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潜水艦内で伝染病を発生させよう!!|『キャビン・フィーバー』(2)

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 前回に引き続き、映画「キャビン・フィーバー」をベースに新しい物語を妄想します。

※「キャビン・フィーバー」のストーリーなどについては、前回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 それではまいりましょう!

三葉 はい。

嘉村 「キャビン・フィーバー」は「アホな大学生 × 恐ろしい伝染病」のパニック映画ですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……さて!どんな物語にしましょうか?


案①


三葉 まずは、「キャビン・フィーバー」のストーリーをざっくり確認しておきましょう。すなわち……。


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嘉村 ふむふむ。

三葉 さて「案①」ですが……ズバリ!「戦場へ向かう潜水艦の中で伝染病が発生し、パニックになる物語」です。


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嘉村 潜水艦で伝染病!

三葉 はい。

嘉村 ふーむ……そりゃパニックになるでしょうねぇ。なにしろ完全な閉鎖空間ですもんね。

三葉 ええ。しかも、重要な任務を帯びて戦場へ向かう途中なので引き返すわけにはいかない。母国へ救援を求めても、「何とかしてやりたいが……わが国の未来は、きみたちの双肩に懸かっている。武運を祈る」と言われてしまう。

嘉村 武運を祈られてもねぇ……。

三葉 かくして乗員たちは戦々恐々としながら、そして疑心暗鬼になりながら、戦場に到着するまでの1週間を過ごすのです。……1週間でなくて3日でも1か月でもいいのですが、感染から発症まで一定の時間が必要だし、しかし長すぎると物語がダレてしまうので、ここでは1週間ということにしましょう。

嘉村 なるほど。ところで、その伝染病の原因は何なんです?

三葉 原因ですか。ふーむ……「キャビン・フィーバー」風の物語の見どころはパニックシーンです。感染源を明らかにしようと奮闘する謎解き物語ではないので、率直に言って原因は何でもいいのですが……うん!乗員たちが釣った魚ということにしましょう。

嘉村 ほぉ。

三葉 出航前のことです。潜水艦は軍事基地に停泊している。出航までの待機時間、乗員たちは暇つぶしに釣りをして過ごしていた。そして、巨大魚を釣り上げる。現地の人は「それは海の主だ。不吉なことが起こるぞ!すぐに海に返すべきだ」と慌てるが、乗員たちは一笑に付す。

嘉村 ふーむ……。

三葉 その直後、出航命令が下る。乗員たちは「こいつを食うと神の加護があるぜ。縁起物だ!」と釣った魚を潜水艦に持ち込み、食ってしまう。

嘉村 その魚が伝染病の原因、と。

三葉 ええ。象徴的には、「伝染病 = 現地人の忠告を無視して海の主を食ったことへの罰」ですね。

嘉村 なるほど。

三葉 要するに魚さえ食わなければ感染の心配はないのですが……「キャビン・フィーバー」同様、乗員たちは空気感染や接触感染を恐れ、感染者を隔離・放置する

嘉村 ふむ。

三葉 初めは機械室や、居住区の端の方の部屋に感染者を押し込んでいたのですが、何しろ狭い潜水艦の中です。隔離するにも場所が限られている。さらに空気感染するとすれば、艦の中に置いておくこと自体危険です。

嘉村 そうでしょうねぇ……。

三葉 かくして、感染者は魚雷のように大海原に射出されることになる。

嘉村 ひどい……。

三葉 さらに、「どうせなら生物兵器として有効活用できぬだろうか」なんて話になったり。

嘉村 ひどすぎる……。

三葉 とまぁ、そんな物語です。

嘉村 気になる結末は……。

三葉 乗員は全滅。さらに、別の艦が巨大魚を釣り上げるところで……おしまい!

嘉村 つまり、「キャビン・フィーバー」同様、誰も彼もが死に絶えることを予感させるようなエンディングということですね。


案②


嘉村 続いて、「案②」にまいりましょう。

三葉 はい。「案②」は、「巨大台風が接近する中、住民は避難所へ。そこで伝染病が発生し、パニックになる物語」です。


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嘉村 ほぉ!

三葉 舞台は、あまり人口の多くない田舎町がいいでしょう。

嘉村 ふむ。

三葉 戦後最大級の巨大台風が接近する夜のこと。土砂崩れ及び洪水の警報が発令され、学校の校舎や体育館が避難所として開放されます。

嘉村 なるほど。

三葉 住民が続々と集まってくる。「このまま何もなければいいのだが……」、「きっと大丈夫ですよ」、「心配しても仕方がないさ。台風が直撃するのは明日だそうだ。体力を温存しておかなきゃね!今日は早めに寝てしまおう」。不安の中にも和やかなムードが漂う。ところが……!

嘉村 待ってました!

三葉 翌朝、最初の感染者が出る。見るも無残な姿に、人びとは恐れおののく。そして誰かが叫ぶ。「伝染病だ!うつるぞ!」。

嘉村 ふむふむ。

三葉 住民たちは逃げ出そうとしますが……外は猛烈な雨風!川は氾濫寸前!いま外に出るのは自殺行為です。

嘉村 ええ。

三葉 致し方ないと、人びとは感染者を隔離することにする。隔離先は体育倉庫、それもとび箱の中です。

嘉村 とび箱の中……それ、意味ありますかね?

三葉 意味はないですが、ほら、気分的にね。少しでも感染者から距離を置きたいという気持ちの表れですよ。

嘉村 なるほど。

三葉 いや……もっとひどい方がインパクトがあるかな。

嘉村 ひどい方?

三葉 例えば、飼育小屋の中とか。感染者がチャボにつつかれて「痛い痛い」とうめくシーンなんて面白くないですか?

嘉村 悲惨だ……。

三葉 でも、ちょっと吹き出しちゃうと思いません?

嘉村 うーむ……確かに。

三葉 学校にはいろいろな設備があるので、このあたりはいくらでも面白くできそうですね!

嘉村 ふむ。

三葉 さて物語の続きですが……せっかくの隔離も虚しく、爆発的に感染者が増加していく。

嘉村 ふーむ……そういえば病気の原因は何なんです?

三葉 上述の通り、この手の物語では感染源は大して重要な問題ではありません。したがって何でもいいのですが……うん!貯水タンクの水が汚染されていたことにしましょう。

嘉村 「キャビン・フィーバー」と同じく、水を通じて感染するんですね。

三葉 ええ。ただし、単に「水が汚染されていました」だけでは面白くないので……病に冒されたカラスが死に、その死骸によって水が汚染されることにしましょう。

嘉村 ほぉ、カラスですか。

三葉 ええ。一部の神社では、カラスは神の使いとされています。つまり、こういうことです。……物語冒頭、町の人びとが神を冒涜するようなことをしてしまう。まぁ、金儲けのために神社を無理矢理移設したとかそんなのですね。

嘉村 ふむ。

三葉 神は、身勝手な人びとに罰を与えるべく未知の病に冒されたカラスを遣わした。かくして厄災が始まる……。

嘉村 なるほどねぇ。

三葉 田舎特有のしがらみや、不気味な因習を登場させると、「キャビン・フィーバー」とは異なる面白い作品に仕上がるのではないかと思います。


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(担当:三葉)

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