見出し画像

「苦手なタイプ」は自分にかかっている呪いを解く手掛かり

いつからだろう。私は中年の男性がとても苦手だ。

それはきっと、過去に会社でパワハラや身の危険を感じるレベルのセクハラ、乗り物で痴漢に遭った経験がそうさせているのだとずっと思っていた。

でもある時ふと気付いた。

苦手なのは「中年男性」とは限らず特定の関わり方で接してくる人に対し、自分の中で危険アラートが発令される、ということに。

具体的には立場や体格を利用したり、怒りや強い口調、機嫌が悪いアピール、自身が被害者である事などを過剰にアピールしたり、こちらを罵倒する事で反抗する気力を奪おうとしたり、こちらをコントロールしようとするような関わり方。

そしてもしかするとそれは、昔身近に居た人からそういう関わりをされて、でもそれが私が至らないせいだと思うよう誘導された経験があり、本当はすごく嫌だったのにリアルタイムでは嫌だと感じることを許されず、蓋をして過ごした期間があった事の反動なのかもしれないと思った。

過去の嫌だった記憶と目の前の人との間に共通項があると、無意識のうちに過去の記憶と重ね合わせて過剰に、まるでアレルギー反応のように無意識というか、反射的に拒絶してしまう。

そして、今までコントロールしようとする人に「この人はコントロールしようとしているな」と感じる事は出来ても上手に対処してきた経験が少ないからこそ、また怒りをぶつけられるか、コントロールされるという落とし所しか選べないんじゃないかとの思いがよぎる。だから怖いと思うし、苦手だったんだ。

自分の中の「苦手」のメカニズムに気が付き、言語化できた時、どこからが過剰反応でどこまでが事実かを見ようとするようになった。

と同時に、過去の記憶に蓋してきた自分に「わたし、ホントよく頑張ってきたよね」との思いが湧いてきた。

過去言われてきた「あなたは誰からも支持されない」「誰もあなたの事を好きにならない」「あなたが存在していること自体が罪」「あなたには何も出来ない」そういう類の言葉。

これらは、他人を自分の思い通りにコントロールする為の呪いであり、事実とはまた別の意図を持つもの。

その時に味わった無力感。でも実際の今の自分は既に大人で、自分の頭で物事を考えられるし、行動もできる。貯金も全くないわけでもない。そして友達もいる。

「苦手」とは。

無意識の心の動きに連動する身体の動き。

その違和感、いつものように動けない何か。

それらが発しているメッセージに耳を傾けててみると、苦手の裏側に気づいていないまだ見ぬ自分が見つかるかもしれない。

この記事が参加している募集

この経験に学べ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?