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オタク語り

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私のDisenchanted⑥|「魔法」とは何だったのか

私のDisenchanted⑥|「魔法」とは何だったのか

モーガンの願いが叶えられ、ジゼルはその存在を保ち、ジゼルがモーガンへの想いを込めて用意したあの部屋のある家に戻ってくる。
ジゼルが存在できる、という意味から自動的にアンダレーシアの存在も回復するので、まさに元の世界に元通りにできた、というわけだ。

モーガンとジゼルは魔法を使った張本人なので、それまでの経緯を当然覚えているが、ロバートはへんな夢をみたと話す。

「魔法をつかった本人以外には、夢みた

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私のDisenchanted⑤|「愛」という強大なエネルギーの魔法

私のDisenchanted⑤|「愛」という強大なエネルギーの魔法

この強力な「思い出の魔法」については、はじめ「ん?」と引っかかってしまった。
なぜなら、前作では”この世で一番強い魔法”として語られるのは「真実の愛のキス」だったはずだ。
しかし、ちゃんとこの物語の中では、その「思い出(想い)」が真実の愛に通じるものだと描かれ、メインテーマ曲として、イディナ・メンゼルが歌い上げてくれる。

「愛」とはなんだろうか。
前作では「真実の愛のキス」と言うことで、恋愛感情

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私のDisenchanted④|『思い出の魔法』

私のDisenchanted④|『思い出の魔法』

『思い出の魔法』。

物語の後半、アンダレーシアに救いを求めに行ってと、正気を手放しかけるジゼルに託されたモーガン。
ナンシーとエドワードと共にモーガンが導く答えは
「ジゼルに本当の自分を思い出してもらうこと」
これは、実際その場で起きている出来事を解決する解答ではない。モーガンの望みなのだ。
幸い、それをヒントに「この状況を変えるだけの魔法の力が『思い出の魔法』ならば」とナンシーとエドワードが答

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私のDisenchanted③|"おとぎ話の世界"とは何か

私のDisenchanted③|"おとぎ話の世界"とは何か

おとぎ話の世界、とはどんな世界なのか。
『アンダレーシアのような世界』と一言で片づけ、いわゆるディズニーが長年描いてきた、夢と希望溢れる世界観を小馬鹿にしてはいけない。
いわば『物語の世界』ということは、登場人物たちはそれぞれ役割が与えられており、それに徹することこそが最大の役目。
モブはモブらしく、主人公は主人公らしく。与えられたレッテルに合わせて、いつまでも続く世界にいる。
多分おそらく、情報

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私のDisenchanted②|ジゼルとモーガン

私のDisenchanted②|ジゼルとモーガン

前作『魔法にかけられて』に続く2作目への「魔法が可能な世界」に関する取り扱いというか、私の一方的な解釈はこんな感じでした。
そうしてはじまる、続編。

ジゼルが、NYでの日常に慣れようと奔走したであろう時間は10年。
そのうえ思春期を迎えこの世界に慣れ親しんだ大人でさえも、心を削ってしまう”ティーンエイジャー”と関わることは、心を病んでしまいそうになったと言われても不思議ではなかった。
モーガンは

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私のDisenchanted|原題は「?」を忘れてる

私のDisenchanted|原題は「?」を忘れてる

この『魔法にかけられて』の続編制作の話を聞いてから、いったい何年待っただろう。そもそも、前作自体もかなり時間がかかった作品だと聞いたし、ただの創作活動でさえ難しい進行が、商業的な世界で確立するには途方もない力が必要だろうと、半ば諦めながらも待ち続けていた。

でもDisney+で公開されて早々に、私のフォローしていたDオタたちは口々に酷評を並べていたので「そんなひどかったんか…」とスクロールを速め

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『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』という【美】について

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』という【美】について

いろいろあって、タイトルと「手紙の代筆をする綺麗な京アニ作品」という少なすぎる情報のみでこの作品に手を出してみた。
そしたら自分にとって好みすぎる題材、ビジュアル、音楽…興奮のあまり、テキストにせざるを得ないので、書いてみる。

劇場版を見ようという話になったので、それならば先ずは1クールなら1日で余裕だよね、とNetflixでテレビシリーズを見始め、その日のうちに外伝まで見終えた。

噂通りの美

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『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』という【愛】について

