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くいしんぼう雑記

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愛しかったり そうでなかったり いろんな食べものたちの話
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交通事故に遭いたくない

交通事故に遭いたくない

スーパーからの帰り道は特に、ぜったい事故に遭いたくないと思っている。買い物袋の中身を見られたくないからだ。

わたしはあまり無駄遣いをしないたちなのだけれど、食費にかんしてだけは別。
外食はたいてい誰かと一緒だから交際費みたいなものだしまあ良いとして、問題はスーパーでの買い出しだ。
だいたい週2~3回出向くのだけれど、毎回お会計は1,500円、多いときは2,000円を超えてしまう。ひとり暮らしなの

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2020夏・好きになった食べものたち

2020夏・好きになった食べものたち

食べることが、大好きだ。
そして、食べものの魅力を語ることも大好きだ。

この夏、新たにわたしの「好き!」に加わった、5つの食べものたちをご紹介したい。



クリームみっちり♡「カフェ ネージュ」のシュークリームdancyuの記事を読んで知ったお店。
シュークリームを注文すると、その場で生地の中にクリームを絞ってくれるのだという。

家から歩いて約5分という近さが魅力で、数日後すぐに出向いた。

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はなちゃんと過ごした日

はなちゃんと過ごした日

「お母さんからバタークリームのケーキが届いたの。良かったら一緒に食べへん?」
そんなとびきり素敵なお誘いに乗って、はなちゃんの家に遊びに行った。この春上京してきたはなちゃんは、大学時代からのたいせつな友人だ。

前回会ってからそう間が空いたわけでもないのに、再会するたびうれしくて顔はでろでろにほころぶし、手を取り合って子犬のごとくくるくると回ってしまう。
はなちゃんの最高な提案に基づいて、マックの

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どこへだって行かれる

どこへだって行かれる

東京は、街どうしが近くて電車賃も安いなとつくづく思う。
ここいいな、行ってみたいなと思った場所にはたいがい30分かそこいらで行けてしまうし、電車賃はたいてい往復1,000円以内に収まる。いや、500円程度で済んでしまうことのほうが多いかもしれない。

加えて今のわたしの家は、地下鉄・JRともに駅から歩いて10分程度の場所にある。

兵庫県の実家に住んでいた頃は、馬鹿高い私鉄の最寄り駅まで徒歩20分

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あいによばれて

あいによばれて

ソーセージマフィンは就活の味。
早朝、夜行バスで東京駅に着くと、いつも近くのマクドナルドで時間をつぶした。朝食を済ませて歯を磨き、化粧をほどこして身支度をととのえる。万年金欠の就活生にとって、たった数百円で長々と居座らせてくれるあの場所は大変貴重であった。

当時はマフィンとコーヒーのコンビで200円だったと記憶しているが、さっき訪れた空港の店舗ではそんなメニューは見当たらなかった。この2年の間に

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何はともあれパンケーキ

何はともあれパンケーキ

皆さんは、6年ほど前にやってきた空前のパンケーキブームを覚えておいでだろうか。

テレビや雑誌ではひっきりなしに特集が組まれ、ハワイからやってきた有名店には連日行列ができており、友人と待ち合わせたらばまずは「パンケーキ!」だった、あの時代。懐かしいですよね。

甘いものに目がないわたしは、当然すぐさまパンケーキの虜になった。大学に入学するやいなや、パンケーキ屋さんでアルバイトも始めたくらいであ

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「おいしい」気持ちを軽んじない。

「おいしい」気持ちを軽んじない。

すぐに食べられそうなお惣菜とスナック菓子とチョコ、チーズとアイスとスイーツと。
ばかげて明るい蛍光灯に照らされて、今日もわたしはスーパーを徘徊している。売り場を行きつ戻りつしながら、品物を手に取り買いものかごに入れることをくり返す。どこか熱に浮かされたような心持ちでありながらも頭はきちんと冷静で、食べ物のジャンルが被らないよう慎重に選別しているところがなおさもしい。

無心で何かを食べていると

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ベーグル衝動

ベーグル衝動

定期的にふとよみがえる、もっちりむちむち魅惑の食感。ああベーグルが食べたい! と思ったが最後、居ても立ってもいられなくなった。
コンビニやパン屋さんのもので済ますのもいいけれど、たっぷり時間があるのだし、この際自分で作ってみようか。手早く着替えてマスクを装着し、食料品の買い出しついでに材料をそろえることにした。
ドライイーストと強力粉。一軒目のスーパーでは粉類が軒並み売り切れ&品薄で、みな考えるこ

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わたしは生クリーマー

わたしは生クリーマー

生クリームに目がない。
とろっとなめらかな舌ざわりと、口いっぱいに広がるコク深いミルクの風味。幼少期、お菓子を作る母にまとわりついては、手渡されたボウルに残ったクリームを指ですくって舐めていた頃からずっと、その深い愛は変わらない。

ケーキのデコレーションやプリンのトッピングでも、大事に大事にクリームの部分を残しながら食べすすめるのが常で、もしかして単体で食べるのがもっともおいしいのではないかと気

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バターはかじるもの

バターはかじるもの

国民の多くがそうだと信じたいのだが、“バターではなくマーガリン”がスタンダードな家庭で育った。
料理はまるきり母任せだったので、用途といえば朝食の食パンに塗るか、たまに行うお菓子作りくらい。そのことで不自由を感じたことは特になく、バター=マーガリンではないのだとはっきり自覚したのも、多分大学生になってからのことだった。

先日、生クリームへの愛を熱く語ったことからもわかるように、元来わたしは濃厚な

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新玉狂い

新玉狂い

狂おしいほど好きな食べものの一つに新玉ねぎがある。
もともと、玉ねぎ特有の辛みや風味が好きだ。火を通して甘くとろけたやつも良いが、やっぱり一番は生のまま。
すすんで野菜を食べることの少ないわたしだが、オニオンスライスだけは子どもの頃からばくばく食らっていた。

ひとくちにオニオンスライスといっても、新玉ねぎでつくるそれはもう、通常のやつとは別格のおいしさである。
果物のようなみずみずしい甘みと、棘

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たぶんわたしはひじきが嫌い

たぶんわたしはひじきが嫌い

野菜が足りていない感じがしたので、ひじきの煮物を作ることにした。
袋の中には、ひじき・人参・しいたけと味付け用のたれが入っており、それらを煮込むだけで完成するのだという。以前、母が宅配便で送ってくれたものだ。

まずは具材を水で戻すと書いてあったので、裏面の作り方を律儀に守って10分間待つ。
洗い物が増えるのがめんどうだったので、ボウルのまま水を流そうとすると、ひじきがぽろぽろとシンクに落ちた。あ

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