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補助金はストーリーで勝ち取れ① 〜採択される事業計画とは〜

先日、零細企業、特に地方の企業にとって補助金がいかに有用か、という記事をポストしました。

一方、申請してもなかなか採択されなかったり、申請自体の難易度のため諦めてしまう零細企業も少なくありません。

弊社は今まで多くの補助金に申請してきましたが、幸いにも9割以上の確率で採択されております。

補助金によっても異なりますが、公表されている採択率が2~5割程度であることを考えると、小さな企業の割にはなかなか奮闘しているのではないでしょうか。

なお、コンサルタントや行政書士に頼ったことは一度もありません。

基本的には自力で、時には地元の商工会議所に内容をチェックしてもらいながら、申請できる状態までブラッシュアップしています。

そんなこともあり、よく補助金申請のコツについて聞かれることがあります。

今回は過去の経験から学んだ、最も重要な事業計画書の書き方のコツをお伝えします。

事業計画書の構成

補助金によって多少違いはあれど、ほとんどの場合、事業計画書は下記のような構成での作成が求められます。

①自社の概要・補助事業の内容

②将来の展望

③投資計画

④収益計画

①自社の概要・補助事業の内容

まずは自社の概要、および補助事業の内容について書きます。

自社の概要は事業内容や事業のポートフォリオ、課題などについてです。

後ほど説明しますが、ここは一度しっかりしたものを作れば、他の補助金を申請する時にコピペすればOKです。

補助事業の内容は、補助金を使ってやりたいこと、その経緯、どんなところにチャンスがあるか、などを書いていきます。

②将来の展望

補助事業を実施することで、どのような結果をもたらすか、また補助事業を今後どうしていきたいか、などを記載します。

③投資計画

補助事業を実施するためにどのていどのお金がかかるか説明します。

④収益計画

先ほどの将来の展望が定性的な結果であるならば、こちらは定量的な予測値を記します。

私はいつも事業のキャッシュフローをつくり、投資金額の回収までに必要な期間と、その後の収益性について書いています。

この中で特に重要なのが、①自社の概要・補助事業の内容と②将来の展望です。

③投資計画と④収益計画は、投資に見合ったリターンがあるかどうかを見られるので、収益性があることを数字で示すことができればOKです。

その数字に説得力を持たせるためにも、①と②は客観的に見て納得感がある内容に仕上げなければいけません。

採択される時・されない時の違い

今まで採択された補助金とされなかった補助金の事業計画書を見返すと、決定的な違いがありました。

それは、①自社の概要・補助事業の内容と②将来の展望にストーリーがあるか、ということです。

ここでいうストーリーがあるとは、内容がドラマチックであるということではなく、自社分析、市場分析、補助事業の内容などの各要素が繋がりを持って語れているか、ということです。

小規模事業者持続化補助金を例にあげてみます。

弊社は今までに3回申請し、1回目は採択されず、2回目、3回目は採択されました。

それぞれ補助事業の内容は異なりますが、同じ補助金ですので不採択の1回目と採択された3回目を比較してみました。

ざっくりと内容をかいつまんでいますが、こうみると不採択になった計画は繋がりが悪く、採択された計画は一連の流れが繋がりストーリーとして理解できることがわかります。

不採択時の内容は、自社の課題として実店舗の売上が低下していることをあげて、パッケージのリニューアルを通したオンラインでの売上増大を補助事業として書きました。

実店舗の売上が下がっているからオンラインの売上を増やしたい、というのはなんとなく繋がりがあるように見えますが、市場分析と補助事業のつながりがありませんね。

一方、採択時の内容は、
(自社分析)実店舗が厳しいのでオンラインシフトを進めているが利益が出にくい

(市場分析)原材料費も高騰しており、ますます利益が出なくなっている

(自社分析)商品カタログがあれば既存顧客のリピートや口コミにより、低コストで顧客を獲得できる

(補助事業)商品カタログを作って、新たな顧客獲得の間口を設ける

というように、腹落ちしやすい流れになっています(今見ると、微妙な気もしますが)。

実際にどのようにストーリーを組み立て、事業計画書をつくっていくのかは次回説明したいと思います。

とにかく、補助金はストーリーを意識してつくるということを覚えていただければ幸いです。

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