『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』という【愛】について

まず、総合しての感想としては、そもそもの絵・映像のクオリティやサウンドデザインを考えると、ドルビー上映も抑えに行きたくなる映画だった。
ただ、個人的なインパクトととして、テレビシリーズへの衝撃が強すぎたのと、題材が劇場版への衝撃を和らげた気がする。
それでもちゃんと(?)がっつり泣いた。作品初見の同行者は照明が上がったらうなだれて泣いていた。

サンキュータツオさんは、この映画のストーリーを「シリ

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私のFrozenⅡ①|むかしむかし…

私のFrozenⅡ①|むかしむかし…

邦題「アナと雪の女王」、前作は世界中で大ヒット。子供たちは「レリゴーレリゴー」と歌い、大人も(アメリカ海軍兵さえ)登場人物が自由を手にし、真実の愛の新しい解釈を示す物語に感激しました。
そして、これまでのディズニーらしさは払拭され、王子はヒロインの王子様では無く悪役となり「真実の愛は恋愛にあらず」を打ち出しました。
メイキングフィルムでも語られるように、ディズニーは元ネタとなるアンデルセン童話「雪

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私のFrozenⅡ②|あの結末からみんなは…

私のFrozenⅡ②|あの結末からみんなは…

引き続き、アナ雪2のストーリーを辿りながら、チャチャ入れスタイルで私に見えた世界を記しています。

「いつまでも幸せに暮らしました」のその先
時は変わって、幼かった姉妹も大人になり、前作のハッピーエンドから平和な日々を送っているアレンデール国の様子が始まります。

相変わらず繊細な様子のエルサは、子守唄を思い出しながら、国の平和な様子を見つめていますが、不意に「声」を耳にします。自分にしか聞こえな

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私のFrozenⅡ③|冒険がはじまる

私のFrozenⅡ③|冒険がはじまる

いよいよ冒険の始まりとなります。(アナ雪Ⅱチャチャ入れ考察の①はこちら)

さあ、エルサが「声」に応えたことで、精霊たちが目を覚まします。
今まで姿さえ見せなかった、存在すらつかめなかった精霊たちがアレンデールの土地の水を止めて、風が吹き荒れ、火が消えます。そして大地が揺れ動きアレンデールの人々は崖の上へと避難します。
アレンデールの土地はそもそも、海の上に浮かんだ城下町までのようなので、そこから

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私のFrozenⅡ④|森ともうひとつの故郷

私のFrozenⅡ④|森ともうひとつの故郷

いよいよ冒険の重要なファクターとなる「閉ざされた森」について迫ります。

エルサと自然の関わり森の中を進むうち、精霊たちが攻撃?を仕掛けてきます。
とはいえ、個人的には攻撃ではなくちょっかいをかけているような、存在を訴えかけているように見えましたが。

風は枯れ葉を巻き上げ、竜巻になってエルサたちを捉えますが
エルサの魔法の力をみると案外すんなりと攻撃の手を止めてくれます。
その際、一体の空気を凍

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私のFrozenⅡ⑤|第五精霊とは

私のFrozenⅡ⑤|第五精霊とは

ここでいよいよ私のめんどくさい「オタクらしさ」が発揮されていきます。

エルサはノーサンドラの女性ハニーマレンから刺繍に描かれた意味を教わり、4つの精霊をつなぐ存在である第五精霊の存在を知ります。

ここで夜は北にいるはずの大地の精霊が現れます。
別に何か悪さをするわけではないのですが、イエレナの口ぶりから“異常なこと”のようです。
風、火、大地と精霊たちが終始自ら現れることから“エルサの存在”に

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私のFrozenⅡ⑥|恋は盲目

私のFrozenⅡ⑥|恋は盲目

前回はアツく語りましたが、今回も隠れポイントな描写のところにきました

周りの見えないクリストフ「Some Things Never Change」のシーンからずっとアナへプロポーズしたいクリストフ。
森の中にはいった時も、このキャンプに合流した時も彼はプロポーズのことしか考えていませんでした。
あまりにもアナ(と自分の関係)に囚われすぎてしまい、クリストフは周りが見えず遂にアナとエルサに「いない

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