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LORENZO VITTURI 『DALSTON ANATOMY』 (2013, SPBH Editions)
イタリア人写真家であり、彫刻家のロレンツォ・ヴィットゥーリの出世作である本書は、イースト・ロンドン、ダルストン地区のリドリー・ロード・マーケットを題材にしている。西アフリカからトルコ、イギリス、中国など多様な文化がミックスされたマーケットのカルチャーに魅了されたヴィットゥーリは、この地にアトリエを構え、7年間にわたり居住しながら、この作品を制作した。
テレビで旅行番組を見たり、YouTubeで検
Piergiorgio Casotti 『Emanuele Brutti, Index G』 (2018, Skinnerboox) 【写真集レビュー】
タイトルの『 Index G 』とはジニ係数のことで「おもに社会における所得分配の不平等さを測る」指標であり、居住地における人種差別の測定にも用いられる。イタリア人写真家、ピエルジョルジオ・カソティとエマニュエル・ブルティは、ミズーリ州セントルイスを例に取り上げ、現代における経済的不平等さ、人種差別による社会の分断とその見えにくさについて、車内から撮影した(ように見える)「カラーの風景写真」、アフ
もっとみるRein Jelle Terpstra『Robert F. Kennedy Funeral Train, The People’s View』(2018, Fw:books) 【写真集レビュー】
ポール・フスコ(Paul Fusco)の『RFK Funeral Train』は、アメリカ人ではなく、ロバート・F・ケネディの信奉者でもなく、当時をリアルタイムで経験したわけでもない私から見ても、不思議なぐらい胸が熱くなる写真集だ。1968年6月5日、ロバート・F・ケネディ上院議員は大統領予備選の選挙活動中に暗殺され、葬儀はニューヨークで行われた。その後、棺を乗せた列車はワシントンDCまで8時間か
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