【掌編小説】無意味な人生と色鉛筆
鳥になって空を飛びたいとか、魚になって海を泳ぎたいとか、そんなキレイな夢を見なくなってから数十年が経った。
今の願いはただただ、休みがほしい。
三連休……いや、二連休でも良いからゆっくり体を休めたい。
そんな事は夢のまた夢で、定年退職する年齢まで、まだまだ時間がある。
年々時間が早く感じるようになったとは言え、定年退職は遥か彼方だ。そもそも定年退職出来るだろうか? そして、その後の生活は大丈夫なんだろうか?
悩みの種は尽きない。やり甲斐も使命感も無い日常を、死に向