補助金を使わない地方零細企業は大損している
零細企業にとって補助金や助成金は心強い制度です。
補助金だけで生き残るゾンビのような企業を生んでしまうというデメリットもありますが、基本的には新しい挑戦をしたい企業の背中を押してくれるというメリットが大きいと思っています。
ところが、零細企業、特に地方の企業は補助金を活用していないケースが往々にしてあります。
私も独立したての頃は補助金や助成金などまったく頭にありませんでしたが、今思えばかなり勿体無いことをしました。
今では毎年並行して複数の補助金を活用していますが、今までの経験を通して言えるのは、地方の零細企業は補助金や助成金を使い倒すべきだということです。
地方は零細企業が使いやすい補助金が豊富である
地方で会社を経営して思うことは、零細企業に対する補助金や助成金が潤沢だということ。
弊社は山形県酒田市にあります。
私が初めて独立して登記したのは東京都渋谷区です。
この記事を書いている時点での、弊社がすぐ利用できる地方固有の補助金・助成金の数と上限額を、酒田市と渋谷区で比較してみました。
結果、酒田市では8個の補助金・助成金で上限額が315万円、渋谷区では2個で250万円となりました。
当たり前ですが、東京の補助金・助成金は潤沢であり、一つ一つの補助金額も大きいです。
したがって、補助事業に要する金額、つまり最初に企業が支払う投資金額も大きくなります。
そして、内容も設備投資や研究開発を対象としていることが多く、中堅企業や創業期のスタートアップの活用を想定しているように思います。
そういう意味では、企業の規模や業種、そしてどの地方かにもよりますが、地方の方が零細企業にとって使いやすい制度が豊富な印象があります。
以前新潟でも事業を展開していましたが、活用できる補助金の多さに驚いた記憶があります。
国の補助金よりもハードルが低い地方の補助金
補助金・助成金には国や各省庁などが取り仕切るものと、地方自治体や公共団体が実施するものがあります。
いままで補助金・助成金を活用してきた経験からいうと、地方の補助金は国の補助金よりもかなりハードルが低いです。
ここでいうハードルは採択される難易度ではなく、申請のための準備や補助事業を終えた後の実績報告の煩雑さ、および精神的な負担のことです。
よく補助金の相談を受けることがありますが、大抵の場合、国の補助金は準備が大変で諦めてしまう方が多いのが現状です。
また、国の補助金は交付決定までのステップが多く時間がかかるため、交付の決定まで心配に晒される時間が長く精神衛生上良くないということも言っておきたいです。
しかも、申請内容について重箱の隅を突くような修正を依頼されたり、修正依頼が来るたびに違う内容の指摘があったりするのです。
たとえば、弊社は昨年事業再構築補助金という国の補助金に採択されたが、3度も修正依頼があり交付が決定したのは交付申請から約3ヶ月後である。
国の補助金は予算も応募者も地方のものとは桁がちがうということを考慮しても、いささかお役所仕事感が強すぎてハラハラしてしまいます。
国の補助金と地方の補助金の採択率の違い
国の補助金と地方の補助金は採択率が大きく異なります。
たとえば、先ほど言及した国の補助金である事業再構築補助金の第11回(記事執筆時点で最新)の応募件数と採択数はそれぞれ9,207件と2,437件で、採択率は26%です。
弊社が直近で申請して採択された山形県のパワーアップ補助金という制度は、応募件数が296件、採択件数が190件で、採択率は64%です。
もちろん補助金の種類や申請するタイミングによりばらつきはありますが、押し並べてみると地方の補助金は採択率が高く、50%を超えることも多々あります。
国と地方を比べると、応募数が桁違いなのも去ることながら、あくまで仮説ですがやはり申請のハードルが高い国の補助金は申請時の事業計画書のレベルも高いのではないでしょうか。
そういった意味でも、まずハードルの低い地方の補助金で採択される体質をつくり、国の補助金にチャレンジしてみてもいいかもしれません。
やりたいことがあるなら、補助金を活用できるか考えてみる
兎にも角にも、チャレンジしてみたいことがあるならまずは補助金を活用できるか検討してみるべきだと思います。
たとえ数十万円の補助金だとしても、零細企業にとっては助かる金額です。
採択されたことによるデメリットは特にないので、積極的に申請することをおすすめします。
とはいえ、申請してもなかなか補助金を取れない人がいるのも事実なので、次回は私なりの補助金申請のコツをお伝えしたいと思います。
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