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パンスの現実日記 2020.10.14
先日はとてもたくさんの方にご視聴頂き、感謝です。
10/29に1回目が予定されています。ぜひ、受講をご検討ください。
0回目のアーカイブもあります!
また、講座にあたり、自分の13歳~22歳までの「年表」を、アップしました。
自分で出しておいてとても恥ずかしくなってしまうのですが、それをおいてもこの作業はとても良い。自分の根元に降りていくような感覚があります。見返していると、年表に入れてな
10/11(日)より、美学校にてTVODのオンライン講座「ひとびとのサブカル体験史」がはじまります!
すでにTwitterなどで告知させて頂いておりますが、神保町・美学校にて、コメカとパンスのテキストユニットTVODが、「ひとびとのサブカル体験史」と題したオンライン連続講座を開講します!
【オンライン講座】ひとびとのサブカル体験史 TVOD(コメカ、パンス)+ゲスト講師
毎回ゲスト講師をお招きし、その方の個人的な文化体験を年表化していきます。そこで可視化される個人体験と、社会的・歴史的な状況・
パンスの現実日記 2020.10.5
東京の街をウロウロしているとつい居酒屋に入ってしまうのだけど、昨日は喫茶店でフレンチトーストを食べたりして、甘いものを食べるという選択肢も良いと気付いた。これだけ長いこと住んでいても、まだまだ出来ていないことがある。
日本の音楽のランキングを作ったり、あまり有名ではないけど評価したい盤などを紹介しているハッシュタグを見ていて、とても楽しい。なんとなく90年代の作品が多いと感じるのは、90年代に良
パンスの現実日記 2020.9.13
小林敏明『故郷喪失の時代』(文藝春秋)。2020年に刊行されたとはにわかに信じがたいオーセンティックな装丁がとても好み。「故郷」という観念を軸に、主に文芸作品を取り上げながら日本の近代史を探る。
「下妻物語」の隣町で育った、つまり田園とデカすぎるショッピングモールに象徴される90〜ゼロ年代初頭の田舎から東京に出てきた自分にとってはなかなか身につまされる一冊である。「故郷」とは、さまざまな表現の
パンスの現実日記 2020.8.16
この時期になると、戦中・戦後の様子を捉えた本をいろいろと手に取る。今年は長井勝一『「ガロ」編集長』(筑摩書房、1982年)を読み返していた。『ガロ』というのは、1964年に創刊されたマンガ雑誌で、いわゆる既存のマンガとは異なるアプローチの作品を旺盛に掲載して、雑な言い方になっちゃうけど「サブカル系」と呼ばれるようなジャンルの基盤を作った存在だ。すでに休刊してずいぶん経っているし、マンガのジャンル
もっとみるパンスの現実日記 2020.7.30
冬野梅子さんという方の「普通の人でいいのに!」という短編マンガが、Twitterで話題になっていたので読んでみた。「Twitterで話題になったマンガ」を見かけると、僕の悪いクセで、まずはTwitterの反応から読みたくなる。で上がっていたのが、主人公が自意識過剰かつ性悪で嫌だなあとか、自分を見ているようで辛くなる(けど面白い)といったものだった。そういうコメントがついて更に拡散されるというのも
もっとみるパンスの現実日記 2020.7.25
1990年代後半ごろ、「なぜ人を殺してはいけないのか」という命題について盛んに語られていた状況があった。TBSの「ニュース23」という番組での討論で、この質問をした高校生がいた、というのがきっかけとされている。少年犯罪がクローズアップされることが多かった時代で、彼らがなぜ凶行に走るのかという議論のなかで、この問いも投げかけられ、知識人たちを揺るがした。中学生だった僕もメディア上で指定される「少年
もっとみるパンスの現実日記 2020.7.19
昨日からか、なぜかタイムラインに「グリコ・森永事件」というワードが散見されるようになったので「どういうことだ」と思っていたら、「プラスティックごみが増えるので、お菓子の過剰包装をメーカーはやめてほしい」という高校生の署名活動が始まっていたのだった。それに対して、「お菓子の個包装はグリコ・森永事件での毒物混入を受け、対策として始まったものだ」と指摘する人が続々と出てきた、という流れだ。僕はこの事件
