文芸誌「watshi」

“女の子による女の子のための文芸誌” 小説・詩・短歌・川柳・俳句・エッセイなどの文芸は…

文芸誌「watshi」

“女の子による女の子のための文芸誌” 小説・詩・短歌・川柳・俳句・エッセイなどの文芸はもちろん、イラストや音楽などのカルチャーも集まる場所です。ご連絡先→林やはhayashiyaha48@gmail.com https://lit.link/watshiwatshi

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文芸誌「watshi」を発行します

文芸誌「watshi」(読み:わたし)について 文芸誌「watshi」は“女の子による女の子のための文芸誌”をテーマに、わたしという決して一言では語りきれない尊い存在を表現し…

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林やは「眠れる休日」

かなしみ、と砂漠できみが眠りつく 沈みゆく防波堤からの望遠 山羊たちの性愛は前世にもなる はだかになっておどろうよ、の休日 あの死骸あの恒星に送るまで 翅のある…

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溢水「౨ৎ 333 ౨ৎ」

 手首に引いた線が、薄すぎたのか、リボンのように見えた。バイトもきっと限られる、腕も捲れない。でもそんなことは、どうでもいいだけだった。  *  かわいいものだ…

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たまり「ラブレター」

人が死ぬ、ということ、骨になる、ということ。 あなたは燃えて、骨になる。私が見ているあなたは永遠ではなかった。ずっと、一生、が仮初の祈りだったこと、あなたは知っ…

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大海明日香「どうせハッピーエンド」

付けられた値札を薪にワンデーの心臓ぱちぱち燃えるのを見てる 生命線無駄に長くて何年か分をまつげと引き換えてほしい 脱ぎ捨てた下着の形で占ってこのままでしあわせに…

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私「春へ」

 わたしが、なりたくて、なれなかったもの。ピンク色の主人公、お花屋さん、パティシエ、少女漫画のヒロイン、チア部、アイドル、あの子、魔法少女、チア部のあの子、トイ…

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一閃藍「星屑すくい」

あの子がピンクでわたしは水色。
本当はピンクがよかったのに、それでも自ら水色を選んじゃうような捻れ方も、その指先でかわいいかたちに括ってもらえるだろうか。 祈る…

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林やは「ツイン」

ぼくたちは、なにものでもなく、果たしあい、きみは現象として双子になって、純水の流れをつくりだす、いのちは、ふれられる、さわりごこちは、なんどでも、生きることでは…

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同人紹介⑦私

文芸誌「watshi」同人 私小説を書きます。 "あこがれ"をテーマにした文学ユニット「エレクトロ・ウィッチ」に所属、活動中。 経歴 2022年 ・第三十四回文学フリマ東京に…

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同人紹介⑥たまり

文芸誌「watshi」同人 たまりはじめまして、たまりです。普段着の言葉で詩のような、お話のようなものを書いています。こういった場に自分の書いたものを載せていただく、…

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同人紹介⑤大海明日香

文芸誌「watshi」同人 大海明日香1996年生まれ、東京都在住。 “愛と生と性とふしぎ”をモチーフに詩を書いたり短歌を詠んだり、それを朗読したりしているひと。あなたの…

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同人紹介④溢水

文芸誌「watshi」同人 溢水溢水です。さらさらと流れる笹の葉をクロールしながら避ける日々。言葉を通じて出会えるすべてのあなたを抱きしめることが生き甲斐にしています…

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同人紹介③一閃藍

文芸誌「watshi」同人 一閃藍2004年のうるう日生まれ。ひとつの昇華のかたちとして、詩や短歌、エッセイを書いています。光は影と、影は光とあわせて好きです。現在は武蔵…

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同人紹介②輝輔

文芸誌「watshi」編集者・専任イラストレーター・同人 輝輔絵や詩を書いてSNSで公開している。 X @gv_vn8(https://twitter.com/gv_vn8) Instagram @gv_vn88(https://www.

