってしまうことが多い。


【掟その2】即戦力”と思える人材より“実践力”のある人材を採るべき


即戦力は当てにならないことが多い。

その上、使いづらいこともあるのです。

前職で同業種か類似業種にいた、しかも社会経験が豊富で管理職までやっていた、といった人材は一見、重宝に思えます。

でも、入社して1ヶ月も経つのに

「ホント、この会社はボロだよな!」

などと身の程知らずの他人事セリフを周囲の社員に吐いたりすることだってある。

もっとも重要なことは即戦力より実践力。


実践力は期待を裏切らないことが多い。
実践力さえあれば、即戦力にならなくとも早い段階で会社に貢献するでしょう。


【掟その3】同業種からの転職には要注意


同業種ということは仕事に対しては経験があるということ。
だが、どれほどの経験かわからない。
実態は本人の言葉でどうにもなることだから。

そして、前職のクセが災いとなることが多いと言えます。
前職の勤務歴が長ければ長いほど、入社後の仕事を舐めてかかることもあるのです。
むしろ前職が異業種の方がよいことがある。

異業種であればゼロからのスタートとなり、真摯に仕事に向かう可能性が高い。


【掟その4】給与にこだわる人材を採りなさい


中途採用に応募してくる者、特に中高年には

「給与はお任せします」
「働いてみてから決めてください」

と一見、謙虚に思える言葉を口にする者がいます。これって謙虚なのではない!

自信の無さからきていることが多い。


給与にこだわらない人材よりも、こだわる人材の方がよい仕事をすることが多いと考えています。
ただし、生活のための給与へのこだわりではない。

‟自分がどれだけやったらどれだけの給与になるのか?”

へのこだわりの場合を指しています。


【掟その5】仕事の中身にこだわる人材を採りなさい


採用面接で、求職者からの質問の中身がほとんど給与条件となっている場合があります。例えば

残業は多いか少ないか?
昇給は毎年、どのくらい見込めるか?
手当はあるのか?
賞与は平均何か月分出るのか?

などと、細かすぎるほど聞いてくる者がいる。

本来、仕事の中身を聞いてきて欲しい。


もし、仕事の中身や研修体制、または、資格取得などの質問が多いとなれば“できる人材”になる可能性が高いと言えます。

それは仕事への興味の表れである。
努力への意思表示だからだ。
入社後は仕事に専念する可能性大。


【掟その6】会社の将来にこだわる人材を採りなさい


社長の経営方針や会社の将来へのビジョンをしっかり聞いてくる人材は入社後、社内の存在感が大きくなるでしょう。
逆に休暇、残業、有給、まして休憩時間など仕事環境にだけ関心がある者は、入社後、社内の存在感は限りなく小さいとみてよい。

中には不満分子となってしまう人材もいる。


【掟その7】初回面接こそトップがしなさい


重要ポスト候補の採用になればなるほど、第一次面接はトップが先にやれ!担当者に任せるな。
もし、担当者に任せてしまうと本来、採りたい人材を見逃す可能性があるからです。

なぜなら、担当者と経営者では採用する人材の将来像の描き方が大きく異なる。


【掟その8】縁故採用は極力、控えなさい


縁故採用は慎重に。基本的にはしない方が賢明と心得ろ。
なぜなら、しがらみなしのまっさらな人材の方が周囲も本人も働きやすく手加減なしでしっかり関わることができる。
どうしても採るのであれば、正規の手続き(平等に試験)を踏むことです。

その結果、ダメなら迷わず断ること。
その方が本人と会社のためである。

また、これらの掟のほかに体験談から採用時の評価項目をいくつか紹介しておきます。

履歴書、経歴書、そして、用意された面接での言葉では判断しきれない応募者の素の部分を知る術と言ってもよいポイントです。
私の主観になりますが人物を見るときの参考になると幸いです。


○車を観察する

応募者が車での来社の場合、車の駐車の仕方と車自体を観察します。

駐車場に整然(ラインをはみ出さず)と停めているか?
車は洗車されているか?

といった点です。
車中はプライバシーがあるため覗いたりはしません。
その人の応募に対する真剣みと几帳面さがわかります。


○身なりの観察をする

髪は清潔に整っているか?
服装は極端でなくとも‟よぼよぼ”、‟くしゃくしゃ”に近い状況になっていないか?
靴は磨いているか、靴底は減っていないか?
など。その人の清潔感がわかります。

○顔つきと振る舞いを見る

表情に誠実さを感じるか?
険がないか?
姿勢がよいか?
足、手の動作に落ち着きはあるか?
目がきょろきょろしていないか?

など。その人の自信の程、物事への取り組み姿勢が測れます。


○言動に注意を払う

前職の批判をしたり
自慢話を誇張したり
また、明らかに嘘と分かるような話をしている

このような場合は警戒した方がよいでしょう。
このような言動から極端に偏った価値観を持っていないかも確認できることもあるし、その人の人生態度もわかる。

むしろ、前社に対しての感謝の言葉、自身に対する謙虚の言葉が出ているのであれば‟良し”としたい。

この他にもたくさんありますが、主だったところは上記のような内容です。


勿論、採用側も同じように

求職者によって評価されている

ことを十分に認識して臨むことです。

あくまでも求人者と求職者は対等な関係なので……。


<文/つのだアントレ>


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