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ベトナムで役に立つ「人事」を考えるための勉強note

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私自身がベトナムで人事労務の支援業を行う立場として、人事や労務についての日々の学びや記事への感想などをここに記録して、成長に繋げたいな、という思いで作っているスペースです。
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記事一覧

人事評価制度への「過剰な期待」のリスク

人事評価制度への「過剰な期待」のリスク

日本やベトナムでいろいろな企業様の人事評価制度の作成のお手伝いをしていてずっと思ってきたことがあります。

それは

「人事評価制度を導入したからといって、目に見えて従業員のモチベーションが上がった、とは、ならないよなぁ、、、、

ということです。

逆に「パンドラの箱」ではないですけど、人事評価制度を導入する前より不満が吹き出しているケースすらあるよなぁ、、と。

もちろん、これは、あくまでも私

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ベトナムにおける「報・連・相」ちょっと考察

ベトナムにおける「報・連・相」ちょっと考察

先日、あるベトナム人の方から「報・連・相」の「報告」と「連絡」の違いはなんだ?と聞かれました。

なんか、20年近く前に人事の教育セクションで働いてた時に、その定義、勉強したなー、と思いつつ、調べてみると、結構、人によっていうことが違うんですよね。

最大公約数的にいうと

報告:与えられた特定のタスクについての進捗や状況を主に上司に伝える

連絡:報告よりも、もう少し日常業務的なことも伝える

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ベトナムで人事を行う上で1つ気を付けることを挙げてください、に対して

ベトナムで人事を行う上で1つ気を付けることを挙げてください、に対して

ベトナムの人事制度についてセミナーなどでお話しさせていただいて、その後の懇親会などでよく聞かれるのが、やはり、

「ベトナムで人事を行う上で気を付けることは何か?」

というご質問だと思います。

まぁ、これはあげるとキリがないですが、1つだけ言えと言われたら、いつも

「あなたの従業員が、あなたがその方に期待している成果が何で、それを実現するための手段(行動)はこれだ、ということを私が質問した時

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【ベトナムでの社内アンケート実施時のポイント】

【ベトナムでの社内アンケート実施時のポイント】

【ベトナムでの社内アンケート実施時のポイント】

ベトナム人事労務コンサルティングのアジアゲートベトナム代表の豊田英司です

昨今、従業員への人事施策を考える上で、ベトナムの日系企業でも「社内アンケート」を行う企業が増えています。

これは「人事評価への満足度」のような点数式のものと「このような手当が欲しい」といった具体的なアイデアを聞くものとに分かれます。

こういった社内アンケートを実施する際

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【不正問題に対する若手社員の内部告発の増加傾向について】

【不正問題に対する若手社員の内部告発の増加傾向について】

ベトナム人事労務コンサルティングのアジアゲートベトナム代表の豊田英司です

昨年来、ベトナムでは様々な不正問題が噴出しているのはご存知のところかと思います。

そんな中、最近、お客様から不正問題が発覚したというお知らせをいただいた際に、発覚した原因として

「若手従業員からの内部告発」

というキーワードが頻繁に出てくるようになったと感じます。

これは、別の記事で私が書いた、「ベトナムのZ世代(

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人事制度は組織のOS。経営課題に紐づく制度変革を─SmartHR人事制度改定プロジェクトの全容

人事制度は組織のOS。経営課題に紐づく制度変革を─SmartHR人事制度改定プロジェクトの全容

2024年1月、SmartHRでは人事制度の大幅なアップデートを行いました。
人事制度改定を担当したのは、2023年7月に発足した人事制度ユニット(2024年1月より人事制度部)。約半年をかけたプロジェクトを牽引してきた斎藤優衣さんと、人事管理本部を率いる豊田聡さんにその全容を聞きました。

人事制度、こう変わりました(2024年1月〜)─まずは今回、人事制度がどう変わったのかを簡単に教えてくださ

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素人が1週間で人事制度をつくってから、かれこれ4年経ったので振り返ってみる