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同人紹介①林やは

文芸誌「watshi」編集・発行者・同人 林やは詩を書くひと。1999年生。愛知県在住。 文芸誌「watshi」編集・発行者。 詩のアーティストコレクティヴ“roema”主宰 「川柳ス…

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文芸誌「watshi」を発行します



文芸誌「watshi」(読み:わたし)について
文芸誌「watshi」は“女の子による女の子のための文芸誌”をテーマに、わたしという決して一言では語りきれない尊い存在を表現し、読者へ届けることで、すこしでも生活の光になることを目的としています。

小説・詩・短歌・川柳・俳句・エッセイなどの文芸はもちろん、イラストや音楽などのカルチャーも集まる場所にしてく予定です。そのため同人メンバーだけでなく

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林やは「眠れる休日」

かなしみ、と砂漠できみが眠りつく

沈みゆく防波堤からの望遠

山羊たちの性愛は前世にもなる

はだかになっておどろうよ、の休日

あの死骸あの恒星に送るまで

翅のある馬になりたいペガサスは

凍った桃でつくる人類

蜜蜂と楽園で刺されるひとみ

浴槽で天使が流れあたたかい

観葉植物とともにファミレスへ

溢水「౨ৎ 333 ౨ৎ」

 手首に引いた線が、薄すぎたのか、リボンのように見えた。バイトもきっと限られる、腕も捲れない。でもそんなことは、どうでもいいだけだった。

 *

 かわいいものだけを散らかしたような部屋に、ただひとりで座っている。さいきんはなんだか、常に薄っすらとした眠気に覆われている。たぶん4週間ぶりの休みだった。眠って、2時間ほど起きて、水色の吹き出し、連絡を返してまた眠る。堕落していた。もう落ちる場所もな

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たまり「ラブレター」

人が死ぬ、ということ、骨になる、ということ。

あなたは燃えて、骨になる。私が見ているあなたは永遠ではなかった。ずっと、一生、が仮初の祈りだったこと、あなたは知っていたんだね。穏やかな顔も柔らかな肌も、ただの燃料で、熱い炎の中で溶けてしまう。まっしろで、無機質で、美しくもろい雪のような骨。それはお気に入りのぬいぐるみに似ていた。あいしているのに、隣にいるのに、何も届かない。私だけがあいに、あたたか

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大海明日香「どうせハッピーエンド」

付けられた値札を薪にワンデーの心臓ぱちぱち燃えるのを見てる

生命線無駄に長くて何年か分をまつげと引き換えてほしい

脱ぎ捨てた下着の形で占ってこのままでしあわせになれますか

日曜は(わたしのお腹の中にある暗く小さな)海へ行きます

ゆうれいを信じることにしています愛といっしょで目に見えないし

空なんて飛びたくない日ナプキンの羽を折るたび重くなる孤独

空腹はさみしいに似てるからきらい着れない

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私「春へ」

 わたしが、なりたくて、なれなかったもの。ピンク色の主人公、お花屋さん、パティシエ、少女漫画のヒロイン、チア部、アイドル、あの子、魔法少女、チア部のあの子、トイレの鏡の前のあの子、教室の窓辺でねむそうなあの子、花束を手渡されるあの子、いつか愛され幸せになれるあの子、うん、愛されて居たかった。わたしも。ノートからふと顔をあげる。息をする。「あなたも?」
「あなたも、そういうの、あるでしょう。べつに自

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一閃藍「星屑すくい」

あの子がピンクでわたしは水色。
本当はピンクがよかったのに、それでも自ら水色を選んじゃうような捻れ方も、その指先でかわいいかたちに括ってもらえるだろうか。

祈るみたいに掬ったラメを瞼の上に散りばめて、手のひらの生命線を延長させるみたいに引くアイライン。ひかりの下でわたしの瞼がきらめいた時、かみさまに、あなたに、わたしの葬った祈りが届いたんだと思えるその瞬きが、わたしを完ペキなにせものの夜空に仕立

