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[漫画&ブログ] オッサンの気づき 第37話 ~過敏性腸症候群に気づいた!~


過敏性腸症候群(IBS)というものをご存じでしょうか?「過敏」の名の通り、ストレス等が原因で頻繁にお腹を壊してしまう病気です。妻ちゃんの場合、365日のうち、300日くらいはお腹を壊しています。ストレスは日常生活のどこにでもあるからです。…というか、過敏性腸症候群(IBS)がいきすぎてしまい、ストレスが無くても、例えば電車の中のようにトイレが近くに無い場所にいるだけで、「もしここでお腹が痛くなったらどうしよう」というプレッシャーがストレスとなり、お腹を壊してしまうのです。パニック症候群と同じ仕組みです。妻ちゃんのIBSは小さい頃からです。病院には何件も行き、色々な薬を試してみましたが、どれもあまり効果はありませんでした。内視鏡検査でも異常は無かったので、本当にメンタル由来なのだと思います。また、小さい頃体調を崩すとすぐに抗生物質を飲まされていたようで、それで腸内細菌のバランスがおかしく成長してしまったのではという診断もありました(抗生物質は細菌を殺す薬だからです)。何にしても日常生活の多くに制限がかかります。友達と自由に遊びにも行けません。学校ではテストも満足に受けられませんでした。毒の家族にはバカにされるだけでした。本当に可哀そうです。

一方、私の話になってしまうのですが、私は10年くらいひどい不眠症に悩まされています。毎日睡眠薬とうつの薬を何年も飲んでいるのですが、あまり良くなりません。「もし今日も眠れなかったらどうしよう」というプレッシャーがストレスとなり、また眠れないという事も多いです。それが原因で夜が来るのが恐くてパニック発作が出る事もあります。病院には何件も行き、色々な薬を試しました。ネットや本で調べて見つかる不眠解消法も全て試しました。…が、どれも決定的とはなりませんでした。一度良くなった時期もありましたが、去年からまた復活してしまいました。

不眠症によって日常生活の多くに制限がかかるようになりました。好きだったコーヒーも一切飲まなくなりましたし、夜に脳が活発になるといけないので、友達と飲みに行くという事も出来なくなりました。…と、ここまで読んで気づいたかもしれません。私の10年の不眠症は、ちょっと妻ちゃんの過敏性腸症候群の感じに似て来たのです。私は毎日本当に苦しかったです。妻ちゃんは似たような苦しさを小さい頃から経験してきたのです。私の苦しさを10倍くらいすれば、妻ちゃんの苦しさに相当するのかもしれません。そうです、私は苦しいは苦しいんですが、これで妻ちゃんの苦しさへの共感が増し、何か彼女の回復のヒントが得られるかもしれないと思うと、まあそれも人生ですよね~と思えるのです。

妻ちゃんのメンタルが過敏になってしまった原因が生育環境にあったのは明らかでした。「インナーペアレント」という言葉があります。我々哺乳類は親から世界の見方の基本を学びます。つまりペアレント(親)がインナー(内面)にずっと存在し続けるという事です。

こんなふうに、ペアレントが毒だと、毒がずっとインナーに存在し続け、世界の見方がいびつになってしまいます。そんな妻ちゃんのインナーを、世界はそんな怖いものじゃないよ、誰も攻撃してなんかいないよという考えで上書きするために、私は日々工夫しながら接しています。発言を悪く取ってしまわないように、語順や言うタイミングに気を付けたり、勘違いされやすそうな言葉は避けるというような事です。日々それは大変なんじゃないかと思われるかもしれませんが、実はこれって私が小さい頃からおばあちゃんにちょっとやっていた事なのです。おばあちゃんもいろいろあって若干敏感でしたし、しつけにも厳しかったので、私にとって他者との接し方に気を付けるというのは小さい頃からの日常です。むしろ妻ちゃんと知り合って結婚して関係が密になってからは、小さい頃のおばあちゃんとのそういう関わりを思い出して、割と懐かしさすら感じるのです。そういう意味では、私の生育歴全てが今こうして妻ちゃんを支えようとしている現在に、全てつながっているような気がします。私の母ちゃんは適当な性格で、そんな母が私のインナーにあるから、適度に気負い過ぎず妻ちゃんと接する事ができますし、おばあちゃんインナーがあるから、妻ちゃんを傷つけないよう気を付ける事ができますし、凝り性DIYの父ちゃんインナーがあるから、日々こうやって考えた事を漫画にする事で自分を客観視し、次に繋げる事が出来ているのです。言い換えれば、47歳の今ここでこうしているのは、生まれた時からの運命という気がするのです。私が良いインナーを与えてくれる家族の元に産まれたのは、毒のインナーに苦しむ妻ちゃんを支える人生になるためだったという気がするのです。そのためにこの世に産まれたんだろうなと本気で思っています。

