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「世界チャンピオンになったって、メダルを取ったって何にもならない」の本当の意味

このアカウントでも何回か触れているが、

「世界チャンピオンになったって、金メダルを取ったって何にもならない」

という話をよく聞く。マスメディアにはなかなか取り上げられないが、こういう言論は非常に多い。これはどういう意味だろうか?「心のスイッチを切って」この意味と仕組みを考えていきたい。

世界を目指すアスリート

前提として、そもそも多くのアスリートは「世界で結果を残す!」という目標を掲げて、日々練習に取り組んでいる。

そしてメダルを取ったり世界で活躍したのであれば、元々の「世界で結果を残す!」という目標は達成されている。

目標を達成しているし、それだけでなくメディアからも取材を受け、おそらく「良かったねー」「おめでとう!」といってもらえているだろう。目標を達成してメディアや自分が知らない人からも称賛されて名誉まで得られている状態である。

「何にもならない」の「何にも」が差すもの

それでも文句「世界で活躍したのに何にもならない」のような表現が出てくるのは、心のどこかで「世界で結果を残したのに、褒めてくれるだけ?」思っているからだろう。

こちらの記事でもまとめているが「アスリートがアルバイトをしているのか?それともフリーターが世界大会に出ているのか?」というのは表現が違うだけで、同じ状態を指している。

他の人から見たらスポーツ選手じゃなくて、ただのフリーターなんですよ。
ギャップ—というより、元の世界に戻ったという感覚が近いかな
メダルを取っても人生変わらず

要するに褒めてもらえるだけでなく、社会的地位が上がったり、年収が上がったりすることを暗に期待していた、ということが大きい。

スポーツ大会の仕組み

現状の特にメディアが取り上げるスポーツ大会の仕組みは、選手をひたすら競わせて見世物にする状態になっている。

古代ローマ時代では、この剣闘士は戦争捕虜や奴隷であったが、現代のアスリートでは、自ら志願してこの「剣闘士」になっている状態である。最もこのような社会構造を幼少期の物心がついた子供が知る由もない、というのはフェアではないように思う。

アスリートは引退すれば大半は30代・40代フリーター

アスリートは多くの場合、引退すれば30代・40代フリーターとなる。現状の日本の社会構造上こうなる可能性が高い。社会の構造上こうなりがちである。

いわゆる「普通のフリーター」なら、平たく言えば生まれてから多くは学校では大して活躍できず、就職しても希望の職には付けず、場合によっては「使えねぇなてめえ」とか年下の上司に言われて、こき使われるような状態になる可能性もある。

インタビューを受けるとしても目線入り・ボイスチェンジャーありで、仮名が通常だろう。

一方、一度でも世界で活躍したスポーツ選手はどうだろうか?インタビューを受けることが有っても「田中選手(仮名)、素晴らしい活躍でした!」と実名顔出しで全国放送でヒーローインタビューを受ける。これは結構な功績ではないだろうか。一瞬は輝いていたし、すがることが出来る過去の栄光があるだけ、「何にもならない」わけではないのではないだろうか?

目的に応じて目指す場所を変える

スポーツの語源は暇つぶし・余暇を意味するラテン語のデポルターレである。よって、一部の高度に興行化されたスポーツ以外を真剣にやるということは、生活に余裕が無い人が真剣に暇つぶしをしているのだから、そりゃもう余裕がなくなるのは目に見えている。メディアの宣伝などにより見えにくくなっているが仕組み的にはこのままである。

逆に言うと、名誉や達成感ではなく、収入や社会的地位が欲しいのであれば、それらが高い職やポジションにつくべきである。

これに関しては、世界はもっと露骨であるが、日本でも学歴や資格の影響は強い。

他にもスポーツで言えば、例えばカネが動きにくいスポーツや、一瞬だけ持ち上げられるオリンピックの日本代表ではなく、日本では興業化されている野球やサッカーの日本代表を目指せばよい。当然だが競争率もレベルも上がるのは間違いない。

タレントやコメンテーターはスポーツとは別理論

引退後のタレントやコメンテーターも、スポーツの実績よりも、キャラや容姿によるテレビ映え要素の方が強い。

要するに平たく言えば、見栄えのしない日本人世界チャンピオンよりも、世界大会には出たけれどそこまで活躍は出居なかったがキャラが面白い人、イケメン・美女等の方が利用価値が高い。

やはりスポーツ単体では厳しい。何か他の要素に加えて初めて、大きな効果を持つ。アマゾンのアドオンアイテムのお買い得のようである。

納得のいくキャリアを!

こういう仕組みは、おそらく大きくは変わらない。少なくとも今現役の世代のアスリートが現役の状態で変わることはないだろう。変わったとしても徐々に変わる程度である。

この記事でもそうだが、SNSの本格稼働によりどんどんと構造が明らかになっていっており、情報も集めやすくなっている。

もっと小さいころから、こういう構造を意識して、それでもスポーツに取り組みたかった場合に限り、真剣に取り組むようにすればよいのではないだろうか?

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