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林やは「ツイン」

ぼくたちは、なにものでもなく、果たしあい、きみは現象として双子になって、純水の流れをつくりだす、いのちは、ふれられる、さわりごこちは、なんどでも、生きることではないよ、そっと、生きていく、(もっと、深層にきて? あなたはぼくたちを、愛するべきだ、そして、愛さないことが、もっともだ、いまに、)生きている、

ゆるぎがほしい、たいせつな生活に、ただしい目眩がある、狂う、ということ、濁流、はね、そのおと

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同人紹介⑦私

文芸誌「watshi」同人

私小説を書きます。
"あこがれ"をテーマにした文学ユニット「エレクトロ・ウィッチ」に所属、活動中。

経歴
2022年
・第三十四回文学フリマ東京に「エレクトロ・ウィッチ」として出店、合同誌『あなたのことが以下略』に寄稿
・文学フリマ東京35に同じく出店、合同誌『夢想海岸』に寄稿
2023年
・文学フリマ東京36に同じく出店、合同誌『魔女になるための三つの方法』に寄稿

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同人紹介⑥たまり

文芸誌「watshi」同人

たまりはじめまして、たまりです。普段着の言葉で詩のような、お話のようなものを書いています。こういった場に自分の書いたものを載せていただく、ということが初めてなので、とてもどきどきしています。よろしくお願いします。

X(Twitter)
@ta_ma_ri_ss(https://twitter.com/ta_ma_ri_ss)

同人紹介⑤大海明日香

文芸誌「watshi」同人

大海明日香1996年生まれ、東京都在住。
“愛と生と性とふしぎ”をモチーフに詩を書いたり短歌を詠んだり、それを朗読したりしているひと。あなたの“大丈夫”の光のひとつになるのが夢です。

▼掲載歴など
・詩『魚になれない僕たちは』 詩とファンタジーNo.35
・詩『つみびとたちのまち』 ココア共和国2021年5月号傑作集
・詩『うちゅういちぶきよう』 ココア共和国202

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同人紹介④溢水

文芸誌「watshi」同人

溢水溢水です。さらさらと流れる笹の葉をクロールしながら避ける日々。言葉を通じて出会えるすべてのあなたを抱きしめることが生き甲斐にしています。小説、詩、エッセイ。どんな手を使ってでも、きみに触れたい。ここで出会えてよかった。また見つけてもらえますように。

経歴
・文芸思潮新人賞第二回 佳作『imu2』
・文芸思潮新人賞第三回 佳作『じりじり』

リンク
・X
@iss

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同人紹介③一閃藍

文芸誌「watshi」同人

一閃藍2004年のうるう日生まれ。ひとつの昇華のかたちとして、詩や短歌、エッセイを書いています。光は影と、影は光とあわせて好きです。現在は武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科に在学しつつ、ことばの姿勢から生まれるグラフィックについて模索中。

経歴
2021年 noteにてエッセイの投稿を開始
2022年 武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科入学

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同人紹介②輝輔

文芸誌「watshi」編集者・専任イラストレーター・同人

輝輔絵や詩を書いてSNSで公開している。

X
@gv_vn8(https://twitter.com/gv_vn8)
Instagram
@gv_vn88(https://www.instagram.com/gv_vn88)

2023年 点滅社「漫画選集ザジ」、「鬱の本」掲載

同人紹介①林やは

文芸誌「watshi」編集・発行者・同人

林やは詩を書くひと。1999年生。愛知県在住。
文芸誌「watshi」編集・発行者。
詩のアーティストコレクティヴ“roema”主宰
「川柳スパイラル」会員。

経歴
2021年〜   「ユリイカ」入選・佳作。
       「季刊びーぐる」入選。
       「現代詩手帖」佳作。
       「月刊望星」佳作・選外佳作。など
2023年5月  

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