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    執筆した演劇の脚本を掲載しています。

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今日も免れられない

6時間くらいで起きるつもりが、病院を予約していた時間の1時間前まで寝てしまった。今日行く病院は遠いからそれだと間に合わない。完全に寝坊である。 起きて、まず、ゲボ…

常住奈緒
4年前
30

超短編 寝る前

女と男、ベッドで横になっている。 (男、終始あしらうように) 女「ねえねえ」 男「なに?」 女「好きだよ」 男「俺も好き」 女「どれくらい好き?」 男「一番好き」 女「…

常住奈緒
2週間前
4

超短編 開演前

男、女(2人とも19歳くらい)が2人で開演前の客席に座っている。 女、当日パンフレットに落書きをしている。 女「描いた!どうかな?」 男「(笑って)いやいや。それは上手い…

常住奈緒
2週間前
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8月2日近況

ハローハロー、こんにちわ。常住です。なんとかかんとか生きています。今はメンタルクリニックの受診待ちをしています。久しぶりに近況報告なんてしてみようと思います。 …

常住奈緒
9か月前
14

演劇をやめる 私は続く

演劇をやめることは、私をやめることだとずっと思っていた。でも、私はより私であるために、演劇をやめようとしている。9年もの間『演劇公演』を続けた。脚本を書いては赤…

常住奈緒
1年前
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小説『ビル』

「彼氏のちんこがね、大きくなったんよ」 朱音は胸まで伸びている茶色くて綺麗な髪をくるくるいじりながらそう呟いた。真昼間の喫茶店でする発言と声量でなかったので私は…

常住奈緒
1年前
6

豊岡滞在制作5日目 6月17日

夏バテと執筆が進まない焦燥感で体調を崩し、4日目の日記をサボってしまった。 泊めてくれている遥野ちゃんとりこちゃんに甘えすぎないよう、こちらでの生活を行っていき…

常住奈緒
1年前
5

豊岡滞在制作3日目 6月15日

夢で、空中空地のめちゃくちゃ面白い演劇をみた。しおまめと山本と板倉くんが出ていた。絶対に負けたくないなという気持ちになる。夢なのに。 起きた時には10時を過ぎてい…

常住奈緒
1年前
8

豊岡滞在制作2日目 6月14日

睡眠薬を家に忘れてしまったけど、快眠した。人の家にはまだ慣れないが、綺麗で快適な家でとてもよかった。しかし嫌な夢を見た気がする。いつも、嫌な夢は、見た気がするだ…

常住奈緒
1年前
9

豊岡滞在制作1日目 6月13日

「俳優が稽古につきあってくれたら脚本書けることに気づいた!」みたいなツイートをしたら、青年団の山田遥野ちゃんが「じゃあ、うちに泊まりにきて書きなよ!」と言ってく…

常住奈緒
1年前
12

2月8日 家族

家族の話を書いたら、別の家族から「家族の記述を消してくれないか」という要請がきたので消した。なんの権利があるんだ!と腹が立ち、衝動で記事自体消してしまったが、怒…

常住奈緒
2年前
8

2月6日 創作

ふつふつと煮えたぎるように、創作意欲が湧いている。 最近出会った人がつくっているものが、全て素晴らしかった。以前はそういう人に出会うと嫉妬して殺意まで抱いていた…

常住奈緒
2年前
12

短編 貧血

貧血 【登場人物】 彼氏 若者。外に出ても大丈夫そうな都会的な雰囲気がある部屋着の上に、上着を着たりマフラーを巻いたりしている。 彼女 若者。彼氏と同じような格好。…

常住奈緒
3年前
14

最終

映画館でジョーカーを見たあと作業するためにサイゼリアに入ろうと思って緑色の看板を目指して歩いて、着いた!と思ったらくら寿司だった。おそらくサイゼリアを求めすぎて…

常住奈緒
4年前
33

ここでせんたくしないでください。

今日は銭湯に行った。 「ここでせんたくしないでください。」という注意書きが浴場内に貼ってあった。 小さい頃は、銭湯内のこういう注意書きを見て「そんな変な人いるわ…

常住奈緒
4年前
40

10まん!