Twitterで、「これは漫画的な演出であって欲しい、実際の妻ちゃんは、杉村さんの優しさを曲解せず受け止めていて欲しいです」というコメントをいただきました。確かに漫画的な演出の部分はありますが、何気ない言葉を悪くとらえてしまう、優しくされると逆に落ち着かないというのは毒親育ちあるあるだと思います。そういう意味では、本質的な部分では演出ではなくリアルであると言えます。なので普通の感覚だと「うわ~大変だねえ~」となると思うのですが、私は妻ちゃんとのつきあいが長いので、自分が言った事が正しく伝わらない、悪く取られてしまう事もある、そういうのは当たり前の事だと思っています。人が人生をかけて人を救うというのは、こういう事だと思っています。これは妻ちゃんとの関係に限りません。というかもともとそういう傾向があった気がします。他の人間関係でも同様ですし、漫画でも私の言いたい事が100%読者に伝わるとは限らないと思っています。言い方を変えれば、他者に過剰な期待はせず、自分なりを大事にしてきたという事です。他者に期待をしないから、他者に自分を押し付けず、依存せず、敬意を払えるのです。だから、私の周りには性別や年齢関係なく人が集まってきてくれていましたし、漫画も自分が楽しむ事を第一に長く描き続けられているんだと思います。それが私のインナーの軸になっている部分で、それが私のインナーペアレントであり、それに気づき感謝できるようになったのは、逆の毒インナーペアレントを知ったからでした。そういう意味でも、私が妻ちゃんと知り合うまでの人生は全て、今の毎日を送るための準備期間だったと思います。何でそんなに妻ちゃん妻ちゃんなのかというのも、元々私を育ててくれたおばあちゃんは社会的に弱い存在だったため、「かわいそう!助けなきゃ!」が私の基本として育ったからですしね。やっぱり全部つながっています。不思議なものですね。やっぱりこの世は何かのゲームなのかもしれません🤭

https://note.com/yuki1192/n/n6ec164228321

[おまけ]
インナーペアレントが毒だと、常に責められていたり他人に過剰に気をつかわなくちゃいけないような気になってきます。なので、「そんなことしなくていいんだよ」と言われても、反射的に「いやいや、でも…」という気持ちがわいてきて、気を使わないほうが気持ち悪くなったりします。つまり!逆に言えば常に責めてくる人とか俺に気を使え的な人を相手にするほうが、しっくりきてしまうのです。なんかいつもやばい系の人とばかりつきあってしまう人などはこのパターンだと思います。それについても以前、漫画を描きました。ぜひどうぞ。

[もう一つおまけ]
もし、あなたが同じく過敏性腸症候群に悩まされていて、さらに何をしても良くならないとしたら、FODMAP療法を試してみるのもおすすめです!簡単に言うと、過敏性腸症候群の人に合わない食べ物を避けましょうという事です。この表にある高FODMAPの食材が、過敏性腸症候群に合わない可能性のある食べ物です。この中から一つ一つこれは大丈夫だった/これはだめだったを試していくのです。今の所妻ちゃんにはこれが最も効果があります。私が毎日ご飯を作っているのも、これができるからというのが大きいです。普通にこれも一歩一歩回復の手がかりを探したり、大丈夫な食材で今日は何を作ろうみたいなDIY要素があって楽しいです。FODMAPで検索すると、もっとたくさんの食材が載った表が出てきます。ぜひ試してみてください。

https://low-fodmap.jp/contents/about_lowfodmap_1/



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