見出し画像

挑むことがなければ、負けることもないけどさ

負けたことのない人生なんて、今となっちゃ何が楽しいのか分かんないですね。

昔の僕は、挑戦するのが嫌いな子供だった気がします。
34歳になった僕ぐらいの人たちは、『運動会で順位をつけるのはどうなのか』的な話が出始めたぐらいの世代です。
ナンバーワンよりオンリーワンというSMAPの大名曲を聴いて育った僕たちぐらいから、争うことを避ける人が増えてきたんではないでしょうか。

実際、挑戦することがなくなると。
挫折することなく、すくすくと大きくはなれるんです。
ただ、それと引き換えに大事なものを学ぶ機会を失う。

高校を卒業するまでの僕は、まさしくそういう人間で。
順位をつけられることは勿論、勝って嫉妬されるのも、負けて悔しい思いをするのもイヤでした。

そんな僕にとって、はじめての勝負は大学の部活内での作品選考でした。
当時、僕が所属していた放送部は制作した作品をコンクールに出品していて。
一団体から出せる作品数に制限があったので、部内でも選考する必要があったんですね。

で、そこで僕の作品は勝ち抜いて。
結果的に、コンクールでも全国で2位になりました。
正直、嬉しかったし気持ちよかった。

でも、勝つと更に上に登りたくなる。
この気持ちも、自分が勝負の場に出るまでは持ったことがなかったものなんですよ。

翌年は、別部門に作品を出して優勝しました。
でも、狙っていた全部門の中での1位に与えられる特別賞は獲れなかった。

悔しくて、最後の年は死ぬ程頑張りました。
多分、その後の人生でもここまで頑張ったことないかも。

当時、僕は大学を就職留年していたので部活も引退して、同級生もいなくて。
それでもコンクールに出たくて、スタッフや出演者を集めて。
演者が足りなかったので、全く経験のなかった演技までやりました。

編集は、後輩の家に泊まり込んで徹夜。
今考えたら、こういう努力の中にこそ青春があるのかもしれないですね。

で、コンクールは負けました。全国2位。
この時の話は、昔も記事にしているんですけど。

まあ、悔しかったです。
少なくても、そこまでの22年の人生の中では一番悔しかった。
一緒に頑張った後輩のことも、壇上に立たせてあげたかった。

でも、今となってはこの出来事に感謝している自分がいて。
全力で努力して、ひたむきに頑張って、負ける。
この体験が僕を強くしてくれたし、頑張ることの意味を教えてくれた気がするんです。

言い方を選ばず言うと、負ける辛さや勝つ喜びを知らない人間はペラい気がする。
挑むことがなければ、負けることもない。
自信を失ったり、傷つくこともない。
でも、勝利や敗北はそれ以上に大事なものをくれる。
僕はそう思っています。

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?