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トリックテイキングゲームと連句について書いてみた

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なんでトリックテイキングゲームと連句が並列しているのか不思議ですが、ともかくこの2つに関して書いたnoteたちです。
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トリテとレンク(0) 〜 「連句を無理矢理トリックテイキングゲームとして紹介する」可能性を1年間考えてみる。

2021年 しんねーん。 去年もこの挨拶ではじめました。挨拶なのか。 前回書きましたが、この記事でnote通算100本目となります。 不可能です。結論からいうと、 無茶だし無謀です。 とはいえ、なぜそんな事を考えたのか。 きっかけは、とある記事を書いたことからです。 この記事の最後で「第二芸術」という言葉を使いました。 ただ、この言葉で「ギャー!」と悲鳴を上げるかも知れないジャンルがあります。 それは、俳句です。 1946年に「第二芸術論」という桑原武夫さんの文

『Pairs(ペアーズ)』で遊ぶトリテを試しに考えてみる。

はい、どうも。 珍ぬと申します。 3年半近く、noteでボードゲームやパズル関連の記事をかれこれ250本近く書いています。 今年もよろしくお願いします。 『Pairs』とは? 『Pairs(ペアーズ)』は、James Ernest(ジェームス・アーネスト)さんが考案し、2014年にCheapass Gamesから販売されました。 Cheapass GamesはErnestさんが1996年に設立しましたが、2019年に出版権はGreater Than Gamesにうつりま

続・最古級のトリックテイキング『Karnöffel』から、Trumpの由来がなにか、仮説を立ててみる。

この記事はTrick-taking games Advent Calendar 2021の21日目の記事として書かれました。 はい、どうも。 珍ぬと申します。 2年半近く、noteでボードゲームやパズル関連の記事をかれこれ180本くらい書いています。 12日目同様、よろしくお願いします。 Trick-taking games Advent Calendar 2020の21日目の記事として、こんなnoteを書きました。 ざっくり書くと、最古級のトリックテイキング『Karn

トリテとレンク(8・続終)~かつてトランプと呼ばれたトランプと、現在のラフではないラフ

前回で終わるはずだった「トリテとレンク」。 まさかの延長です。 というのも、1つ書けそうな話題をみつけたら、それが思ったよりもボリュームが大きかった。 分けてしまおう、と思った次第です。 それでは、続きです。 OEDおそるべし前回の終わりでは、OED(オックスフォード英語辞典)で「Trump」を引くと、次の項目を見つけてしまったことです。 訳すと「時代遅れのカードゲーム。ruffも同様」。 この文には、2つ驚くことがあります。 1つ目:トランプは時代遅れのカードゲーム

トリテとレンク(7・終?) 〜 トリックと紋章学

この記事はTrick-taking games Advent Calendar 2021の12日目の記事として書かれました。 はい、どうも。 珍ぬと申します。 2年半近く、noteでボードゲームやパズル関連の記事をかれこれ180本くらい書いています。 以上の挨拶は去年の使いまわしですが、よろしくお願いします。 2021年の1月から、トリテ(トリックテイキングゲーム)と連句を交えながら、不定期に書きました「トリテとレンク」。 前回書いたのが7月。 ずっとお留守にしていまし

トリテとレンク(6) 〜レンクと川柳と大喜利

他の話題のnoteを書いているうちに、2ヶ月以上もご無沙汰しておりました「トリテとレンク」。 今回は連句サイドです。 連句については、発句(俳句)と絡めた話題を書いてきましたが、発句から外れても話題満載なのですよ。 平句から川柳連句は、読まれた句の順番、何句目かによって呼び名があります。 第1句目は「発句(ほっく)」。 第2句目は「脇(わき)」。 第3句目は「第三(だいさん)」。 最後から2句目は、季題で花をよむのが定番なので「名残の花(なごりのはな)」。 最後の句は

