基本素っ裸。映画『ベネデッタ』をみました。
2023年2月17日公開、『ベネデッタ』
鬼才ポール・ヴァーホーヴェン監督作品という事で高い注目を浴びている本作。上映館も少なめでチェックはしていませんでしたが、評価が高めなので気になって早速鑑賞。
すんごかった。
面白かった。
一言で表せられない衝撃的な作品だったので、簡単に紹介しつつ感想を述べていこうかと思います。
『ベネデッタ』(原題『Benedetta』)
”鬼才”ポール・ヴァーホーヴェン
オランダ出身、御年84歳の大ベテラン映画監督。
代表作は、『ロボコップ』(1987)、『氷の微笑』(1992)や『ブラック・ブック』(2006)など。
鬼才とも称され、以前から女性を主役にした映画を数々撮っている監督。
その為、捉えようによってはフェミニズム映画のパイオニア的な立ち位置として考えることもできます。
(本人がどう考えているか定かではないですが。。)
上記の記事を見て頂ければ、彼の事が一通りわかると思います。
単純に、80歳超えて映画を撮っているだけで偉大ですよね。
あらすじ
感想
17世紀に女性が権力を持ったという事実や、ペストが流行していた当時の雰囲気など、伝記映画として興味深くて面白かったです。
また、「ベネデッタは本当にキリストに選ばれたのか」という1つの考察映画として私は楽しめました。
本作は、とにかくベネデッタが凄い奴なんです!!!
彼女が実際にキリストに選ばれたのか、最後まで確証はもてませんが、恐らく選ばれてはないと考えています。映画の随所でわざわざ違和感を持たせるような描写が複数見受けられたので、真実はそうなのだと思います。
そもそも、キリストに選ばれたかどうかは客観的には知り得ません。
妄想だとしてもベネデッタが「私は選ばれた」と言えば選ばれたとなる訳です。誰も見ていなければ、自分で付けた傷も聖痕だと言えば聖痕なんです。
キリストに選ばれたと妄信するベネデッタ、一歩間違えればパラノイアですが、彼女は圧倒的なカリスマ性のもと周囲を説き伏せていきます。
結果、キリストに選ばれた事が認められ修道院長になっちゃいます。
しかし、修道院長に為った途端、禁忌である性交渉(修道女と)は楽しみ、挙句の果てには、「キリストに選ばれたんだから何してもいいでしょ」的な事を言い始めます。
周りの修道女に疑惑を向けられても、「神に選ばれたんや私は」と毅然な態度のベネデッタ。
ピンチもチャンスに変えてしまうベネデッタ。
なんか癇に障るんですけど、カリスマ性に見惚れる部分はあるんでよね。
結果的に、同性愛がバレて捕まっちゃいます。
結末は是非映画館で。
ざっと物語のストーリーと感想になります。。。
ヴァンホーヴェンも言っていますが、17世紀に女性が権力のトップに上り詰めたという事実があります。
男性社会の当時を鑑みても、ベネデッタの内からにじみ出るカリスマ性やパワーは凄まじいものだったのでしょう。
そのパワーを表現していた、ベネデッタ役のヴィルジニー・エフィラの演技は凄まじかったです。そして、ベネデッタと恋仲になるバルトロメア役のダフネ・パタキアも強烈な存在感でした。
題名で「基本素っ裸」と称したのは、この2人の濡れ場がそこそこ長かったからです。生々しく、教会で大声で喘ぐなど、かなり官能的です。
ただただ、ただただ全裸のシーンもあります。
そこに、グロテスクで痛々しい描写や重めの内容も加わり、R18になっております。個人的にはR18作品の中でも見やすい方でした。
神を全く信じてない私としては、当時の信仰のトップに立つ者の気概のようなものに驚嘆しました。
周りから疑われながらも、何なら自身で確証がなくとも、「神に選ばれた」と突き通す鋼のメンタル。というか、自分自身を洗脳してしまうのでしょうか。妄信ですよね。
そうやって、一切疑わない心を持つことは、現存する宗教団体のトップにも通づる資質の1つなのでしょうか。
トップに立つ人間は多少強引な方が成功するでしょうし、自己愛を基点にメンタル調整するのは大切なのかも。
ブツブツすみませんでした。
以上です。
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