素人が1週間で人事制度をつくってから、かれこれ4年経ったので振り返ってみる

スタディプラスに入社してちょうど1年が経とうとしていた2018年末の正月に、私は人事制度を作っていました。

当時の私は、取締役CFO兼管理部長という立場でコーポレート全般を管掌していましたが、人事が私の管掌領域なのか曖昧だった気がします。
他にいないから私だろうと思いつつも、それまで人事の経験などなく、何をどうしていいか分からない状態でした。
そんな私が、正月の1週間で作ったのが今の人事制度です

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【「労働生産性」についての誤解】

【「労働生産性」についての誤解】

ベトナム人事労務コンサルティングのアジアゲートベトナム代表の豊田英司です

ベトナムにおいて、「周辺諸国に比べて労働生産性が低い」ということが話題になることがあります。

(参考記事)ベトナムの労働生産性、日本の4分の1・シンガポールの10分の1 統計総局報告

これをもって、「あれ?ベトナム人てそんなに働かないの?」とか「ん?手先が器用なんじゃなかったっけ?」というようなことを言う方がいます。

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ベトナム商工会様で「ベトナムの人事評価制度の基礎」講演をさせていただきました。

ベトナム商工会様で「ベトナムの人事評価制度の基礎」講演をさせていただきました。

2024年2月6日(火)19時よりハノイ市内にありますHotel du Parcにて
日本商工会議所(JCCI)ハノイ支部・工業東部会にて、

「ベトナムの人事評価制度の基礎」

というタイトルで1時間ほどお話しさせていただきました。

当日はテト休日の直前にも関わらず40社弱のご参加をいただき、とても嬉しかったです。

(資料の一部です)

ちょっと、内容を盛り込みすぎて、早口になってしまったと

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みんなで考えるベトナム人事マネジメント 第92回:経営参画意識を高めて、離職を防ぎましょう

みんなで考えるベトナム人事マネジメント 第92回:経営参画意識を高めて、離職を防ぎましょう

こんにちは。ベトナム人事労務コンサルティングのアジアゲートベトナム代表の豊田英司です。

 ベトナムでは概ね2月前半〜中旬にかけて、旧正月である「テト休暇」となり、国中、お祝いムードとなります。

一方で、この「テト休暇」が終わった後から、4月くらいまでが、ベトナムの転職のラッシュ期間となります。

これにはいくつか理由がありますが、主要な理由としては





と、いうようなことが考えら

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【事務職まで無理して業績目標設定しなくてもいいですよ、という話】

【事務職まで無理して業績目標設定しなくてもいいですよ、という話】

【事務職まで無理して業績目標設定しなくてもいいですよ、という話】

ベトナム人事労務コンサルティングのアジアゲートベトナム代表の豊田英司です

先日、商工会の工業部会で「人事評価制度の基本」というお話をさせていただきました時、

「事務職(経理や人事総務)の業績目標(=MBO)設定が難しい」

という質問をいただきました。

これは人事評価制度に関わる最大の「あるある質問」の1つと言っていいと思い

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【結局、人事評価の基本の基本は「”成果とプロセス”を”質・量・期間”で分析する」こと】だと思う、というお話

【結局、人事評価の基本の基本は「”成果とプロセス”を”質・量・期間”で分析する」こと】だと思う、というお話

【結局、人事評価の基本の基本は「”成果とプロセス”を”質・量・期間”で分析する」こと】

ベトナム人事労務コンサルティングのアジアゲートベトナム代表の豊田英司です

ベトナムでは毎年1月から給与改定を行う会社が大半なのはご存知の通りです。

が、実際にそれが給与として支給されるのは2月初旬の給与支払日、ということで、1月のこの時期が「ラストチャンス」という感じになります。

そして、毎年、この時期

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【ベトナムでは「和顔愛語」で接しましょう】

【ベトナムでは「和顔愛語」で接しましょう】

ベトナム人事労務コンサルティングのアジアゲートベトナム代表の豊田英司です

みなさん、和顔愛語(わげん(わがん)あいご)という言葉をご存知ですか?

「和顔」はやわらかな顔、「愛語」はやさしい言葉。

これは、仏教の経典の中に出てくる言葉で、お金や物がなくても誰にでもできる施し、「無財の七施し」の中で、

「やさしい言葉で相手に接する」

「善意に満ちた和やかな顔と明るい姿で相手に接する」

とし

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