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2018年8月の記事一覧

そこいらにいる人間なのだ

そこいらにいる人間なのだ

友人たちと11月に沖縄に行く話が持ち上がっていた。彼らとは昔々ちょっとした苦楽を共にした間柄だ。
今回は遊び兼合宿のようなもので、有志が1年前から企画をあたためてくれていた。

沖縄には行ったことがないので、この機会に行ってみたい、ひとりで前泊か後泊でもして沖縄を楽しんでもいいかなと思っていた。

もちろん久しぶりにみんなにも会いたい。……というのは嘘じゃないにしても、100%本音というわけでもな

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夏の明け方

夏の明け方

中二の夏休み、友達(女)と午前3時に待ち合わせするのが日課だった。
なにがきっかけだったのかも、待ち合わせてなにをしていたのかも記憶にない。
待ち合わせ場所にしていた橋に自転車で駆けつけ、その子と会えた瞬間だけしか覚えていない。
明け方になるまでどうでもいい話をしていたんだろう、たぶん。

とはいえ、寝ても寝ても寝たりない10代の子どものことだ。
ある晩、家を抜け出すためにセットしていた目覚ましが

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本気出したらバカを見る?

本気出したらバカを見る?

映画を観ながらこんなに笑ってるってこと、わたしはあまり経験ない。そういう意味でとっても面白い映画なんだけど、それと同時にあんたはどう生きるのか? ということを突き付けてくる映画でもある。

『カメラを止めるな!』

この映画には一組の家族が出てくる。
暴走しすぎてやりたいことをやめざるを得なかったお母さんに、情熱がありすぎて世の中と噛み合わない娘に対して、映画監督であるお父さんは迎合主義的だ。

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どこで食べるかはやっぱり大事だった

どこで食べるかはやっぱり大事だった

数年前、友人と日曜日の日本橋でお笑い系のライブを見に行ったことがあった。
ライブが終わったら一緒にご飯を食べることにしていたが、ライブの終了時間がわからず店の予約もできないので、近場でよさそうなところに入ろうということにしていた。

日曜日の夜9時近い日本橋は、閉まっている店が多かった。そのせいか、商業施設に入っている飲食店は軒並み満席だった。
ときどき食べに行っていた火鍋の店は開いていたが、わた

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多数派に負けない

多数派に負けない

大多数のひとがやっていることに違和感を覚え、なおかつそれを口にすることができるひとがいる。
たとえば、みんなが盛り上がっているのにそこに入っていけないとか、そもそも学校や会社になじめないとかいうことを、強がりでもなく、斜に構えているのでもなく、ただ自覚していることを隠さずにきちんと言語化できる能力のあるひとだ。

昔っからそういうひとのことをすごいと思っていた。正直で感性が鋭く、強さがある。そうい

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それをやっていて幸せか?

それをやっていて幸せか?

長編で、それほど暗い内容でなく、かつ読みやすそうな小説を読みたくて、地元の図書館に行った。

図書館によっては発売時の帯を表2に貼り付けてくれているところがあり、それだとだいたいどんな内容なのか検討がつくのだけど、ほとんどの図書館はそんなことはしない。わたしの住む区内では1軒の図書館しかそれをしていない(なんでそこだけそうしているのか謎だけど)。
だから、タイトルと作家だけで内容を想像するしかなく

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秋が来た、でもまだ来てない

秋が来た、でもまだ来てない

いつもは猫が起こされて、明け方に目が覚める。
だけど、今日は寒くて自ら目が覚めた。暑くて目が覚めたんじゃない。
猛暑でひーひー言ってたのが信じられない。
傍らには、うすっぺらくてサイズも小さい肌掛けしかない。
布団がほしい。タオルケットでもいい。だけど、それらは押入れの奥の奥にある。
しかたがないから、バスタオルをかけて身をちっちゃくしてそれにくるまる。
「立秋」ってこういうこと?

いつもは見な

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フェイスブックをお休みしてみた結果

フェイスブックをお休みしてみた結果

ある日突然「飽きた!」と激しく思い、フェイスブックを3カ月くらいお休みしている。メッセンジャーは使うけど、投稿や閲覧はしない。

よく言われるような、フェイスブックでの友人のリア充自慢が嫌でお休みしているわけではない。
友人が子どもとシャンシャンを見に上野に行こうが、熟年結婚して新婚旅行でハワイ豪華リゾートに行こうが、「いいねえ~」と、あたたかい眼差しで眺めているだけだ。

そんな投稿いちいちをリ

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正直なサービスってなんだろう

正直なサービスってなんだろう

昨日はお腹を壊し、一日なにも食べられなかった(わたしは腸があまりよろしくない)。
今日のお昼になってもお腹がすかなかったけれど、さすがに歩くのもつらくなってきて、なにか食べないとまずいでしょうと思い、出先でなにか食べることにした。

そうめんが無性に食べたかったけど、そうめんを出してくれそうな店があるとは思えなかったので(そうめんを外食したいときってどこに行けばいいんだろう)、チェーンのイタリア料

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甘い麦茶

甘い麦茶

幼稚園生だったころ、わたしは毎日ゆうちゃんの家に入り浸っていた。ゆうちゃんの家は、我が家から徒歩30秒のところにある、きちんと整理整頓されたこぢんまりとした家だった。
ゆうちゃんは、わたしより1つ歳下の女の子だ。

だけど、あんなに毎日ゆうちゃんと一緒に遊んでいたのに、なにをして遊んだのか、どんなことを話していたのか、今やまったく記憶にない。
覚えているのは、茶の間の片隅にお母さんが趣味で使ってい

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地味で無欲でなに考えてるかわからないらしいわたし

地味で無欲でなに考えてるかわからないらしいわたし

縁あってタロット占いをしてもらった。10分1000円ならいいかなというデフレ的考えもあって。

占ってくれたひとは、ユング心理学系のタロット占い師(そんなのあるのか?)らしい。
妙に不思議なことを言わない代わりに、ああ、ものすごく心理学っぽいなと思った。
というのは、言われたことが、この占い師がわたしをどう見ているかとイコールなんだなと思ったから。「相手が腕を組むしぐさをしたら、あなたは拒否られて

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