もっとみるパンスの現実日記 2020.7.13
中学から高校の頃は、毎日のように日記をつけていた。小学校入学時に買ってもらった「学習机」の、鍵がかけられるタイプの引き出しに入れて、溜まっていったノートが十数冊。上京してからずっと放ったらかしにしていたのだが、10年ほど前に実家が引越しをして、とくになんの連絡もないまま、学習机がまるまる処分されてしまった。「うわっ! あの日記どうなったんだ」と焦り、中のものとかはどうしたの、と聞いてみたら、段ボ
もっとみる今度こそうどん食おう 『MIU404』第2話 / コメカ
最近はまったく見なくなったが、以前はよく、「何か犯罪を犯してしまい、もう自分は社会に身の置き所がないと思い悩む」という筋書きの夢を見ていた。夢のなかでどんな犯罪を犯していたのか、そのディティールはまったく憶えていないのだが、社会から疎外される強烈な孤独感を感じたことが記憶に残っている。急にそのことを思い出したのは、星野源と綾野剛のW主演ドラマ、『MIU404』の第二話を観たからだ。
※以下作品の
「リアルタイム」と「タイムラグ」 / コメカ
インターネットは物理的な距離の問題を解消してくれる。ぼくが東京の西の方で書いているこの文章も、ネットを通して世界中様々な場所に届けることができる。現代では、紙に書いた文字やレコードに刻み付けた音楽を時間をかけて運び、距離を超えるための苦労を味わわずとも、受信者さえいれば遠くまで瞬間的に、表現や情報を届けることができる。かつてはラジオやテレビのようなタイプのメディアを管理する人々しか持ち得なかった権
もっとみるパンコメ対談20200117「『ポスト・サブカル 焼け跡派』発売直前です!」
パンス 『ポスト・サブカル焼け跡派』発売が近づいております!いろんな方に会うたびに、「もう本屋にある?」「まだ?」と問い合わせ頂けてうれしいです。そして分かりづらくてスミマセン。1/31に発売です!何卒宜しくお願いします〜。コメカ君はどうですか。発売に向けて所信表明など……。やっぱ年始だし、首相も所信表明するし。
コメカ 首相所信表明。「全力を尽してこの大任に当るかたい覚悟と決意」、岸信介(笑)
パンコメ対談20191231 M-1/ぺこぱ/「誰も傷つけない笑い」雑感
パンス 『ポスト・サブカル焼け跡派』発売も徐々に近付いてきましたね! パンコメ対談、今回アップ分が今年最後となります。12月もいろいろありましたが、なかでも印象的だったことなどありますか?
コメカ もうバタバタで既に記憶が朦朧としてるんだけども(笑)、とりあえずあれだ、M-1観たよ。メディア体験として(笑)。
パンス 僕はお笑いにあまり馴染みがなくて、いままでちゃんとチェックしていなかったんだ
パンコメ対談20191216 「あらためまして、TVODです」
コメカ ではでは、久しぶりのパンコメ対談です。ちょっとここんとこ対談記事はお休みしてたんですけども、TVOD初の書籍『ポスト・サブカル焼け跡派』発売に合わせて再開します。久しぶりなんで改めて自己紹介を。
パンス パンスです。ライターなどしつつ、ここ最近ずっとアジアのカルチャーにハマっており、ついこの間も韓国に行ってDJしてきました。そのレポートがこれからアップされる! 予定です! 早く書かないと
コメカの本屋日記 その1 2019/06/25
国分寺駅のそばで、自分の古本屋を始めた。これを書いている6月末の時点で、オープンからちょうど三ヶ月ほどになる。早春書店と名付けた7坪ほどの小さな店舗のなかで、日々仕事を続けている。
大学を卒業してから、新卒で入社した大手の新刊書店チェーンで、10年ほど仕事をした。本を読むのも本屋に行くのも、子どもの頃からもちろん好きだったけれど、就職するに当たって、「自分はこれから何が何でも、絶対に本屋として生
韓国映画と中国・香港の現在についてのメモ / パンス
チキンとビール(麦酒 - メクチュ)は、韓国でちょいと一杯やるときにもっともポピュラーな組み合わせだ。初めて旅行したときに、友人に案内された市場で食べて、こんなに美味いのかと驚いた。どうにも甘ったるさのある日本の唐揚げと異なり、韓国のチキンは酒に合わせてばっちりとセッティングされている、といった感じ。
Netflixで配信されているヨン・サンホ監督『サイコキネシス - 念力』(2018)は、そん