記事一覧
とうめい 担当:かわかみなおこ
とんでもない話だが、まずは、右手が消えた。
朝ベッドからむくりと起きあがり、そのまま洗面台へ向かい顔を洗おうとした。洗顔フォームに手を伸ばすと、袖から先にわたしの手はなかった。
しかし洗顔フォームのチューブを掴むことはできる。
そして、目の前で洗顔フォームは浮き上がったように見えた。
そうか消えたのではなく透明になったのだ、と寝ぼけた頭で気づき、一度ベッドに戻った。幸い今日は土曜で予定もない。
ティーバック 担当:はおまりこ
「ティーバックのさ、あの紐の所あるじゃん」
「ええ…?!う…うん。」
「あれ、なんであんなに切れるんだろうね」
「切れる…の?ほどけるんじゃなくて?」
「ほどける?…ああ〜〜たしかにほどけるタイプもあるね。ほどけるのもほどけるのでなんかボロボロになるし、しかもすぐ茶色くなってヤダよね〜。」
「ちゃいろ…?…って!!ええええええ、そういうのまじで言わない方がいいよ?!」
「え?ならない?なるよね?」
ショッピングモール 担当:寺橋佳央
改札口へ向かうと、甘い香りが漂ってきた。美味しそうな甘い香り。何の香りだろう。
甘い香りを嗅ぎながら改札を抜け、出口へ向かうと朝の光に照らされたショッピングモールが見えてくる。ショッピングモールの広場には消防車が停まっている。少し不安な気持ちで広場を覗き込むと、どうやら防災訓練の準備をしているようだった。消防車の周りではしゃぐ子供たち。そして甘い香り。私はこの街は良い街だなと思った。
これは、私