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曇天をゆく ~ロンドンまちあるき~

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都市計画を学ぶ者にとって、ロンドンは特別な街です。それはロンドンが史上初めて「都市問題」に直面した街であり、「都市計画」が生まれた場所だから。現在でも森記念財団の世界都市ランキン… もっと読む
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【曇天をゆく4】Tower Hamletsのバングラデシュ系コミュニティと多文化都市ロンドン ~ロンドンまちあるき~

【曇天をゆく4】Tower Hamletsのバングラデシュ系コミュニティと多文化都市ロンドン ~ロンドンまちあるき~

ロンドンに来て2か月余り、東京と最も異なっていると感じるのはその民族的多様性です。私の住んでいるエリアは学生が多いこともあり、街を歩いていても東アジア系、南アジア系、アフリカ系が多く、所謂白人のイギリス人の方が圧倒的に少数派だと感じます。実際に2011年の国勢調査では、ロンドンの人口のうち"White British"は44.9%のみであり、18.5%をアジア系、14.9%を他の白人、13.3%を

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【曇天をゆく3】中流階級の理想郷を目指したBarbican Estate ~ロンドンまちあるき~

【曇天をゆく3】中流階級の理想郷を目指したBarbican Estate ~ロンドンまちあるき~

こんにちは。ロンドンは少しずつ寒気が増し、霧が出るようになってきました。さて、「曇天をゆく」第3弾は、ロンドン中心部のシティに位置する大規模団地、Barbican Estateを紹介します。世界中で急速に郊外化が進んだ第二次世界大戦後の時代、都心に中流階級の理想郷を作るという信念をもって建てられたこの団地は、そのモダニズムすぎる建築と優れたコミュニティづくりで人々を惹きつけ続け、今やその平均価格は

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【曇天をゆく2】再開発の優等生!?生まれ変わったKing's Cross ~ロンドンまちあるき~

【曇天をゆく2】再開発の優等生!?生まれ変わったKing's Cross ~ロンドンまちあるき~

ハリーポッターにおいてホグワーツ特急が発車する9¾番線で知られるKing's Cross駅。「曇天をゆく」第2弾の舞台は、そのKing's Cross駅のすぐ北に位置する、線路で囲まれた約27万㎡の敷地です。現在Google, Meta, ガーディアン紙などがオフィスを構えるこのエリアは、四半世紀前にはナイトクラブが繫栄し犯罪が後を絶たない超危険エリアでした。ハリーポッターに負けず劣らずのドラマチ

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【曇天をゆく1】Hackney Centralとジェントリフィケーション ~ロンドンまちあるき~

【曇天をゆく1】Hackney Centralとジェントリフィケーション ~ロンドンまちあるき~

こんにちは。都市計画を学ぶ者にとって、ロンドンは特別な街です。それはロンドンが史上初めて「都市問題」に直面した街であり、「都市計画」が生まれた場所だから。現在でも森記念財団の世界都市ランキングで1位に君臨するこの都市は、世界的な政治・経済・文化の中心地であり、新しい都市政策や都市運動を生み出し続けています。
この連載では「曇天をゆく」と題し、ロンドンの中でも特に興味深いエリアを紹介していきます。世

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