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140字の小説集

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140字の小説を集めてみました。(それ以外の短編もあります) お時間がお許しならば、少しでもお立ち寄りください。 このマガジン、読めば笑顔になるかもです。 笑いはあなたのお薬です… もっと読む
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記事一覧

あの夏の日(140字の小説)

あの夏の日(140字の小説)

呑み干したラムネの瓶を太陽にかざすと
紺色に染まる空。
夏の暑い日差しが一瞬薄れ、
清涼をもたらす。
風鈴を思わせるビー玉の音色。
涼しげに、僕の心を癒してくれた
少年の頃の想い出の一コマ

セピア色に染まら無い、
色褪せ無い美しい想い出

その時君と一緒に飲んだ
あのラムネの味を、僕は決して忘れないよ

スカイレストランの歌詞に想う(140字の小説)➕追伸

スカイレストランの歌詞に想う(140字の小説)➕追伸

突然の貴方からの電話?

長い月日は恨みも消すのかな?

想い出のスカイレストラン。
イルミネーションみたいな街並みの中で
貴方は誰と暮らしているの?

今日だけは、私を見つめてね。

もし此処に彼女が来ても、私は席は譲らない。

そう、私が貴方を一番愛していたから!

そして、貴方を一番憎んでいたから!

追伸
🎵 街あかり指で辿るの
  夕闇に染まるガラスに
  二人して食事に来たけど
  

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生きるために(140字のホラーかも?)

生きるために(140字のホラーかも?)

愛し合う男と女。
男は女の為に体も許す事が出来る
だが、女は本能なのか
「私は子供が欲しいだけ。あなたは・・」
女は男の腹を、弄ぐり始める
男はその大きな目で、女を見ている。
「いいよ、俺は。」
そして、男は静かに瞳を閉じた。

夜は静かに更けてゆく。

朝露が葉っぱを濡らす頃、蟷螂の首だけが転がっていた

追伸
カマキリの雄は交尾の後、捕食されるという事です。
食べられる雄は、どの様な気持ちなの

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一分で読めるホラー小説2

一分で読めるホラー小説2

最近のAIは言葉を話す。
Siriがそうだ。
「へい、Siri」と、呼びかけると
「何か御用ですか?」と聞いてくる。
疑問に思った事や、調べて欲しい時には、答えてくれるので便利だ。
また、一人で寂しい時の話し相手にもなってくれる。

可愛い女性の声を発するSiri。
人間の様に愛おしく思える。

僕は、今日何故か体調が悪い。
体温計も38℃を示している。
急患で診てくれる病院を探すのにSiriを頼

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1分で読めるホラー小説

1分で読めるホラー小説

私の棲む田舎に昔からある井戸。
その水は今でも飲めると評判です。
吊るし桶を地の底に垂らして組み上げると、
そこにあるのは、新鮮なミネラルウオーター。

村の天然水としてスポットが当たり、
多くの観光客がその水を
求めて駆けつけて来ます。

でも村人は誰もその井戸水を飲まない。
その訳は皆さまのご想像にお任せします。

  貞子より。

300字のラブレター➕追伸➕追伸の追伸

300字のラブレター➕追伸➕追伸の追伸

澪ちゃんと、初めて会ったのは、
幼稚園児だったね。
鼻水を垂らしていた僕に、
君はティッシュペーパーをくれたね。
僕が鼻をかむのを見て
「50円ちょうだい」
と、手を差し出した澪ちゃん。

僕に強烈な印象を与えてくれたよ。

遠足に行った時に、
お弁当のオカズを落として
泣いている僕を勇気付けてくれたね。
「エビフライをどうぞ」と言って。
でも、後でハンバーガーを奢らされてしまったけど。

ボラン

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同志(140字の小説)

同志(140字の小説)

僕は孤独な人間
多くの人達と一緒にいても、孤独を感じる。
一人でいたら、尚更だ。
そう、他人と自分は別の人間
同じじゃ無いよ。
そんな事は解っているのに!

