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生権力と現代社会 錯綜した理念

錯綜した記述になることを最初にお断りしておく。錯綜させられている主体の在り方の断面としての批評と一先ず言えましょう。

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    • メディア非対称戦争 戦争の視覚的恐怖

      想定外、辞書を引くと事前に予想した範囲を越えていること。とされている。この範囲を超える、人の予想を超える出来事、想定外が10年来のマスメディアを介して伝えられる機会が多くなった。英語ではbeyond expectations。フランス語ではau-delà des attentes。想定外、別の謂い方だと人知を超えたと表現される。人間へ相対的に記すと人間主義への絶対的な信頼が想定する主体なるものが現実の自明の理とされる現実社会は強固に人間を信頼している。信頼が人知を超えた出来事

      • 人文的なるものの不可能性の隘路

        先月に発売され一部で話題沸騰中の論壇誌であり学生運動から派生した背景を持つ『情況』の最新号はキャンセルカルチャーだ、スガ秀実、笠井潔、外山恒一など異才を放つ批評家または革命家らが刺激的なインタビュー&論考で誌面を賑わせている。Amazonの人文系雑誌部門で1位獲得らしい、俄かに信じ難い事実。第四波フェミニズムが隆盛らしい、きっかけは2017年の#metoo運動。先に上げた『情況』に掲載されたスガ秀実の批評「第四波を犬掻きする」は第四波の流れの問題点を的確に整理しながらも規律的

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        • 写真という表現 安逸もしくは軽度なる主体

          写真を撮ることは誰にでもできる平等に誰でも社会的階級に関係なく写真をいつでも自由に撮ることができる、料理、服装、風景、自分自身etc。カメラのシャッターボタンを押せば瞬時に大概写真は完成する。スマホとInstagramの普及で更に写真の表現も曖昧になりつつある、写真家や写真作家といわれる表現者達。言葉で意思伝達することが、円滑にできない。世の中にはそのような人々がいる。写真表現を行っている人々は自作に対して饒舌ではない、寧ろ言葉への引きがある。沖縄出身の石川竜一を例に上げると

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          凡庸さについて 試論として

          哲学者ハンナ・アーレントは第二次世界大戦後、ナチス戦犯であるアドルフ・アイヒマンを裁くアイヒマン裁判を傍聴し、アイヒマンという人物について凡庸な役人気質の単調なルーティンワークから生み出される事なかれ主義の弊害が強大な国家的犯罪を前に自分も仕事に対する疑問を持ちえない状況を悪の凡庸さと概念を剔出。社会で生きることは絶えず凡庸さとの折り合いが必要になると私は考える。現代の日本人は自分で決められない人が多くいる、判断を先送り、人任せ、責任逃れ、責任の所在が不明瞭。その根幹には平均

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          凡庸さについて 試論として

          停滞気味、今月こそはいろいろ書きます。

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          今年noteデビューしたが、ある時期から停滞気味になった。来年は週一で投稿しようと思う。書きかけの記事がたくさんあるなぁ。年末年始にまとめて投稿予定

          今年noteデビューしたが、ある時期から停滞気味になった。来年は週一で投稿しようと思う。書きかけの記事がたくさんあるなぁ。年末年始にまとめて投稿予定

          少し前に読んだ建築の本

          五十嵐太郎著『モダニズム崩壊後の建築 1968年以後の転回と思想』(青土社)を読んだ、著者の五十嵐太郎氏は建築批評家で建築史家で工学博士でもある人物。モダニズム建築が齎した都市計画は1968年に世界で起きた学生運動以後に批判的検討が加えられ、ポストモダニズム建築へと流れていく。そうした論を展開しているのが本書、建築を専門的学んでいないワタクシは元々、現代思想的繋がりから柄谷行人の名著『隠喩としての建築』を読んで建築家の磯崎新への興味を持ち現代建築関連の本を読むようになった。

