映画部の思い出断片①と、何か
学生時代、映画部に所属していた。
木屑とペンキの匂いのする学生会館にBOX(部室)があり、諸先輩が貯めこみ続けた本と小道具や撮影機材の隙間に、時間を持て余した人が何となく集まっている。すえた匂いを放つゴミ箱の横のソファでぼんやりと本を読んでいる部員。あちらでは脚本を一生懸命書いている者がいる。隣ではベソをかきつつ課題に取り組む単位僅少党。悟り組は長椅子で静かに昼寝をしている。大きな目玉をして奇声を発しつつゲームに打ち込んでいる一派もいた。
脚本を書いてきた者がたいていは監督も