園部友里恵

日々感じたこと、特に”ジェンダー”をめぐる何か、について記します。(個人的なものであり…

園部友里恵

日々感じたこと、特に”ジェンダー”をめぐる何か、について記します。(個人的なものであり所属機関とは無関係です)

最近の記事

「当事者」であること(4)「当事者でない」こととジェンダー

「当事者でない」からこそみえてくるもの、言えることがある。 ”ジェンダーの当事者”は誰か。 そんなことを前回までに書きました。 私は、いままで自分が ”ジェンダーの当事者である” とは思っていませんでした。 そして、いまは、自分が ”ジェンダーの当事者である” と思っているし、「全員」が ”ジェンダーの当事者である”のではないかと思っているし、でも実際にはそうなっていないことに苦しさのようなものを感じています。 (過去の私にまさに起こっていたように、)”ジェンダーの

    • 「当事者」であること(3)「当事者”になる”」こと

      「私はジェンダーの研究をしています」(正確には「したいと思っています」)と言うことに伴う「恐れ」と「勇気」の存在。 バトラーの「恐れなき発言」に関する論考、そしてその論考をもとにしたなかまとの対話は、その存在をすこしだけはっきりさせてくれました。 「ジェンダーの当事者”になる”」ということ、そして「ジェンダーの当事者”である”」と言うことは、 なぜこんなにも(少なくとも私にとって)むずかしいのでしょうか。 それは、そう表明した瞬間に、「めんどくさいやつ」レッテルをはら

      • 「当事者」であること(2)”ジェンダーの当事者”とは誰か

        前回、「当事者」であることと「研究」について書きました。 そうしたことを考えてきたときに、ふと浮かんできた疑問があります。 それは、 ”ジェンダーの当事者”とは誰か? ということ。 私の考えは、 「全員」 なのですが、おそらくそうはなっていないのではないでしょうか。 数か月前から、なかまと「ジェンダー読書会」なるものを続けているのですが、 昨日、ジュディス・バトラーの「恐れなき発言」についての論考を扱いました。 ”私はジェンダーの当事者である” と、「発言

        • 「当事者」であること(1)”研究すること”をめぐって

          先日、SNSで偶々目にした「貧困」に関するトークイベントの案内。 そのコメント欄に「学者に貧困がわかるのか」という声がありました。 この声を目にした後、ずっと考えていました。 振り返れば、 私は、「当事者」ではない者としていろいろな研究をしてきました。 修士課程のときには、劇場運営のおしごとをされているひとについて。 博士課程のときには、いわゆる「高齢者」とよばれるひとについて。 最近は、主に小学校で「教員」というおしごとをされているひとについて。 私は、自分

        「当事者」であること(4)「当事者でない」こととジェンダー

          留守番電話

          最近、お世話になっている、いわゆる「高齢者」と呼ばれる年代の方々のご自宅にお電話する機会がありました。 何人かはご不在で、「ただいま電話に出ることができません」というアナウンスが。 これがとても興味深く。 流れてきたのは次の2つのうちのどちらかでした。 1、既成のもので、女性によるアナウンス 2、自作のもので、男性によるアナウンス あれ、この方は確か女性で1人暮らしなはずなのに、「2」が流れてくるということは、これは誰に吹き込んでもらったんだろう、、?など。 ある方

          留守番電話

          ハトと格闘した週末から

          ベランダにハトが入ってくるようになって数ヶ月。 そろそろ暖房をつけたいなぁと思っていたのですが、 ハトがベランダの室外機の上や周りに糞をしてしまっており 子どものことも心配だし、 となりの部屋との兼ね合い(ベランダが薄い板いちまいでつながっているため)もあるので 管理の方に来てもらいました。 ある程度のおそうじをしてもらった後、 やはりもう少しきれいにしておきたいと夫が提案してくれたので、 ゴム手袋をホームセンターに買いにいったのです。 炊事場で食器洗いのときにつかうよ

          ハトと格闘した週末から

          「ジェンダー」はいつから(2)

          子どもの性別を意識したのは お腹に宿ってすぐでした。 周りからも「男の子?」「女の子?」と、 まだ性別がわからないときからたくさん聞かれ 私自身も、はやく知りたいなぁ、と思うのでした。 そして、どんどんかたちづくられていくからだ。 エコー写真を通して、 「ああ、男の子ですねぇ」 とわかる。 「女の子」よりも先に「男の子」であることが確定されることが多いそうです。 うまれる前から、性別を意識されて、 育てられていくのですね。

          「ジェンダー」はいつから(2)

          「ジェンダー」はいつから(1)

          「ジェンダー」なるものはいつからつくられていくのか。 偶然、昨日と今日、おなじある子ども番組をみていました。 昨日は「女の子」のキャラクターが「不機嫌」になって「周りに迷惑をかける」物語。 そして今日は「女の子」のキャラクターが「問題を起こして」(大人を心配させて)、「謝って」おわる物語。 偶然かもしれないけれど、 トラブルを起こすのは、2日間とも「女の子」のキャラクターでした。 そうなったのには、なにか理由や意図があるのでしょうか? それとも「自然に」そうなった

          「ジェンダー」はいつから(1)

          「ジェンダー」のことをはなすということ

          なぜ、「ジェンダー」のことをはなす、と誰かがいうと、 「めんどうくさいやつ」だとおもったり、 はたまた、はなそうとしている本人自身も 「「めんどうくさいやつ」だと思われるかなぁ」とおもったりするのでしょうか。 なぜ、 そんなつもりはないのに、 いつのまにか「被害者」「加害者」のような構図でそうしたはなしを捉えてしまうのでしょうか。 もっと「ふつうに」(?)、「ジェンダー」のことをはなせるにはどうすればいいのか、 考えています。 というか、最近、考えざるを得なくなりま

          「ジェンダー」のことをはなすということ

          なぜ、「ジェンダー」なのか

          私はいままで、自分の研究論文等のなかで「ジェンダー」のことを書いてきたことがありません。 ですが、ここ最近、「ジェンダー」を避けては通れないような状況におかれたと感じることがあり だけどそれがなんなのか、自分がなににひっかかっているのか、そうしたこと自体もつかめず そうした自分の状態にきもちわるくなってきた こうしたことがこのnoteをはじめようと思ったきっかけの1つです。 つかみのどころのないこの「ジェンダー」というものを、少しでもつかんでみたい そんなことをめ

          なぜ、「ジェンダー」なのか

          はじめます

          書きたいことがたまってきたので、 少しずつここに整理していくことにしました。 主にインプロ、パフォーマンス、ジェンダー、そしてそれと関連する日々の生活について。 明日から、ぼちぼちとはじめます。