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          少し前に読んだ建築の本

          歩行者の権利と当事者不在のまちづくり

          那覇市の街を歩くと車道と歩道の道幅の狭さを感じる、路地なら歩道すらなく車道の脇を歩かなくてはならない。那覇市内だけでなく日本全体で広げて考え見ると車優先社会で歩行する人を考えたまちづくりがなされていない現状がある。数年前から報じられている買い物難民がなぜ現れるのかと言えば、高齢者や障害を持った人が歩きやすい工夫が街になされていないからだ、買い物難民という面白可笑しくしたいような、形容詞で捉えるのではなく、もっと深刻にこの問題を行政も市民も公共政策の研究者/専門家も考えるべきだ

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          ドキュメンタリー映画の観賞について

          いつまでたっても映画を観る側のリテラシーの向上とは程遠い感じる昨今の映画視聴状況、観るという受動性から客体的主観意志で映画を観る層が増えれば着実に映画を観る行為に一定数の変化は起きることは間違いない。受動的意志だけではドキュメンタリー映画は観賞できない。作り手の意図や撮影技法まで客観的に俯瞰して観ないと認識できない。受け身的な受動的意志だけで映画に没入する行為自体、映画との距離感を保つことに意識的ではない観る側の無自覚さの現れと指摘できる。

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          映画を観るとき視線と把握すること

          瞬きもせずに映画を直視するのは無理だ、瞬きは一度ぐらいはするはず。映画を観る最中、ワタクシは映画全体を把握しながら観賞している。映画という映像表現は全体を把握しながら距離を保ち情動性への回避を心掛けるべきではないかと思う。視線が一点集中してしまう傾向にある人は全体性への客観性が希薄かもしれない。街を歩く人の多くはすれ違う人を視ていない、視線が定まらなく、視野の外側に他者が常に存在していて、その外側の他者が何事かのアクシデントが発生すると視点の内側の存在になる。視点で人を把握す

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          映画を観るとき視線と把握すること

          運び屋観て群れ想起

          クリント・イーストウッド監督&主演の新作『運び屋』を3月に観賞。内容自体は取り立てて観るべき価値もない。1977年のイーストウッド監督&主演『ガントレット』の老人版だ。老いを晒し映画を撮ることのみに於いて新作『運び屋』は辛うじてイーストウッドの映画足りえている。

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          芸術新潮 4月号

          梅原猛の追悼特集。西欧哲学を学び東洋へ哲学を傾斜し深めた巨人。芸術新潮らしくビジュアルは充実。文章は少々。梅原猛の遺稿が掲載されていて一読の価値はある。人類社会の先を常に見添えていた巨人の言葉は重く日々生活構造に拘束された現代人に重くのしかかる。

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          芸術新潮 4月号

          春に現代思想とユリイカ読む読む

           青土社の硬派系雑誌の現代思想とユリイカは定期的に読んでいる。現代思想が思想/哲学を扱い、ユリイカのほうは文化領域を扱うという括りでいいのかな?でも大きく社会科学も自然科学も現代思想は扱うので領域横断ってことでいいのかもね。ユリイカの2月号の吉本ばななの特集は作家としての吉本ばななを多面的に捉えていて、長年の読者ならずとも初心者にも最適な特集。ワタクシ石川は父である吉本隆明から吉本ばななとハルノ宵子 (ばななの姉)に興味を持った、けっこう少数派?戦後日本思想の名著『共同幻想論

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          3月の大滝詠一

          80年代の大滝詠一は極端にライブの本数が減少し公の場に出てくる機会は少なかった。先頃発売された大滝詠一の『NIAGARA CONCERT '83』は貴重なラストライブとなった西武球場で行われた野外フェス<ALL NIGHT NIPPON SUPER FES. '83/ASAHI BEER LIVE JAM>の出演したときの音源が残されていて今回発表されることに。初回限定盤は3枚組でCD2枚組プラス秘蔵ライブ映像が付いたDVDという仕様。ディスク2はオールディーズのカバーを披露

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