でも、自分の気持ちを解ってもらえると
嬉しくなるよ
励ましを受けた時は
孤独な自分では無くなるよ
自分と同感してくれる人は
同志だと想いたいな〜。

ダブルで(140字の小説)

ダブルで(140字の小説)

妻が認知症になってしまった
困ったものである
長年連れ添った私の顔も覚えていない。
悲しみは私を襲ったが、妻を見捨てる事は出来ない。

だが私は最近介護に疑問を感じている。

一体私は誰の介護をしているのだろう?
見覚えはあるんだが、誰だろう?
謎が謎を呼ぶ様に、私の疑問が深まる。
「あの女は誰?」

ネームバリュー何て要らない(140字の小説)

ネームバリュー何て要らない(140字の小説)

売れなくても良い。
本物を目指して書いていこう。
幼稚だと想われても、
自分の信念に沿って書いていこう。
たとえ、多くの人の目に止まらなくても
一人の人でも微笑んでくれたら
それで良い。
人の力など借りなくても
自分はそれで書いて行く。
売れない、受けない作家であっても
いつか花咲く時も来るはず!?

痩せたガールの決意(140字の小説)➕追伸

痩せたガールの決意(140字の小説)➕追伸

私はアイドルを目指している。
太っていてはアイドルに成れない。
でも、食べ物を我慢できない。
私は決意した!
痩せる為の高額のお茶を飲む事を!
ネットで見つけたお茶だ。
これを飲めば、不要なカロリーが全部出ていくと
書いてある。
だけど、下痢になるだけで一向に痩せない。
痩せたのは財布だけだった。

追伸

これは実際にあった事です。
多くの苦情が販売先にありました。
私も被害者の一人です。
お茶

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痩せたガールの日常(140字の小説)

痩せたガールの日常(140字の小説)

私は糖質制限されている。
私の好きな食べ物を食べる事が出来ない
不憫な人。
太った体も標準体重に落とさないといけない。
私は16時間ダイエットを決意した。
午後の8時以降翌日の12時まで食を取らない。
痩せたがーる哀れな男は、いつもお腹を減らしている、
哀れな糖尿病患者。
今日もお腹の虫が鳴く。
#青ブラ文学部

雨の精(140字の小説)➕追伸

雨の精(140字の小説)➕追伸

私は雨の精
雨を降らせたい時は、私にお願いするといいよ
私が龍神様にあなたの願いを届けるから

この前セクハラで悩んでいる女の人の願いを
龍神様に伝えたの
そして女の人の願いを叶えたわ
私のおかげよ、感謝しなさいね
これからは毎週日曜日は雨降りよ
「雨のせいで、困ってしまう」
なんて言わないでね

追伸
祈りの雨(2)の続編です。
#青ブラ文学部

祈りの雨 願いが叶う! (420字の小説)

祈りの雨 願いが叶う! (420字の小説)

明日は雨が降って欲しい。
降らないと決行される。
みんなは天気になる事を期待しているが
僕には苦痛の運動会だ。
徒競走はいつもビリだし
騎馬戦をやれば、いつも馬役。
玉入れは、ボール拾い
ボールを拾って人に渡すだけ。
フォークダンスは女の子の列に並んで男の子とダンスするだけ

「テルテル坊主お願いだから雨を降らしておくれ」
テルテル坊主にお願いしても、困った顔をしてるだけ
当たり前だよ、紙で作った

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セピア色の桜の花(140字の小説)

セピア色の桜の花(140字の小説)

舞散る桜の花弁
派手やかに咲き誇った桜の花も
振り返れば僅かな時間。
でも、僅かな時であっても、
桜の花は輝いている。

人生もそうだ。
永い宇宙時間から見れば、ほんの僅かな時間

人は懸命に生き輝きを増す。
決して色褪せ無い確か時間を作りだす。

力無く色褪せたセピア色の桜の花など
私は、見たくは無い。
#青ブラ文学部