常住奈緒
4年前
13

今日も免れられない

6時間くらいで起きるつもりが、病院を予約していた時間の1時間前まで寝てしまった。今日行く病院は遠いからそれだと間に合わない。完全に寝坊である。

起きて、まず、ゲボ吐きそうになった。寝坊とゲボはセットだ。いつからだろう。いつからかセットになった。寝坊した日はゲボをやり過ごすことから始まる。

今回に関しては、寝る前に予防したのだ。目覚ましは数段階でセットしていたし、起きる時間だって、ちゃんと自分を

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超短編 寝る前

女と男、ベッドで横になっている。
(男、終始あしらうように)

女「ねえねえ」
男「なに?」
女「好きだよ」
男「俺も好き」
女「どれくらい好き?」
男「一番好き」
女「え、二番は誰?」
男「二番なんていないよ」
女「ほんとに?」
男「マコだけだよ」
女「元カノは?二番じゃないの?」
男「元カノのことなんかもう忘れたよ」
女「男は名前をつけて保存じゃないの?」
男「わかんない。俺男じゃないのかもし

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超短編 開演前

男、女(2人とも19歳くらい)が2人で開演前の客席に座っている。
女、当日パンフレットに落書きをしている。

女「描いた!どうかな?」
男「(笑って)いやいや。それは上手いって言われたい人の絵じゃん」
女「え?そう思ったなら上手いねって褒めればよくない?」
男「なんで相手の機嫌のためにわざわざ嘘つかなきゃいけないんですか?」
女「嘘つかない方が不誠実な場合ってあると思うんですよね」
男「田中さんっ

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8月2日近況

ハローハロー、こんにちわ。常住です。なんとかかんとか生きています。今はメンタルクリニックの受診待ちをしています。久しぶりに近況報告なんてしてみようと思います。

先週、華麗に2023年度2度目のクビを宣告され、給料日当日に職をなくすというプレーをしたわたしですが、なかなかどうして、あまり凹んでいません。当日さえ、先輩に深夜に半泣きで電話したりしましたが、私が働ける環境というのは限りがあります。私な

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演劇をやめる 私は続く

演劇をやめることは、私をやめることだとずっと思っていた。でも、私はより私であるために、演劇をやめようとしている。9年もの間『演劇公演』を続けた。脚本を書いては赤字を返済する日々も終わりだ。劇作は続けるし、演劇に出演することはあるかもしれないけど、人と関わって自団体で公演をつくるということは、よっぽどのことがない限り、もうしないと思う。それは、私の心のうちの、大きな『演劇』ゾーンがえぐられることであ

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小説『ビル』

「彼氏のちんこがね、大きくなったんよ」
朱音は胸まで伸びている茶色くて綺麗な髪をくるくるいじりながらそう呟いた。真昼間の喫茶店でする発言と声量でなかったので私は少したじろぎつつ、なるべく真顔で「良かったじゃん」と言った。
「いや、良くないよ。菜々が思ってるレベルじゃないんだよ」
店の出入口のドアが開き、扉の上部に取り付けられているスピーカーからカランコロンと音が鳴って客が三人入店した。全員男性でス

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豊岡滞在制作5日目 6月17日

夏バテと執筆が進まない焦燥感で体調を崩し、4日目の日記をサボってしまった。

泊めてくれている遥野ちゃんとりこちゃんに甘えすぎないよう、こちらでの生活を行っていきたいなと思う反面、体調面でうまくいかず、歯がゆい思いをする。

5日目の夜は4時間ほどしか眠れず、14時くらいまで布団に潜っていたと思う。夜に初稽古があった。

初稽古では、メンバーが皆集まり、現状の企画の共有と、具体的にどう作品制作をど

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豊岡滞在制作3日目 6月15日

夢で、空中空地のめちゃくちゃ面白い演劇をみた。しおまめと山本と板倉くんが出ていた。絶対に負けたくないなという気持ちになる。夢なのに。

起きた時には10時を過ぎていて、家からは人が出払っていた。士気が高まっているので、M-1グランプリの決勝進出者発表の動画を見て更にやる気をあげる。演劇も、これに優勝したら売れれる!みたいな賞レースがあればもっと戦い方がわかりやすいのにな、と、ぶーたれる。戯曲賞はな

