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制服の研究 とアカデミー賞 1
種村季弘の著作に『ぺてん師列伝―あるいは制服の研究』と言う本がある。人はどれだけ思い込む生き物かを縷々述べた名著だ。モノを作り発表する人には是非読んでいただきたい。「これで伝わったはず」とか「当然わかってくるだろう」という思い込みをはぎ取ってくれるからだ。
逆に「これをやれば人はわかったつもりになってくれる」と、つけ込む手はずを教えてくれる本でもあるからだ。
さて、過日のアメリカ・アカデミー賞発
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のもやもやを考える(ネタバレあり)
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』を見てきました。平日の昼だから空いてるだろうと出かけたら意外に混んでいてビックリ。ボクの行った劇場では男の二人連れが多く、それもなんとなく意外。まぁデートムービーって感じでは、確かにない。
それで内容の感想ですが、面白かった。トム・ホランドは全然ピーター・パーカーらしくないが、とても良い。原作のパーカーはナード…オタク野郎…の天才だが、ホランドは頭の軽そうな
映画『ブラック・ウィドウ』にみる脚本のポイント
★ネタバレあります
★マーベル映画最高! って人にはお勧めしない小文です
映画『ブラック・ウィドウ』は、脚本を作る時にチェックするポイント、商品を作る時の考え方がたくさん見受けられて興味深いです。
ざらざらっと並べてみましょう。
◎課題がはっきりしない
主人公は何の課題に取り組んでいったのでしょうか?
アメリカ政府の追求から逃れる
レッドルームの追求から逃れる
家族の再生
洗脳されている後輩た
『怪獣8号』その新しさと不安について
『怪獣8号』について話をします。松本直也さんが『少年ジャンプ+』で連載しているWEB漫画。(以下ネタバレもあります)
このマンガの新機軸は設定にある。『ウルトラマン』の新機軸は怪獣対巨大ヒーロー、しかもヒーローは二重生活。人としては科学特捜隊のハヤタ隊員だった、という設定。『怪獣8号』はこのハヤタ隊員のポジションに巨大ヒーローではなく敵を据えたところに設定の新機軸があります。
単行本の一巻目はこ
「『エヴァンゲリオン』ってまだやってたの?」その2
今回もネタバレあるかも。ないように気を付けますが。
とにかくこのエヴァンゲリオンというヤツは設定を読むのにみんなでシャカリキになっているわけだが、ボクはその辺りはあまり興味なくって、「なんだかやってるなあ」くらいにしか思えない。気になるのはストーリーの構成である。
完結編で全く納得がいかないのは「その1」で話したようにストーリーがないことだが、もう一つ、ドラマがないのも見ていて疲れる原因になっ
「『エヴァンゲリオン』ってまだやってたの?」その1
と、驚いたのは2020年春のことだった。ボクにとって『エヴァンゲリオン』はとうの昔にパチンコ屋で流れてるだけのモノになっていたから、新作が劇場公開されるというニュースに驚いた。
ボクが『エヴァンゲリオン』を初めてみたのは、テレビの本放送が終わった後、深夜にまとめて放送されたときだ。思春期を随分前に終わっていたので主人公たちに共感するなんてことはなく、ただ「今のあんちゃんたちはこういうのが好きなん
なんでもアナリシス ネタバレあり 第五回『アベンジャーズ/エンドゲーム』
答え合わせのつもりで見てきました。
そしたら見事に外れた。
「良い意味で外れた」ってやつではなかったです。
「だめじゃん、こんな脚本」
という外れ方。以下だめな理由をアナリシス。
①タイムトラベル物なのに禁則がない
途中でタイムトラベル映画をいくつも並べて
「ああいうのは間違ってる」
って話してるけどいいタイムトラベル映画は禁則と法則がハッキリしている。本作はどういう禁則・法則か全然わからないまま
なんでもアナリシス ネタバレあり 第三回『キャプテン・マーベル』+『エンドゲーム』
以前『スター・ウォ-ズ』の続編をディズニーが作ることになった時
「なにしやがんだ、ルーカス!」
と本気で怒っていた知人がいた。ディズニーにSFは作れない! って。
『スター・ウォ-ズ』がSFなのかどうか、ボクは一番最初の三部作しかみてないのでよくわからない。最初の三部作はほとんど神話の作り方だった。
で、『キャプテン・マーベル』なんだけども
「あー、こりゃあSFじゃないわな。このノリで『スター