マガジンのカバー画像

戦力分析

12
運営しているクリエイター

記事一覧

2020年 広島先発陣を占う

2020年 広島先発陣を占う

プロ野球選手や野球ファンにとっての元旦とも呼ばれる、各球団キャンプイン日の2/1を過ぎ、待ち焦がれた2020年シーズンがいよいよ幕を開けることとなりました。ここから開幕へ向けて各球団が調整を行っていくわけですが、この時期に各所で行われるのが球団別の戦力分析ではないでしょうか?

セリーグは各球団戦力流出が目立つオフシーズンでしたが、その中でも広島はFA組が誰も権利を行使せずチームに残留したことで、

もっとみる
2020年 広島リリーフ陣を占う

2020年 広島リリーフ陣を占う

前稿では2020年の先発陣について展望しましたが、本稿ではリリーフ陣について展望していこうと思います。

1.2019年のリリーフ陣を振り返るまず最初に、2019年のリリーフ陣は相対的にどのような立ち位置にあったのかについて、確認していきます。

先発陣はリーグ4位ながらプラスの数値を記録していましたが、リリーフ陣は同じくリーグ4位ながらマイナスの数値を記録し、どちらかと言うと最下位の方が近い位置

もっとみる
2020年 広島野手陣を占う

2020年 広島野手陣を占う

前回、前々回と2020年の広島の投手陣について考察を加えてきましたが、最終編となる本稿では、野手陣について考察を加えていきます。

1.2019年の野手陣を振り返るまず最初に、これまでと同様にして2019年の野手陣は相対的にどのような立ち位置にあったのかについて、確認していきます。

DELTA社によるポジション別得失点を見ると、捕手と右翼はリーグトップとなる非常に高い得点を記録しています。一方、

もっとみる
2019年オフ広島の補強ポイント~投手編~

2019年オフ広島の補強ポイント~投手編~

前稿の野手編に続いて、本稿では投手の補強ポイントについて整理していきたいと思います。

1.2019年の敗因前稿でも触れましたが、再度2019年シーズンに広島が4連覇を逃した要因について振り返っていきます。(詳細については「広島はなぜ4連覇を果たせなかったのか」に譲ります)

①野手力の地盤沈下
3連覇中は強みとなっていた、走攻守全ての面で秀でた総合的な野手力の高さが、故障者や不調者の続出、丸佳浩

もっとみる
2019年オフ広島の補強ポイント~野手編~

2019年オフ広島の補強ポイント~野手編~

リーグ4連覇を目指して迎えた広島の2019年シーズン、その終着点は70勝70敗3分の4位という不本意な結末となりました。

そんな中、若手選手はフェニックスリーグへと繰り出し、佐々岡真司を新監督としてコーチ組閣も始まりつつあるなど、来季に向けての準備は既に始まっているわけですが、今後はドラフト会議や新外国人選手獲得やFAなど選手編成の時期へと入っていきます。

そんな中、現状の広島にどのような課題

もっとみる
緒方カープの将来設計~投手編~

緒方カープの将来設計~投手編~

前回の野手編に続き、今回は投手について、緒方政権にてどのような将来設計がなされているのかを、以下にて解き明かしていきます。

※成績は2019年前半戦終了時のもの

1.現状整理

まず先発投手の現状を整理したものが表①となります。

ここでは、一軍で先発を務めた投手の中で、消化イニング数上位6名をローテーション投手として表し、それ以外の投手をその他と表現しています。

大瀬良大地・床田寛樹・ジョ

もっとみる
緒方カープの将来設計~野手編~

緒方カープの将来設計~野手編~

2014年オフに野村謙二郎より監督の座を引き継いで、はや5年となる緒方孝市ですが、就任初年度こそ4位という順位に終わったものの、翌年からセリーグでは巨人以外の球団では初となる3連覇を成し遂げるなど、長らく低迷の続いたチームに燦然たる栄光をもたらしました。

しかし、監督5年目を迎えた今季は、チームの真のコアであった丸佳浩の巨人への移籍や、主力選手の不振が相次いだ影響からか、前半戦は借金5の4位でタ

もっとみる
埋まらぬ三塁手の穴

埋まらぬ三塁手の穴

広島の三塁手というと、かつては衣笠祥雄・江藤智・新井貴浩など、リーグ内でも屈指の強打者が担ってきたポジションです。

しかし、2007年オフの新井の阪神移籍後に空いた三塁手の穴は、12年経った今でも埋まる気配を見せず、村上宗隆・大山悠輔など他球団の新たな三塁手の台頭の流れとは逆行し、どんどん相対的な穴も大きくなっています。

今季も、ここまで安部友裕と小窪哲也が投手の左右ごとに出場機会を分け合うよ

もっとみる
2019年シーズン展望~OP戦を終えて~

2019年シーズン展望~OP戦を終えて~

OP戦も終了し、首脳陣の考えるチームの形が見えてきたところで、年初にシーズン展望を行いましたが、もう一度2019年シーズンの広島の戦い方について展望していこうと思います。

1.投手陣投手につきましては、先発とリリーフに分けて展望していきます。

先発:上位‥大瀬良大地、K・ジョンソン     
  中位‥野村祐輔、床田寛樹      
下位‥岡田明丈、九里亜蓮 

もっとみる
OP戦の振り返りから考える収穫と課題

OP戦の振り返りから考える収穫と課題

先日で各チームはOP戦を終え、広島は8勝4敗4分という戦績で見事に優勝を飾り、3/29より開幕するペナントレースへ向けて、大きな弾みを付けました。

昨年、一昨年はOP戦とはいえ下位に沈み、シーズンでは見事優勝を果たしたとはいえ、開幕前はその戦いぶりを心配されることもありましたが、今年に関してはそのような心配は無用そうです。

ただそんなOP戦の中でも、当然収穫もあれば課題もあり、ここで一度その戦

もっとみる
2019シーズン展望~野手編~

2019シーズン展望~野手編~

後編の今回は野手について展望していきます。

何と言っても昨年との一番の大きな変化点は、丸佳浩が抜けた点でしょう。

ここ3年は毎年OPSを伸ばして、2018年はリーグトップの1.096を記録し、かつwOBAも.467でリーグトップと打撃指標で軒並みリーグトップに君臨していました。

※wOBAとは‥単打や本塁打等の各項目ごとに得点荷重を与え、打席辺りにどれだけチームの得点増に貢献しているか示

もっとみる
2019年シーズン展望~投手編~

2019年シーズン展望~投手編~

2018年シーズンは、見事リーグ3連覇を果たしたものの、目標であった日本一は掴むことができず、消化不良感の残るシーズンでした。

そして、このオフには2年連続リーグMVPを獲得し、チームの核であった丸佳浩がFA権を行使し巨人に移籍するなど、チームは変革期を迎えています。

そんな中、2019年シーズンは当然リーグ4連覇かつ35年ぶりの日本一が目標となってくるはずですが、現有戦力で目指せるものなのか

もっとみる