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豊岡滞在制作2日目 6月14日

睡眠薬を家に忘れてしまったけど、快眠した。人の家にはまだ慣れないが、綺麗で快適な家でとてもよかった。しかし嫌な夢を見た気がする。いつも、嫌な夢は、見た気がするだけで、具体的な内容は思い出せない。思い出せなくてむしろいいのかもしれない。嫌な夢を忘れられる都合が良い頭でよかった。

遥野ちゃんの身支度の音で8時くらいに目が覚めた。謝られたけど、目覚まし時計で目を覚ますより100倍良い。遥野ちゃんは俳優

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豊岡滞在制作1日目 6月13日

「俳優が稽古につきあってくれたら脚本書けることに気づいた!」みたいなツイートをしたら、青年団の山田遥野ちゃんが「じゃあ、うちに泊まりにきて書きなよ!」と言ってくれた。

わたしは青年団には少し苦手意識があって、それはなぜかというと、無隣館(青年団の学校みたいなもの)に合格していたのに、当時体調不良で合宿参加がかなわず、不登校状態になっていた負い目があるからである。(青年団リンクになれる人生、さよう

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2月8日 家族

家族の話を書いたら、別の家族から「家族の記述を消してくれないか」という要請がきたので消した。なんの権利があるんだ!と腹が立ち、衝動で記事自体消してしまったが、怒りが鎮まったあと事情を聞こうと改めてLINEしたら、納得できる返信がきた。ムカムカする何があったとき、すぐに相手に伝えることは、やっぱり大事だ。返信をくれた家族のことも大事にしたい。そういえば誕生日プレゼントを渡さずじまいでいる。今からでも

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2月6日 創作

ふつふつと煮えたぎるように、創作意欲が湧いている。

最近出会った人がつくっているものが、全て素晴らしかった。以前はそういう人に出会うと嫉妬して殺意まで抱いていたけれど、純粋にエンタメとして楽しめた。成長している。

わたしは作れる。だから、作りたくなってしまう。
その欲求は、何に邪魔されても、自分に邪魔されても、大事な人に迷惑をかけても、失われることがない。大迷惑なことだ。人に迷惑をかけるのは、

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短編 貧血

貧血

【登場人物】
彼氏 若者。外に出ても大丈夫そうな都会的な雰囲気がある部屋着の上に、上着を着たりマフラーを巻いたりしている。
彼女 若者。彼氏と同じような格好。
女 20代半ば。今っぽい服装をしている。脱ぐのが難しい靴を履いている。
男 今部屋を出たばかりみたいな服。見た目怖め。

【情景】
部屋。ベッドがある。ベッド横にあるチェストの上には水パイプが置かれている。



彼女、玄関扉を開

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最終

映画館でジョーカーを見たあと作業するためにサイゼリアに入ろうと思って緑色の看板を目指して歩いて、着いた!と思ったらくら寿司だった。おそらくサイゼリアを求めすぎて幻覚をみたんだと思う。こういうことがありすぎて怖くなる。この前は家に向かって歩いてたら全然知らん住宅街にいた。私は出口に向かってなんとかなんとか歩いているつもりだけど、見えているアレが出口じゃなくてくら寿司だったらどうしよう?

昨日、ミス

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ここでせんたくしないでください。

ここでせんたくしないでください。

今日は銭湯に行った。

「ここでせんたくしないでください。」という注意書きが浴場内に貼ってあった。

小さい頃は、銭湯内のこういう注意書きを見て「そんな変な人いるわけないだろ」と思ってた。和式トイレとかに貼ってある『ダメなトイレの仕方』みたいなやつも同じで、まともなやつならまずこんなことしないだろと思っていた。

だけど、大人になってからの「ここでせんたくしないでください。」は痛烈に響いた。

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