トリテとレンク(5)〜トリテとスートとマシマシ

今回はトリテの回。 コンポーネントであるカードについて、マシマシ書きます。 トリテを遊ぶコンポーネント トリテを遊ぶのに必要なものは、コンポーネントです。 とりわけ、カードです。 日本では、一般的にトランプと呼んでいます。 第3回でも書きましたが、イタリアだとブリスコラです。 一部の国や地域でのローカルな呼び方になります。 では、グローバルな呼び方は何かというと、カード(Playing Cards)です。 ただし、日本で言うところのトランプに相当する、あの52枚1組を伝

トリテとレンク(4)~連句と季題とフォロー

せめて遅くても1ヶ月の更新……とおもいつつ、前回から1ヶ月半経過してしまいました。 今回は「レンク(連句)」がメインとなります。 といいつつ「トリテ」も関わってきます。 「トリテ」のフォロー 「トリテ」は、いくつかの「トリック」と呼ばれるミニゲームを行い、そのミニゲームに勝つと「トリックを1つ取る」などの扱いになります。 そして、ゲームによって「トリック」のルールがいくつかあります。 1番スタンダードなものは「マストフォロー」。 1番最初にプレイする人が出した手札をリー

トリテとレンク(3)~BriscolaのBriscolaであるBriscolaでのBriscolaはBriscola

今回は、トリテがメインとなります。 前回、「トリテとレンク」の一連のnoteを書く動機を晒しました。 ただ、それは「連句」サイドの動機で「トリテ」側にもあります。 それが、 「トリテ」の「トリック(trick)」って、 なんでそもそも「トリック」と呼ばれるの? です。 これが意外とわからない。 未だに、その件についての決定的・核心的な情報・資料が探しきれていません(自分の探し方が下手なんじゃないか、と思いますけど)。 もっと準備してからでないと、この辺についての記事を書く

トリテとレンク(2) 〜 連句と俳句と第二芸術

いろいろな記事を書いているうちに、1ヶ月たってしまいました。 お久しぶりの「トリテとレンク」です。 今回、トリテの話題はお休みです。 さて、数ヶ月前にバンクシーについて考えた記事を書きました。 この記事の最後に、「第二芸術」についてそのうち書く予定、とにごしていたのですが、書きます。 お断り: 珍ぬは、大学などで文学や歴史を専攻していませんので、素人があれこれ語っているだけです。 なので、一種の創作文としてお読みいただきたく思います。 今回の記事に登場するおもな人たち

トリテとレンク(1) 〜トリテと連句とレガシーシステム

レガシーシステムとは2011年、ボードゲーム界に異端種が現れました。 『Risk Legacy』 1959年に発売されたボードゲーム『リスク(Risk)』をベースにして制作されています。 『Risk Legacy』にある「Legacy(レガシー)」。 これはなんなのか。 Boardagmegeekにある「Legacy」の説明を引用します。 【引用】 Legacy games are board games whose rules and components chan

最古級のトリックテイキング『Karnöffel』から、トリックテイキングを「舞台装置」として考えてみる。

この記事はTrick-taking games Advent Calendar 2020の21日目の記事の後半として書かれました。 ※独立して読むことができますが、前半も読んで頂くことをおすすめします。 前半はこちら。 『Karnöffel』の言葉の意味と、切り札について書きました。 【注意】 今回の記事も、下ネタが頻出します。 苦手な方は、お読みならない方がよろしいかと。 事前にお断りします。 といっても、「karnöffel」のことをキ◎タマと呼ぶだけなんですが。

最古級のトリックテイキング『karnöffel』から、Trumpの由来がなにか、仮説を立ててみる。

この記事はTrick-taking games Advent Calendar 2020の21日目の記事として書かれました。 はい、どうも。 珍ぬと申します。 ここ1年半近く、noteでボードゲームやパズル関連の記事をかれこれ90本くらい書いています。 よろしくお願いします。3回目。 ADVENTERの20日目は、PaixGUILD ピースギルドさんです。 では、本編始めます。 【注意】 今回の記事は、下ネタが頻出します。 苦手な方は、お読みならない方がよろしいかと。