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形形色色ーー生き方が異なっても、皆それでちゃんと生きているのだから

(1601字・この記事を読む所要時間:約4分 ※1分あたり400字で計算)

【形形色色】

ピンイン:xíng xíng sè sè
意味:形も色も各種各様、まちまちであること。

『生き方が異なっても、皆それでちゃんと生きているのだから』

 思えば、随分と色んな人と同じ屋根の下で暮らしてきたものだ。
 
 中学時代は中国で、現地の子達と3年間の寮生活。
 大学に通ったら留学生として、今度は多国籍の方々と4年間シェアルーム。
 
 しょっちゅう韓国に遊びに行っていた頃は、ホテルの代わりに友人宅を転々と泊まり、更に知り合いのおばさんの家でホームステイもした。
 加えて妹夫婦や親戚の家での、長期にわたる居候生活も経験。
 
 諸事情により一時軍隊で訓練も受けていたが、これももちろん、同じチームで衣食住を一つの部屋で共にしていた。
 更にカナダでのサマーキャンプに参加していた時は、初対面のゲスト達・ホストの方と一緒に、一軒家で1ヶ月近くの時間を過ごした。
 
 
 そんなわけだから、私は割と早い段階で「郷に入れば郷に従え」というのを身に付けてきた方だと思う。
 
 同じ国・同じ地域にいたとしても、生活空間が違うだけで、タイムスケジュールも習慣も食生活もバラバラなのだ。
 いちいち「私はこうだ、ああだ」と、自己強調なんかしていられない。
 
 柔軟に適応していける力が無ければ、自分自身が生きづらくなるだけだからだ。
 
 
 特に居候させていただいている時は、ある意味相手の日常に「私」という異質な存在が割り込んでいる状態なので、一倍気を遣う必要がある。
 
 就寝・起床時間を始め、食事やシャワーのタイミング、洗い物の仕方にスリッパの並べ方まで事細かく指示を仰が無ければならない。
 
 
 暮らしの中に「些細なこと」なんてないからだ。
 
 すり合わせが上手くいかないと、どんな小さなことでも喧嘩の発端になりえる。

 
 
 長期であれ短期であれ、一緒に過ごすようになるのであれば、絶対に早い段階でしっかりそれぞれの癖について話し合うべきである。
 特に生活費といった、金銭面での問題が関わってくるのであればなおさらだ。
 
 「言いにくいし、申し訳ない……」なんて思って遠慮ばかりしていると、ストレスが溜まっていつか必ず爆発する時がくる。
 
 
 ーーにしても、人々の生活スタイルはなんてこんなにも様々なのだろう。
 
 
 服は洗ったそばから乾燥機で乾かさないと気がすまない、という人もいれば、
 必ず濡れたまま一晩おいて、次の日の朝になってからでないと干せない人もいる。
 
 ドバドバ洗剤を使わないと、食器を洗った気にならない人もいれば、
 油分がそんなに付いていないのであれば、水と手だけで洗った方が断然衛生的だと考える人もいる。
 
 毎朝ガッツリ食べないと元気が出ない人もいれば、
 朝食は白湯一杯だけで十分だという人もいる。
 
 もったいなくて、数日に分けても残り物を食べ切る人もいれば、
 一夜経てばもう身体には害だと思い、すぐに食べ物を捨ててしまう人もいる。
 
 
 ただ、最初は「なんで?」とつい首をかしげてしまうような作法の裏にも、必ずその人ならではの考えとこだわりがあるのだ。
 
 
 誰かと暮らすようになると、なんでもかんでも自分の慣れたやり方で出来ない分、ある程度の我慢が必要なので多少のストレスは感じるかもしれない。
 
 けれど、そこを克服して相手の生き方に合わせるよう努めてみると、ぐんと視野が広がる。
 
 細かい生活習慣一つに隠れている、その人ならではの価値観や世界観に触れることが出来るからだ。
 
 
 加えて考えが「べき論」から解放され、変なこだわりやルールに縛られなくなる。
 心が広くなり、自分と異なる人も理解して包容できる。
 
 どんな環境にもすぐに対応出来て、どこでも生きていける、そんな人になれる。
 
 
 人間、つい自分自身を基準に、「おかしい」とか「変わっている」とか思いがちだ。
 だけど、色んな暮らし方を経験してみれば分かるーー絶対的な「普通」なんてないことを。
 
 「ありえない!」と叫びたくなるようなやり方でも、当の本人は結局それでちゃんと生きていけているのだ。
 
 だから、それぞれ違って、それぞれ良い。

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